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医療用医薬品一覧
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[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕
[相互作用の内容]
本剤との相互作用はないと考えられる。
[併用時の注意]
相互作用は生じないか、または生じたとしても臨床上問題にならない程度と思われる。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>1)【R-ワルファリンの排泄低下】
健康成人男子6名にワルファリン25mgを単独またはエノキサシン400mg 1日2回14日間投与の第8日に併用にて単回経口投与した。プロトロンビン時間-時間曲線下面積0-168、第Ⅶ因子凝固時間-時間曲線下面積0-168およびプロトロンビン時間、第Ⅶ因子凝固時間の最大値、同到達時間には、ワルファリン単独期とエノキサシン併用期の間に有意差は認められなかった。S-ワルファリンの消失速度定数、半減期、みかけの総クリアランス、みかけの分布容積はいずれもエノキサシンによる有意な変動は示さなかった。一方、薬理活性の低いR-ワルファリンでは、エノキサシン併用により消失速度定数の有意な低下、半減期の有意な延長、みかけの総クリアランスの有意な低下を来たしたが、みかけの分布容積には有意な変動はなかった。また、エノキサシンはワルファリンの血漿蛋白結合率には影響しなかった。ワルファリンの代謝クリアランスは、R体の6-水酸化体を除き、エノキサシンによる有意な変動は示さなかった。(海外)
<臨床研究報告>2)【相互作用なし】
ワルファリン3mg/日を投与中の23才男性に、エノキサシン400mgを1日2回7日間投与した。エノキサシンによるプロトロンビン時間の変動は認められないと考えられた。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Toon S et al.: Clin. Pharmacol. Ther., 42, 33(1987) WF-0573
2)McLeod AD et al.:N.Z. Med. J., 101, 216(1988) WF-1728
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する。【シプロフロキサシンの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
シプロフロキサシンとの相互作用は多く報告されている。
但し、コントロールされた臨床研究では、十分な再現性がない。
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]1)
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
70才男性。腋下動脈-大腿動脈、大腿動脈-大腿動脈のバイパス術施行の7ヵ月後に、移植片に血栓を生じて、ワルファリン1.25mg/日投与を開始した。血栓の再発でワルファリンを1.5mg/日に増量した。1週後に、他医にて鼠径部排膿ドレナージを施行し、シプロフロキサシン1500mg/日を処方された。ワルファリン増量時、プロトロンビン時間は17.5秒であったが、シプロフロキサシン投与開始4日後には29.1秒に延長、ワルファリンを中止した。プロトロンビン時間が14.7秒となった時点で、ワルファリンを1.0mg/日にて再開したが、3日後のプロトロンビン時間は26.1秒であり、更に数週間安定しなかった。シプロフロキサシンを中止したところ、プロトロンビン時間の安定をみた。(海外)
<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】
48才女性。右膝下動脈瘤破裂後に静脈移植による再建術を施行後、ワルファリン2.5mg/日を服用していた。シプロフロキサシン1000mg/日を10日間投与された。10日後のプロトロンビン時間は、併用前の22秒から73秒に延長していた。出血症状はなかったが、ワルファリンとシプロフロキサシンを中止し、ビタミンK投与にて対処した。3日以内にプロトロンビン時間は12.2秒となり、ワルファリンを再開した。(海外)
<症例報告事例>4)【ワルファリンの作用増強】
(症例1)50才女性。抗リン脂質抗体陽性と慢性関節リウマチで、ワルファリンの他7剤を服用中であった。排尿困難、膿尿にシプロフロキサシン1000mg/日が処方された2日後、傾眠、嘔気、頭痛を訴えて入院とした。CT検査で硬膜下血腫と診断された。INRは入院5日前の3.0から8.8に上昇していた。ビタミンKを投与した後、開頭血腫除去術を施行した。
(症例2)56才男性。人工弁置換術後にワルファリンを投与していた。陰嚢蜂巣炎にシプロフロキサシン1500mg/日を追加投与した4日後、鼻出血で入院した。INRは入院7日前の3.5から53.9に上昇していた。ビタミンKと新鮮凍結血漿を投与し、鼻出血の処置を行った。(海外)
<症例報告事例>5)【ワルファリンの作用増強】
