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  • No : 1503
  • 公開日時 : 2017/10/16 00:00
  • 更新日時 : 2019/04/26 18:04
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【ワーファリン】 Ⅷ‐32.ワクチン類との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐32.ワクチン類との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 631 ワクチン類〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を増強したとの報告がある。

 


[併用時の注意]

臨床上問題にならない程度と思われるが、ワクチン接種前後の血液凝固能検査値の変動に注意すること。

 

[相互作用の機序]

不明。

当初、ワクチン接種により生じるインターフェロン合成増加が関係するとの説があったが、確認されていない。

 

[相互作用の事例]

<臨床研究報告>1,2,4,5,6,10,11)【相互作用なし】

ワルファリン療法施行中の患者に対しインフルエンザワクチンを接種した。ワクチン接種前から経日的にプロトロンビン時間を測定したが、有意な変動は認められなかった。(海外)

 

<症例報告事例、臨床研究報告>3)【ワルファリンの作用増強】

(症例報告)81才男性。大動脈弁置換術後より12年間ワルファリンを投与中で、プロトロンビン時間は治療域に安定していた。インフルエンザワクチン接種10日後、吐血とメレナにて入院。プロトロンビン時間は36秒。新鮮凍結血漿投与、赤血球輸血、ワルファリン休薬にて対処した。


(臨床研究1)長期ワルファリン療法施行中で、プロトロンビン時間の安定している8例に対し、インフルエンザワクチンを接種した。ワクチン接種前12ヵ月間のプロトロンビン時間の変動幅と、ワクチン接種後1ヵ月間のプロトロンビン時間の最大値を比較した。ワクチン接種後のプロトロンビン時間の最大値は、4例でワクチン接種前12ヵ月間のプロトロンビン時間の最大値を上回り、2例では入院とした。


(臨床研究2)健康成人12名(男7、女5)に対しワルファリン5mgを経口投与し、7名にはインフルエンザワクチンを、5名には生食を注射した。S-ワルファリン、R-ワルファリンの血中濃度、半減期とも、インフルエンザワクチンの影響は認められなかった。(海外)

 

 

<臨床研究報告>7)【ワルファリンの作用増強】

安定した長期ワルファリン療法を受けている12例において、プロトロンビン時間比は、インフルエンザワクチン接種の7日前が1.64、当日が1.71であり、この間に有意差は認められなかった。プロトロンビン時間比は、インフルエンザワクチン接種の2日後1.81、5日後1.80、7日後1.76、14日後1.84、21日後1.79と推移し、接種7日前と比し、接種2日後、5日後、14日後で有意に高かった。(追試験)翌年、長期ワルファリン療法を施行中で、インフルエンザワクチン接種を受けた26例にて、プロトロンビン時間比の変化を検討した。インフルエンザワクチン接種当日、接種14日後のプロトロンビン時間比には有意差はなかった。2試験合計38例の中で、プロトロンビン時間比の最高値は2.33であった。出血性のエピソードは、1例も認められなかった。(海外)

 

<臨床研究報告>8)【相互作用なし】

ワルファリンを投与中にインフルエンザワクチンを接種した33例の内、接種30日以内にワルファリン毒性(出血徴候)が現れたのは血尿の1例のみであった。ワルファリン投与、インフルエンザワクチン非接種のコントロール15例では、この期間のワルファリン毒性は1例で鼻出血を認めたのみであった。(海外)

 

<臨床研究報告>9)【ワルファリンの作用減弱】

安定したワルファリン療法施行中にインフルエンザワクチン接種を行った22~83才の24例において、プロトロンビン時間は、インフルエンザワクチン接種前19.68秒、接種0~2週後18.04秒、3~4週後19.47秒、2ヵ月後18.93秒、3ヵ月後19.48秒、4ヵ月後20.25秒であり、ワクチン接種0~2週後に有意な短縮を示した。本試験では、ワルファリンの作用増強は認められず、むしろ減弱した。(海外)

 

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)Gomolin IH: Can. Med. Assoc. J.,    135,    39(1986)    WF-0305
2)Lipsky BA et al.: Ann. Intern. Med.,    100,    835(1984)    WF-0382
3)Kramer P: Clin. Pharmacol. Ther.,    35,    416(1984)    WF-0388
4)Farrow PR et al.: J. Infect.,    9,    157(1984)    WF-0424
5)Arnold WSG et al.: Br. J. Clin. Pharmacol.,    44,    136(1990)    WF-0598
6)Gomolin IH et al.: J. Am. Geriatr. Soc.,    33,    269(1985)    WF-1724
7)Weibert RT et al.: Clin. Pharm.,    5,    499(1986)    WF-1760
8)Patriarca PA et al.: N. Engl. J. Med.,    308,    1601(1983)    WF-1770
9)Bussey HI et al.: Drug Intell. Clin. Pharm.,    22,    198(1988)    WF-1778
10)Raj G et al.: Arch. Intern. Med.,    155,    1529(1995)    WF-1779
11)Poli D et al.: Blood Coagul. Fibrinolysis,    13,    297(2002)    WF-1780

【図表あり】

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