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  • No : 1536
  • 公開日時 : 2017/10/17 00:00
  • 更新日時 : 2021/03/08 11:30
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【ワーファリン】 II‐3.5.ステント留置などの経皮的冠動脈形成術(PCI)後の抗凝固薬療法の成績(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)

【ワーファリン】 
 
II‐3.5.ステント留置などの経皮的冠動脈形成術(PCI)後の抗凝固薬療法の成績(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)
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回答

急性冠症候群に対する治療として、経皮的冠動脈形成術(PCI)の進歩は目覚ましく、国内にも90年代臨床導入されたステント留置術が一般的となってきた。PCI及びステント留置の普及とともに、施行された患者集団の規模が年々拡大し、ステント血栓症が課題となるなど、いくつかの臨床試験や観察研究で有効な抗血栓療法について検討が行われてきたが、ワルファリンの使用は推奨されていない。アスピリンとクロピドグレルの抗血小板療法が標準治療となっている。

 

1)主な臨床試験

・冠動脈ステント留置後

RCT STARS(1998)3)では、冠動脈ステント留置後の患者を対象とし、無作為割付によりアスピリン単独投与群、アスピリン+ワルファリン併用投与群、アスピリン+チクロピジン併用投与群を有効性及び安全性を比較した。一次評価は30日以内の死亡、標的病変の血行再建術、血管造影上確かな血栓症及び心筋梗塞とし、アスピリン+チクロピジン併用投与群において有意に少なかった。


RCT ISAR(1996)4,5)では、心筋梗塞でPCI及びPalmaz-Schatzステント留置が成功した患者を対象とし、無作為割付によりアスピリン+チクロピジン併用投与群とアスピリン+経口抗凝固療薬(フェンプロクモン)(目標INR3.5~4.5)併用投与群を比較した。ステント留置30日以内の心疾患死、心筋梗塞発症、冠動脈バイパス術または再度のPCI施行について、アスピリン+チクロピジン併用投与群において有意に少なかった。


RCT Marzocchiら(1997)45)は、同様の結果の臨床試験を報告している。


・経皮的冠動脈形成術施行前から投与開始のクマリン系抗凝固薬

RCT Bergら(1997)67)は、症候性冠動脈疾患患者で予定する経皮的冠動脈形成術施行前から投与開始するクマリン系抗凝固薬(アセノクマロール)をアスピリンと併用する群とアスピリン単独群を無作為割付した比較試験で6ヵ月間の効果を検討した。一次エンドポイントは1年後の死亡+心筋梗塞+標的血管の血行再建術+脳卒中であり、急性期および遠隔期の合併症の予防効果では、併用群の発生率14.3%がアスピリン単独群20.3%より発症率は有意に低く、出血性合併症は有意に増加した。

 

2)主な観察研究

2剤の抗血小板薬による治療(DAPT:Dual Antiplatelet Therapy)とワルファリンを加えた3剤併用について、いくつか観察研究47-52)が報告され、日常診療下の実態を把握する際の参考となる。3剤併用では出血のリスクが増加する傾向が示されるが、選択バイアスなどの限界があり、有効性・安全性の評価は困難である。また、ベアメタルステント(BMS)、薬物溶出ステント(DES)といったステントの種類によっても配慮が必要となっている。


OBS Karjalainenら(2007)46)の観察研究でも類似した実態が報告されている。チクロピジンに代わり、同じチエノピリジン系抗血小板薬クロピドグレルとアスピリンの併用投与へと発展し、今日ではDAPT が標準治療として定着してきた。なお、チエノピリジン系抗血小板薬と経口抗凝固療薬との2剤併用の有用性については、アスピリンを必須とした検討であったため、確認されることがなかった。

 


【参考文献】    [文献請求番号]
3)Leon,M.B. et al.: N.Engl.J.Med.,     339,    1665(1998)    WF-4133
4)Schomig,A. et al.: N.Engl.J.Med.,     334,    1084(1996)    WF-2302
5)Schomig,A. et al.: J.Am.Coll.Cardiol.,     29,    28(1997)    WF-2305
45)Marzocchi,A. et al.: Cathet.Cardiovasc.Diagn.,     41,     371(1997)     WF-2304
46)Karjalainen,P.P. et al.: Eur.Heart J.,     28,     726(2007)    WF-2533
47)Mattichak,S.J. et al.: J.Interven.Cardiol.,     18,     163(2005)    WF-2466
48)Khurram,Z. et al.: J.Invasive.Cardiol.,     18,     162(2006)    WF-2432
49)DeEugenio,D. et al.: Pharmacotherapy,     27,     691(2007)    WF-2637
50)Rogacka,R. et al.: J.Am.Coll.Cardiol.Interv.,     1,     56(2008)    WF-3018
51)Olson,K.L. et al.: J.Thromb.Thrombolysis,     29,     316(2010)    WF-3226
52)Uchida,Yoshie et al.: J.Cardiol.,     55,     362(2010)    WF-3280
67)ten Berg,J.M. et al.: Circulation,     102,     386(2000)    WF-4473

 

【更新年月】

2021年1月

 

 

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