77才男性。心房細動、高血圧、前立腺肥大、糖尿病、甲状腺機能低下、咽頭癌、冠動脈バイパスの既往が有り、ワルファリン5 mg/日の他に9剤が処方されていた。来院3週間前のINRは1.93であった。前立腺炎に対してシプロフロキサシン1g/日が追加された6日後、患者が左側衰弱を訴えて入院した。CT検査の結果、右大脳半球に出血を認めた。患者のINRは5.1に上昇していた。来院数時間後、患者は昏睡状態となり死亡した。(海外)
<症例報告事例>6)【ワルファリンの作用増強】
74才女性。人工弁置換術、拡張型心筋症があり、最近18ヵ月はワルファリン7.5mgと10mgの1日交替投与でプロトロンビン時間は16~18秒であった。尿路感染症に対しシプロフロキサシン1500mg/日を処方された1週後、倦怠感、めまい、血便が現れ、その翌日入院となった。入院時、便潜血反応陽性でヘモグロビンは8.3g/dL、プロトロンビン時間は21.6秒であった。2週前の検査ではヘモグロビンは13.7g/dL、プロトロンビン時間は16.5秒であった。上部消化管出血の徴候は依然続いており、内視鏡で胃潰瘍が認められた。シプロフロキサシンは中止し、輸血とラニチジン投与を行った。プロトロンビン時間は短縮し、ヘモグロビンも安定した。その後、プロトロンビン時間を治療域に保つのにワルファリンの増量を要し、入院9日後にワルファリン10mg/日投与でプロトロンビン時間16.2秒として退院した。その後3ヵ月間はプロトロンビン時間15.5~17.1秒で安定し、出血もない。(海外)
<症例報告事例>7)【ワルファリンの作用増強】
60才男性。脳底動脈狭窄が原因の一過性脳虚血発作を起こした後、ワルファリン投与を開始した。ワルファリン10~12.5mg/日の投与で、プロトロンビン時間比は10ヵ月以上にわたって1.2~1.6で安定していた。定期診療でプロトロンビン時間が1.2であった2週後、整形外科にて左膝関節腔の感染症に対しシプロフロキサシン1500mg/日の投与が開始された。シプロフロキサシン開始7日後、患者は出血傾向に気付いて受診した。プロトロンビン時間比は2.74に上昇しており、ビタミンKを投与して対処した。プロトロンビン時間比は1.1へと低下した。(海外)
<症例報告事例>8)【ワルファリンの作用増強】
72才男性。末期の心筋症、大動脈弁置換術でワルファリンを長期投与中の症例が、うっ血性心不全の増悪で入院した。入院時、明らかな血尿と左腎の出血性嚢胞が認められ、プロトロンビン時間は治療域であったが、ワルファリンを一時中断した。シプロフロキサシン1500mg/日の投与を開始。血尿は消失し、ヘマトクリットは安定、ワルファリン4mg/日を再開した。うっ血性心不全は改善、シプロフロキサシン1500mg/日の2週処方をし、退院とした。シプロフロキサシン投与終了1週後、吐血し再入院。プロトロンビン時間は42秒に延長。ワルファリンを中止し、新鮮凍結血漿を投与、プロトロンビン時間は徐々に16~18秒に短縮した。ワルファリン4mg/日を処方し退院した2週後、うっ血性心不全の再度の悪化で入院。プロトロンビン時間は19秒だが、血尿が認められ、シプロフロキサシン1000mg/日を投与。シプロフロキサシン投与中、プロトロンビン時間は18~19秒で、シプロフロキサシン中止後2日で12.8秒となった。(海外)
<症例報告事例>9)【ワルファリンの作用増強】
72才男性。深部静脈血栓症と肺塞栓症で、ワルファリンを投与中であった。最近6ヵ月間は、ワルファリン2.5mg/日でプロトロンビン時間は15~18秒で、シプロフロキサシン投与6週間前の測定では15.5秒であった。シプロフロキサシン1000mg/日の投与開始1週後、プロトロンビン時間は22秒に延長した。ワルファリンを2.5mg/週に減量し、プロトロンビン時間は2週後に16秒、7週後に14.5秒に短縮したため、再びワルファリンを2.5mg/日に増量した。その3週後、プロトロンビン時間は16秒となった。(海外)
<臨床研究報告>10)【相互作用なし】
目標INR2~3で安定した長期ワルファリン療法を施行中の男性患者9例に対し、シプロフロキサシン1000mg/日を7日間併用にて投与した。プロトロンビン時間のトラフ(谷)値の平均は、シプロフロキサシン投与開始前日18.9秒、開始当日19.5秒、開始1日後19.1秒、開始3日後19.4秒、開始7日後19.6秒と、シプロフロキサシンによる有意な変動は認められなかった。シプロフロキサシン投与によるプロトロンビン時間の最大変化量は-2.7秒~4.0秒(平均0.3秒)、同最大変化率は-12%~22%(平均2%)であった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Stockley IH: Drug Interactions 5th ed.(Blackwell Scientific Publications, Oxford), 257(1999) WF-1437
2)Dugoni-Kramer BM: DICP Ann. Pharmacother., 25, 1397(1991) WF-0646
3)Renzi R et al.: Am. J. Emerg. Med., 9, 551(1991) WF-0654
4)Ellis RJ et al.: Am. J. Hematol., 63, 28(2000) WF-1231
5)Byed DC et al.: J. Am. Board. Fam. Pract., 12, 486(1999) WF-1237
