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医療用医薬品一覧
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[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 616 主として好酸菌に作用するもの〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を減弱する。【リファンピシンの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
明らかに強い相互作用があることが認められている。
併用開始1週間以内には、ほとんどの患者で相互作用が発生すると思われる。
ゆえに、この間の血液凝固能の変化に注意し、その値により本剤を2~3倍に増量する必要がある。
また、リファンピシン併用中止後、本剤の作用は1週間以内で回復すると思われるので、本剤を減量すること。
ただし、必ず血液凝固能検査を実施して本剤の投与量を決定すること。
[相互作用の機序]1,2)
リファンピシンが肝で本剤の薬物代謝酵素(CYP3A4、CYP2C9等)を誘導する。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>3)【ワルファリンの作用減弱】
健康成人男子8名にワルファリンを21日間投与し、プロトロンビン時間を正常プロトロンビン活性の20~35%になるように維持した。次いで4週間の休薬後、ワルファリンを同様の投与スケジュールで21日間投与し、リファンピシン600mg/日を併用して両剤の相互作用を検討した。併用の最終日、プロトロンビン活性は正常値の85%まで上昇し、ワルファリンの抗凝固効果は有意に減弱した。また、ワルファリンの血中濃度も、単独投与時の平均2.8μg/mLから併用時は0.9μg/mLへと有意に低下していた。(海外)
<症例報告事例>4)【ワルファリンの作用減弱】
72才男性。肺結核でリファンピシン600mg/日とエタンブトール1000mg/日を投与中であった。肺塞栓を発症しワルファリンを投与した。ワルファリン20mg/日でもプロトロンビン時間が治療域に入らなかったが、リファンピシンの投与中止後にプロトロンビン時間が急激に延長した。プロトロンビン時間を治療域に維持するために、ワルファリンを20mg/日から7.5mg/日にまで減らす必要があった。(海外)
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用減弱】
30才女性。慢性閉塞性肺疾患と結核に対し、リファンピシン600mg/日とイソニアジド300mg/日を服用していた。深部静脈血栓症と肺塞栓を発症したため、ワルファリンを併用し、ワルファリン15.3mg/日前後でプロトロンビン時間を治療域に維持した。7ヵ月後、リファンピシンとイソニアジドを中止したところ、ワルファリンの必要量は8.7mg/日前後となった。血中ワルファリン濃度は、リファンピシン併用時の0.7μg/mLから1.5μg/mLに上昇し、ワルファリン分画クリアランスは15.2mL/分から4.2mL/分へと大幅に低下した。(海外)
<臨床研究報告>2)【ワルファリンの作用減弱】
健康成人男子4名にリファンピシン600mg/日を投与し、4日目にワルファリンを単回投与したところ、消失速度定数、クリアランスが増大し、AUCは減少した。リファンピシン併用時には、ヒトでは通常検出されないワルファリンの4’-水酸化体が尿・糞中より検出された。リファンピシンは芳香族を水酸化するチトクロームP450を誘導してワルファリンの代謝を亢進すると考えられた。(海外)
<臨床研究報告>5)【ワルファリンの作用減弱】
2000年7月~2001年6月にワルファリンとリファンピシンが併用された症例を抽出し、リファンピシン投与とINRの関係を検討した。4男性例が見出され、全例でリファンピシン併用開始5~10日目には抗凝固効果の減弱が認められ、ワルファリンを増量した。ワルファリン投与量は症例1(85才)で1mg/日から3.5mg/日に、症例2(85才)では2mg/日から4mg/日に、症例3(26才)では3mg/日から4mg/日に、症例4(51才)では4.5mg/日から7.5mg/日に増量された。
<症例報告事例>6)【ワルファリンの作用減弱】
56才男性。結核性胸膜炎のためリファンピシン450mg/日を服用していた。心房細動に対し、ワルファリン投与下に除細動を行い、ジソピラミド300mg/日を開始したが有効血中濃度に達せず、効果が不十分であった。ワルファリンを6mg/日に増量したがトロンボテスト値は120 %であった。
<症例報告事例>7)【ワルファリンの作用減弱】
73才男性。間欠跛行に対するバイパス術後ワルファリン4.5mg/日にあったが、肺結核と診断された。プロトロンビン時間は15.3秒、トロンボテスト値は52%であった。リファンピシン450mg/日とイソニアジド300mg/日の投与を開始した3週後、プロトロンビン時間11秒、トロンボテスト値100%となった。ワルファリンを徐々に増量し、最終的に10mg/日でプロトロンビン時間 16.3秒、トロンボテスト24%と安定した。
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Almog S et al.: South Med. J., 81, 1304(1988) WF-0597
