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  • 公開日時 : 2019/01/23 00:00
  • 更新日時 : 2025/04/16 18:59
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【タンボコール・注射】 分布、代謝及び排泄など薬物動態ついて教えてください。

【タンボコール・注射】 

 

分布、代謝及び排泄など薬物動態ついて教えてください。

 

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回答

電子添文には、代謝及び排泄に関する以下の記載があります。

 

16. 薬物動態
16.4 代謝(引用1)
本薬の主代謝経路はメタ位のO-脱アルキル化とその代謝物のグルクロン酸抱合である。他にピペリジン環の酸化的ラクタム生成がある。O-脱アルキル化反応には主としてP450分子種のCYP2D6が関与している。(引用2)

 

16.5 排泄(引用3)
16.5.1 尿中排泄
健康成人男子にフレカイニド酢酸塩0.5注)~2.0mg/kgを5分間注)又は10分間定速静注したとき、投与後72時間までに未変化体及び主代謝物の総尿中排泄率はいずれの投与量においても約50%であった。総尿中排泄量のうち約2/3が未変化体であり、投与量に関わらず未変化体と主代謝物の比率はほぼ一定であった。(引用4)
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人には1回0.1~0.2mL/kg(フレカイニド酢酸塩として1.0~2.0mg/kg)を必要に応じてブドウ糖液で希釈し、血圧及び心電図監視下10分間かけて静脈内に注射する。なお、総投与量はフレカイニド酢酸塩として1回150mgまでとする。」である。

 

【関連情報】
インタビューフォームには、上記電子添文以外の情報として分布、代謝及び排泄に関する以下の記載があります。

 

■分布
・血液-脳関門通過性(引用5)
該当資料なし

 

・血液-胎盤関門通過性(引用6)
<参考:ラット>
妊娠12日及び19日のラットに14C?フレカイニド酢酸塩を静脈内投与したときの胎児中の血液中放射能濃度は母動物における血液中濃度より高かった。しかしながら、胎児に移行した放射能の体内残留は認められなかった。

 

・乳汁への移行性(引用7)
<参考:ラット>
哺育中ラットに14C?フレカイニド酢酸塩を5mg/kg静脈内投与したときの乳汁中への移行では、乳汁中放射能濃度は血液中放射能濃度の3~4倍高い値を示した。しかしながら、乳汁中放射能の消失は血液中からの放射能の消失と同様に速やかであり、放射能の残留は認められなかった。

 

・髄液への移行性(引用8)
該当資料なし

 

・その他の組織への移行性(引用9)
<参考:ラット、イヌ>
ラットに14C?フレカイニド酢酸塩を5mg/kgで1日1回、7日間反復静脈内投与したときの1日目の投与後1時間における組織中放射能濃度は、血漿中放射能濃度に比べ脳及び脊髄を除いて、各組織とも高値を示し、組織への移行は良好であった。投与後24時間においては最高値に比べ、精巣では1/5で、その他の組織では1/16以下であり消失は速やかであった。また、反復投与後(投与7日目)の組織中放射能濃度は1回投与に比べると濃度比では高く(約1.5倍)なったが、7日間投与後24時間での放射能濃度は動脈と精巣で1時間値の1/7、その他の組織では1/14以下となった。なお、7日間反復投与後24時間以降の消失は緩徐であった。
イヌに14C?フレカイニド酢酸塩を2mg/kgで静脈内投与したとき、投与後30分では、メラニンに富んだ虹彩、毛様体及び脈絡膜に放射能が認められ、腎臓の髄質及び皮質、肝臓及び肺については、血漿中濃度に対する組織中濃度の比は5以上であり放射能の組織への移行は高かった。投与後24時間及び168時間では眼の組織で高い放射能濃度を示したが、その他の組織では皮膚(黒色)を除き24時間後では約1/10以下及び168時間後では約1/50以下に減少していた。なお、眼のメラニンに富んだ組織においては放射能の残留がみられた。

 