6)Linville D 2nd et al.: Am. J. Med., 90, 765(1991) WF-2091
7)Johnson KC et al.: J. Fam. Pract., 33, 338(1991) WF-2099
8)Mott FE et al.: Ann. Intern. Med., 111, 542(1989) WF-0575
9)Kamada AK: DICP, Ann. Pharmacother., 24, 27(1990) WF-0544
10)Rindone JP et al.: Clin. Pharm., 10, 136(1991) WF-0562
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する。【モキシフロキサシンの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意して本剤の用量を調節すること。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
(症例1)83才男性。ワルファリン4mg/日を投与中。モキシフロキサシン400mg/日を投与開始したところ、6日目に吐血と便潜血反応陽性を認めた。INRは併用前の2.2から9へ上昇し、ヘモグロビンは併用前の13.6g/dLから11.6g/dL、次いで7.8g/dLへと低下した。ワルファリンを中止しビタミンK、赤血球、新鮮凍結血漿を投与して対処した。
(症例2)73才女性。ワルファリン2.5mg/日を投与中。モキシフロキサシン400mg/日の投与により、INRは併用前日の2.3から7日目には10.4へと上昇し、ワルファリンを中止した。
(症例3)92才男性。ワルファリン3mg/日を投与中。モキシフロキサシン400mg/日投与開始により、INRは併用前の2.4から12日目には12.8へと上昇した。ワルファリンを中止しビタミンKを投与した。
(症例4)75才男性。ワルファリンを1日目と2日目は2mg/日、3日目には2.5mg/日のサイクルで投与中であった。モキシフロキサシン400mg/日を4日間投与した。INRは投与前3.3、2日目2.8、3日目3.4、4日目5.7となり、ワルファリンを2日間休薬した。
(症例5)63才男性。ワルファリン2.5mgと5mgを1日交替で投与中。モキシフロキサシン400mg/日を投与したところ、併用前には2.6だったINRが併用3日目には8.6となり、ワルファリンを中止した。(海外)
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
(症例1)78才女性。目標INR2.0~3.0にてワルファリン5mg/日を投与中であった。尿路感染症治療目的のレボフロキサシンをモキシフロキサシンに変更した。この時のINRは3.0であったが、モキシフロキサシン開始翌日には3.4となり、ワルファリンを休薬した。その後もINRは上昇し、6.2となった。ワルファリン休薬6日後、INRは1.4となり、ワルファリン5mg/日とモキシフロキサシン400mg/日を投与した。INRは徐々に上昇して3.2となり、モキシフロキサシンを中止した。その翌日、INRは4.1に上昇した。
(症例2)50才女性。目標INR2.5~3.5でワルファリン5mg/日を投与していた。難治性皮膚潰瘍に対する抗菌薬療法をバンコマイシンからモキシフロキサシン400mg/日に変更した。INRはこの時点で2.4であったが、3日後には6.3となり、ワルファリンを休薬した。5日後、INRは7.3となり、ビタミンKを投与した。モキシフロキサシンは7日後に中止して、ワルファリンを再開した。
(症例3)74才男性。術後に肺炎を来たし、レボフロキサシン、ピペラシリン/タゾバクタム投与を開始した。翌日、心房粗動にてワルファリン投与を開始し、漸増した。ワルファリン開始6日後、レボフロキサシンを中止、モキシフロキサシンに変更した。INRはこの時点で1.8であったが、翌日3.3となり、ワルファリンを休薬した。その後INRは4.2まで上昇し、モキシフロキサシンは3日投与して中止した。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Elbe DHT et al.: Ann. Pharmacother., 39, 361(2005) WF-1934
2)Arnold LM et al.: Pharmacotherapy, 25, 904(2005) WF-2162
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。【オフロキサシンの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
[相互作用の機序]1)
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
73才女性。深部静脈血栓症と肺塞栓症にてワルファリン5mg/日を服用し、プロトロンビン時間は15~21秒で安定していた。腎盂腎炎を発症しオフロキサシン800mg/日を投与した。5日後に倦怠感と血尿を訴えた。プロトロンビン時間は77.7秒に延長していた。両剤を中止し、ビタミンKと新鮮凍結血漿を投与してプロトロンビン時間は14.1秒に回復した。(海外)
