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  • 公開日時 : 2018/07/19 00:00
  • 更新日時 : 2022/07/22 07:37
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【バファリン】 小児への投与に関する注意事項について教えてください。

【バファリン】 

小児への投与に関する注意事項について教えてください。

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回答

電子添文上、低出生体重児、新生児又は乳児は禁忌に設定されています。(引用1)
 
電子添文及びインタビューフォームには、小児への投与に関する以下の記載があります。
 
(1)低出生体重児、新生児又は乳児には、投与しないこと。錠剤である本剤の嚥下が不能である。(引用2)
 
(2)幼児には本剤の嚥下が可能なことを確認して、慎重に投与すること。(引用3)
 
(3)小児等では、副作用があらわれやすいので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。腎障害またはその既往歴のある川崎病の患者ならびに低出生体重児の川崎病の患者に注意すること。川崎病の治療において肝機能障害の報告があるので適宜肝機能検査を行い、注意すること。(引用4、5)
 
(4)サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。[ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST・ALT・LDH・CKの急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。](引用6)
 
(5)サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤投与中の15歳未満の川崎病の患者が水痘、インフルエンザを発症した場合には、投与を中断することを原則とするが、やむを得ず投与を継続する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。(引用7)
 
【関連情報】
(解説)
(1)(2)川崎病は、4歳以下の小児に好発する疾患だが、低出生体重児、新生児又は乳児では、錠剤の嚥下が不能であることから、禁忌である。なお、錠剤の嚥下が困難な患児や厳密な用量調節が必要とされる患児などでは、結晶、粒又は粉末の日本薬局方アスピリンがある。(引用8)
 
(3)承認された用量範囲でバファリン81mg錠を投与した場合、急性期における本薬30~50mg/kg/日投与時のアルミニウム投与量は0.85~1.41mg/kg/日、慢性期における3~5mg/kg/日投与時のアルミニウム投与量は、0.09~0.14mg/kg/日である。アスピリン・ダイアルミネート配合剤を川崎病へ投与する場合のアルミニウム摂取量は、大量投与が必要な急性期(発熱期間)においてPTWI(生涯にわたり継続的に摂食したとしても健康に影響を及ぼす恐れがないと判断される1週間当たりの摂取量)とほぼ同等のレベルとなるものの投与期間は1~2週間であること、及び長期間投与される慢性期の継続投与では、PTWIの1/7~1/11 にまで減少することから、腎機能が正常な乳幼児から長期間投与した場合も安全に服用できるものと考えられる。ただし、腎機能の低下している患児及び腎機能が未成熟である低出生体重児では、体内アルミニウム量が増加することが考えられることから、腎障害またはその既往歴のある川崎病の患者ならびに低出生体重児の川崎病の患者への注意を記載した。なお別途として、低出生体重児、新生児又は乳児は、錠剤である本剤を嚥下不能であることから禁忌である。(引用8)
 
(4)(5)アスピリン治療中の川崎病患児が継続的に本薬を服用していることを踏まえた、ライ症候群への注意喚起として記載した。(引用8)
 
 
【引用】
1)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 2.禁忌 2.6
2)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7小児等 9.7.1
3)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7小児等 9.7.2
4)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7小児等 9.7.3
5)赤木禎治 他: 総合臨床. 1995 ; 44 (10) : 2410-2413 [BF-0003]
6)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7小児等 9.7.4
7)バファリン配合錠A81電子添文 2022年5月改訂(第3版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.7小児等 9.7.5
8)バファリン配合錠A81インタビューフォーム 2022年5月改訂(改訂第7版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 (7)小児等
 
【更新年月】
2022年6月