・血漿蛋白結合率(引用10)
50~60%(健康成人男子1.5~2.0mg/kg単回静注)(引用4)
<参考:ラット、イヌ>
雌雄ラットに14C?フレカイニド酢酸塩を5mg/kgで静脈内投与したとき、血漿中放射能濃度推移にはピークが認められたが、その後は1相性で消失し、その半減期は雌雄ラットでそれぞれ4.3時間及び4.9時間であった。一方、血漿中未変化体濃度の半減期は雌雄ラットでそれぞれ130分(2.2時間)及び100分(1.7時間)であった。
2例のイヌに14C?フレカイニド酢酸塩を5mg/kgで静脈内投与したとき、血漿中放射能濃度推移はラットと同じくピークが認められた。その後は、2例それぞれで2.3時間及び2.8時間の半減期で消失した。一方、血漿中未変化体濃度は、それぞれ65分及び70分の半減期で消失した。また、イヌ(3例)に14C?フレカイニド酢酸塩を2mg/kgで静脈内投与したとき、平均全血中及び血漿中放射能濃度推移においてもピークが認められた。その後、1.9時間の半減期で消失した。
なお、ラット及びイヌにおける血漿中放射能の存在形態を経時的に検討した結果、静脈内投与時にピークが認められたのは、薬物が投与後速やかに組織に取り込まれ、その後生成した代謝物が血漿中に再分布していることに起因することが確認された。
ラットに14C?フレカイニド酢酸塩5mg/kgで7日間反復静脈内投与したときの血液中放射能濃度推移は初回投与時とほぼ近似し、反復投与による変化は認められなかった。

 

■代謝
・代謝部位及び代謝経路(引用11)
経口投与時の試験では、健康成人での主代謝物は、フレカイニドのメタ?O?脱アルキル体(M?1)とそのラクタム体(M?2)及びそれらのグルクロン酸及び硫酸抱合体である。他にピペリジン環の酸化的ラクタム生成がある。(引用2、12)

 

 

<参考:ラット、イヌ>
ラット及びイヌにおける主代謝物は、メタ?O?脱アルキル体(M?1)及びそのラクタム体(M?2)並びにこれらの抱合体(グルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体)であった。
血漿中では、ラット及びイヌともTLCの原点画分の極性の高い代謝物を除くと、未変化体よりも存在比率の高い代謝物は認められなかった。
尿中において、ラットでは未変化体が投与量の13.8%と最も多く、他に、脱アルキル体及びラクタム体並びにこれらの抱合体が認められた。イヌでは、未変化体が投与放射能の3.4%認められた。他に、脱アルキル体及びラクタム体、並びにこれらの抱合体の合計が、それぞれ10.5%及び7.6%であった。糞中は、ラット及びイヌで脱アルキル体及びラクタム体が主代謝物として認められた。
心臓中では、ラット及びイヌとも未変化体が主に存在した。ラットの肝臓及び腎臓中では、未変化体が主であった。一方、イヌの腎臓では未変化体が主であり、肝臓では未変化体及び脱アルキル体が同程度存在していた。
また、ラットにおける血漿中未変化体濃度に対する心臓中未変化体濃度の比は投与後の時間に依らず12.2~14.9とほぼ一定であり、心臓への移行性は高かった。

・初回通過効果の有無及びその割合(引用13)
該当しない

・代謝物の活性の有無及び活性比、存在比率(引用14)
主代謝物は2種(M?1、M?2)存在する。
M?1は未変化体の約1/2の活性(抗不整脈作用)を有するが、M?2には活性がほとんどない。
両者とも血液中では大部分が抱合体として存在するため、薬効への寄与はない。

 

■排泄
・排泄部位及び経路(引用15)
尿及び糞中へ排泄される

 


【引用】
1)タンボコール静注50mg電子添文 2023年5月改訂(第1版) 16. 薬物動態 16.4 代謝
2)McQuinn R. L. et al.:Drug Metab. Dispos., 1984;12(4):414-420 [TMB-0001](本研究は3M社の支援を受けて実施された)
3)タンボコール静注50mg電子添文 2023年5月改訂(第1版) 16. 薬物動態 16.5 排泄
4)新 博次ら:臨床薬理, 1996;27(4):713-723 [TMB-0292](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された)
5)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 5.分布

 (1)血液-脳関門通過性
6)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 5.分布 

(2)血液-胎盤関門通過性
7)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 5.分布

 (3)乳汁への移行性
8)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 5.分布

 (4)髄液への移行性
9)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 5.分布 

(5)その他の組織への移行性
10)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 5.分布

 (6)血漿蛋白結合率
11)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 6.代謝

 (1)代謝部位及び代謝経路
12)新 博次ら:臨床薬理, 1988;19(3):563?572 [TMB-0015](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された)
13)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 6.代謝

 (3)初回通過効果の有無及びその割合
14)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 6.代謝

 (4)代謝物の活性の有無及び活性比、存在比率
15)タンボコール静注50mgインタビューフォーム 2024年9月改訂(第12版) VII.薬物動態に関する項目 7.排泄

 

【更新年月】
2025月4月


【図表あり】
KW:血液胎盤関門、BPB、血液脳関門、BBB、乳汁移行

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