<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】
40才女性。僧帽弁置換術後にワルファリン5mg/日を投与してINRは2.5にコントロールされていた。創感染を起こしたためオフロキサシン600mg/日の投与を開始した。INRはオフロキサシン開始2日後4.4に、4日後には5.8に上昇し、両剤を中止した。中止4日後、INRは2.4に低下しワルファリンを再開した。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Stockley IH: Drug Interactions 5th ed.(Blackwell Scientific Publications, Oxford), 257(1999) WF-1437
2)Baciewicz AM et al.: Ann. Intern. Med., 119, 1223(1993) WF-0957
3)Leor J et al.: Ann. Intern. Med., 109, 761(1988) WF-0529
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する。
[併用時の注意]
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意して本剤の用量を調節すること。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>1)【ワルファリンの作用増強】
市中肺炎に対しガチフロキサシン投与を受けた患者の中で、ワルファリンを併用されている症例は40例であった。この内INR>3.0となった患者は55%、ワルファリン維持用量の減量を要した患者は38%、ワルファリンの休薬を要した患者は60%であった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Artymowicz RJ et al.: Am. J. Health-Syst. Pharm., 59, 1205(2002) WF-1506
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。
[併用時の注意]
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意して本剤の用量を調節すること。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
59才女性。人工弁置換術後ワルファリンを服用し、トロンボテスト 10~20 %にコントロールされていた。風邪のため近医でトスフロキサシンと鎮咳剤を3日間投与された後、意識低下により入院した。入院時のプロトロンビン時間は93.8秒に延長していた。頭部CT検査の結果、左急性硬膜下血腫と診断された。血腫除去術後に意識状態は改善し、ワルファリン4mg/日でプロトロンビン時間20.0秒にコントロールされ、退院した。
【参考文献】 [文献請求番号]
1)久保 かなえら:日本内科学会関東地方会抄録集, 7, 179(1996) WF-1046
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する。【ノルフロキサシンの添付文書に併用注意の記載がある】
但し、コントロールされた臨床研究では、相互作用は確認されていない。
[併用時の注意]
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]1)
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
91才女性。大腿静脈閉塞でワルファリンを服用中でプロトロンビン時間は14.4~22.6秒に維持されていた。尿路感染症を発症したためノルフロキサシンを投与した。6日後、橋出血を起こし入院した。プロトロンビン時間はノルフロキサシン投与前21.6秒であったが、入院時には36.5秒に延長していた。(海外)
<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】
ワルファリンでプロトロンビン時間がコントロールされていた3例にノルフロキサシン800mg/日を投与したところ、4~16日後に3例ともプロトロンビン時間が35秒以上に延長した。(海外)
<臨床研究報告>4)【相互作用なし】
健康成人男子10名に対し、ワルファリン30mgを単独またはノルフロキサシン800mg/日9日間投与の第4日に併用にて、単回経口投与した。ワルファリンのAUC0-144、最高血漿中濃度、同到達時間、みかけの分布容積、みかけの総クリアランスには、ノルフロキサシンによる有意な変動はなかった。ワルファリン投与後のプロトロンビン時間-時間曲線下面積0-144、プロトロンビン時間最大値、同到達時間は、いずれもワルファリン単独時とノルフロキサシン併用時の間に有意差はなかった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Stockley IH: Drug Interactions 5th ed.(Blackwell Scientific Publications, Oxford), 257(1999) WF-1437