2)Heimark LD et al.: Clin. Pharmacol. Ther., 42, 388(1987) WF-1310
3)O’Reilly RA: Ann. Intern. Med., 83, 506(1975) WF-0679
4)Self TH: Chest, 67, 490(1975) WF-0678
5)和田 恭一ら: 医療薬学, 28, 85(2002) WF-1405
6)大貫 雅弘ら: 呼吸と循環, 44, 865(1996) WF-1063
7)山本 寛ら: 日本胸部臨床, 54, 355(1995) WF-1209
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 622 抗結核剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。【パラアミノサリチル酸の添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
臨床での報告数は多くない。
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
[相互作用の機序]1)
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
71才男性。ワルファリン2.5mg/日を投与中であった。アミノサリチル酸12g/日、イソニアジド300mg/日、ピリドキシン100mg/日の併用を開始した。2日後にワルファリンを5mgに増量した時点で、プロトロンビン時間は17.8秒であった。プロトロンビン時間はアミノサリチル酸、イソニアジド、ピリドキシンの併用開始7日後に21.3秒、10日後に35.9秒、17日目に57秒、21日目に70秒、22日目午前に103秒、22日目午後に130秒と次第に延長した。併用療法開始21日後には、ワルファリンとアミノサリチル酸を中止してビタミンK1を投与した。出血の徴候は示さなかった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Stockley IH: Drug Interactions 5th ed.(Blackwell Scientific Publications, Oxford), 214(1999) WF-1420
2)Self T: JAMA, 223, 1285(1973) WF-0868
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 622 抗結核剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。【イソニアジドの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
臨床での報告数は多くないが、動物実験でも相互作用は認められているので注意する必要がある。
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]1)
イソニアジドが本剤の肝薬物代謝酵素を阻害する。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
35才男性。イソニアジド300mg/日を服用していた。中大脳動脈塞栓によりワルファリン10mg/日投与を開始した。誤ってイソニアジドを600mg/日服用し始めて10日後、出血徴候を示した。ワルファリン療法開始時のプロトロンビン時間は28.7秒であったが、出血時には53.3秒に延長していた。ビタミンK1を投与、その2日後からワルファリン7.5mg/日とイソニアジド300mg/日の投与を再開した。プロトロンビン時間は1週後20.1秒、2週後22.9秒であった。(海外)
<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】
71才男性。ワルファリン2.5mg/日を投与中であった。アミノサリチル酸12g/日、イソニアジド300mg/日、ピリドキシン100mg/日の併用を開始した。2日後にワルファリンを5mgに増量した時点で、プロトロンビン時間は17.8秒であった。プロトロンビン時間はアミノサリチル酸、イソニアジド、ピリドキシンの併用開始7日後に21.3秒、10日後に35.9秒、17日目に57秒、21日目に70秒、22日目午前に103秒、22日目午後に130秒と次第に延長した。併用療法開始21日後には、ワルファリンとアミノサリチル酸を中止してビタミンK1を投与した。出血の徴候は示さなかった。(海外)
一方、イソニアジドによりワルファリンの抗凝固作用が減弱した症例報告もある。
<症例報告事例>4)【ワルファリンの作用減弱】
69才男性。心房細動、僧帽弁閉鎖不全で、脳梗塞の既往が有り、ワルファリン療法中であった。肺結核の治療のため転院し、その間ワルファリンは中断された。退院後、当院でワルファリンを再開した。その後にイソニアジドを中止したところ、著明な抗凝固作用の増強を認めた。
【参考文献】 [文献請求番号]
1)USP-DI,22nd ed.,Vol.Ⅰ, 265(2002) WF-1157
2)Rosenthal AR et al.: JAMA, 238, 20(1977) WF-0867
3)Self T: JAMA, 223, 1285(1973) WF-0868
4)松山 明正ら: Jpn. Circ. J., 62(S-2), 677(1998) WF-1187