電子添文には、禁忌に関する以下の記載があります。
(1)食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者
[本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなる。][11.1.1参照]注1(引用1、2、3)
(2)本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者(引用1、2、3)
(3)低カルシウム血症の患者
[血清カルシウム値が低下し低カルシウム血症の症状が悪化するおそれがある。](引用1、2、3)
(4)服用時に立位あるいは坐位を30分以上保てない患者[7.、11.1.1参照]注1(引用1、2、3)
(5)妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]注1(引用1、2、3)
(6)高度な腎機能障害(クレアチニンクリアランス値:約30mL/分未満)のある患者[9.2.1、16.6.1参照]注1(引用1、2、3、4)
注1:文中の番号は電子添文の各項目を示しています。
【関連情報】
(解説)
(1)本剤が食道に滞留すると、食道粘膜に対し刺激作用を示す可能性があるので、食道狭窄やアカラシアなどの食道通過障害のある患者に設定した。(引用5)
(2)一般的留意事項として設定しました。このような患者では過敏症が発現する可能性が高いと考えられる。(引用5)
(3)国内で行われた本剤の臨床試験で血清カルシウム値の一過性、無症候性および軽度の低下が認められたことから設定。(引用5)
(4)本剤が食道に滞留すると、食道粘膜に対し刺激作用を示す可能性があり、寝たきりなど、服用時に立位あるいは坐位を30分以上保てない場合に対して設定。(引用5)
(5)他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡や胎児の骨化遅延の報告があること、妊婦または妊娠している可能性のある女性への使用経験はないことから設定。(引用5)
(6)腎機能障害者における本剤30mg注2単回投与試験において、腎機能の低下に伴い、本剤の腎クリアランスが低下したとの成績から設定しました。(引用4、5)
注2:国内承認用法用量外
【引用】
1)アクトネル錠2.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 2.禁忌
2)アクトネル錠17.5mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 2.禁忌
3)アクトネル錠75mg電子添文 2023年1月改訂(第3版) 2.禁忌
4)D. Y. Mitchell et al.: Br. J. Clin. Pharmacol. 2000; 49: p215-222 [ACL-0001]
5)アクトネル錠2.5mg・錠17.5mg・錠75mgインタビューフォーム 2023年1月改訂(第25版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 2.禁忌内容とその理由
【更新年月】
2023年5月