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医療用医薬品一覧
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[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 245 副腎ホルモン剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を減弱する。
本剤の作用を増強する可能性がある。
【コルチゾン酢酸エステル、デキサメタゾン及びそのエステル製剤、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン及びそのエステル製剤、フルドロコルチゾン酢酸エステル、プレドニゾロン及びそのエステル製剤、ベタメタゾン及びそのエステル製剤、メチルプレドニゾロン及びそのエステル製剤の添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
相互作用は明らかではないが、副腎皮質ホルモンの副作用として血栓症があることからも、併用はできるだけ避けたほうがよい。
やむを得ず併用する時は、血液凝固能検査を用いて相互作用の可能性を判断すること。
また、それ以上に副腎皮質ホルモンの副作用(胃潰瘍、血栓症等)にも注意すること。
[相互作用の機序]1)
不明。
・副腎皮質ホルモン自体が血液の凝固能亢進状態を生じることにより、本剤の作用を減弱する。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>2)【ベタメタゾンによるワルファリンの作用減弱】
ベタメタゾン療法中の6例および健康成人13名に、ワルファリン30mgを単回経口投与した。健康成人では、ワルファリン投与48~72時間後にプロトロンビン活性は最低で24.8%、第Ⅶ因子活性は最低で21.1%まで低下した。ベタメタゾン投与中の患者では、プロトロンビン活性は最低で28.2%、第Ⅶ因子活性は最低で29.4%までしか低下せず、第Ⅶ因子活性最低値は健康成人より有意に高かった。また、健康成人の凝固因子活性は約7日で回復したのに対し、ベタメタゾン投与例では4~5日後には正常の凝固因子活性まで回復した症例もあった。
<症例報告事例>3)【メチルプレドニゾロン、デキサメタゾンによるワルファリンの作用増強】
(症例1)43才女性。大動脈弁置換術後にワルファリン投与中である。多発性硬化症による脚の衰弱が進み、メチルプレドニゾロンによるパルス療法を受けた。メチルプレドニゾロン960mg/日を5日間投与した5日後、挫傷と鼻出血が現れ、プロトロンビン時間は50秒以上(INR>10)であった。
(症例2)47才女性。多発性硬化症の症例である。肺塞栓によるワルファリン療法の用量設定中に、脚の硬化と痙攣を来しステロイドパルス療法を受けた。メチルプレドニゾロン1g/日2日間静注後、INRは3.6であった。その後、デキサメタゾン60mgを1日3回3日間経口投与の予定であったが、デキサメタゾン3回目服用後にINRが9となり、ワルファリン療法を中断した。(海外)
<症例報告事例>4)【コルチゾンによるエチルビスクマセテートの作用減弱】
特発性後天性溶血性貧血の女性にコルチゾン100mgを投与したところ、血栓性静脈炎を来たした。コルチゾンを中止し、エチルビスクマセテートの投与を開始、プロトロンビン時間を治療域に維持した。エチルビスクマセテート開始7日目、溶血防止目的にてコルチゾンを再度投与したところ、プロトロンビン活性は直ちに上昇し、エチルビスクマセテートの増量を要した。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Stockley IH: Drug Interactions 5th ed.(Blackwell Scientific Publications, Oxford), 228(1999) WF-1427
2)久保 圭吏: 内科宝函, 15, 147(1968) WF-0731
3)Kaufman M: Multiple Sclerosis, 3, 248(1997) WF-1166
4)Chatterjea,J.B et al.: Br. Med. J., 790(1954) WF-0703