2)Linville T et al.: Ann. Intern. Med., 110, 751(1989) WF-0574
3)Jolson HM et al.: Arch. Intern. Med., 151, 1003(1991) WF-0584
4)Rocci ML Jr. et al.: J. Clin. Pharmacol., 30, 728(1990) WF-0570
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 624 合成抗菌剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する。【レボフロキサシンの添付文書に併用注意の記載がある】
但し、コントロールされた臨床研究では、相互作用は確認されていない。
[併用時の注意]
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]1)
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
78才女性。ワルファリンを投与中でINRは2.0~2.5が目標域であった。上気道感染症にレボフロキサシン500mg/日を5日間服用した所、レボフロキサシン終了2日後のINRが4.7に上昇していた。(海外)
<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】
(症例1)34才男性。ワルファリン32.5mg/週でINRは目標域の2.0~3.0にあり、直近は2.6であった。レボフロキサシン500mg/日開始5日目、INRは8.12となり、ワルファリンを2日休薬、レボフロキサシン投与中はワルファリンを減量として対処した。
(症例2)80才女性。ワルファリン26.5mg/週でINRは2.0~3.0。レボフロキサシン500mg/日開始4日後、INRが11.5となり、ワルファリンを休薬して、ビタミンKを投与した。翌日、INRは1.4に下降した。
(症例3)51才女性。INR1.8~2.8を目標にワルファリン62.5mg/週を投与中。レボフロキサシン500mg/日開始2日後、INRが4週前の1.8から3.0に上昇し、出血を認めた。レボフロキサシン併用中はワルファリンの用量を11~19%減量して対処した。(海外)
<症例報告事例>4)【ワルファリンの作用増強】
(症例1)70才男性。ワルファリン5mg/日の長期投与中で、INRは2.5~3.5に維持されていた。上気道炎に対しレボフロキサシン500mg/日を10日間投与された。レボフロキサシン終了5日後、INRは5.7に上昇しており、INRが治療域に復するまでワルファリンを休薬した。
(症例2)75才男性。ワルファリンを8mg/週投与中で、INRは概ね2~3であった。INRが3.6へと上昇し、ワルファリンを1mg/日に減量した。この時、患者は上気道炎に対しレボフロキサシン500mg/日5日間の投与を受けていた。レボフロキサシン投与終了翌日、INRが7.9となり、INRが治療域に戻るまでワルファリンを5日間休薬した。(海外)
<臨床研究報告>5)【相互作用なし】
健康成人16例を2群に分け、レボフロキサシン1000 mg/日又はそのプラセボをクロスオーバー法にて9日間投与した。薬剤投与開始4日後にワルファリン30 mgを単回投与した。ワルファリンのS体、R体とも、最高血漿中濃度、同到達時間、AUC、半減期にはレボフロキサシン期とプラセボ期で有意な差はなく、プロトロンビン時間の推移にもレボフロキサシン期とプラセボ期に有意な差は認められなかった。レボフロキサシンはワルファリンの体内薬物動態および抗凝固作用に影響を与えないことが示唆された。(海外)
<臨床研究報告>6)【ワルファリンの作用増強】
安定したワルファリン療法施行中にレボフロキサシン適応となる感染症を発症した16例にて、レボフロキサシン投与開始2~5日後のINRを検討した。4例でINRが治療域上限を超え、3例で治療域下限未満であった。この時点で、9例でワルファリンの用量変更を行った。INRの平均は、レボフロキサシン投与開始前2.61、開始5±1.29日後2.74であり、有意な差はなかった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Stockley IH: Drug Interactions 5th ed.(Blackwell Scientific Publications, Oxford), 257(1999) WF-1437
2)Gheno G et al.: Eur. J. Clin. Pharmacol., 57, 427(2001) WF-1379
3)Jones CB et al.: Ann. Pharmacother., 36, 1554(2002) WF-1470
4)Ravnan SL et al.: Pharmacotherapy, 21, 884(2001) WF-1538
5)Liao S et al.: J. Clin. Pharmacol., 36, 1072(1996) WF-1000
6)Yamreudeewong W et al.: Pharmacotherapy, 23, 333(2003) WF-1541