総合製品情報概要には、製品の特性に関する以下の記載があります。
■特性(引用1)
(1)ハラヴェンは、クロイソカイメンから単離されたHalichondrin Bの合成誘導体、エリブリンメシル酸塩を主成分とする抗悪性腫瘍剤です。
(2)チューブリンの重合を阻害し、微小管の伸長を抑制することで正常な紡錘体形成を妨げ、細胞分裂を停止させてアポトーシスを誘導することで、抗腫瘍効果を発揮します。
(3)アントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤を含む化学療法歴を有する進行又は再発乳癌患者に対する外国第III相試験(外国305試験)において、ハラヴェン単独療法は、主治医選択治療に比べて主要評価項目である全生存期間*の有意な延長が認められ、優越性が検証されました。
全生存期間の中央値:ハラヴェン単独療法群(n=508)399.0日
主治医選択治療群(n=254)324.0日
*検証的解析項目
(4)アントラサイクリン系抗がん剤を含む2レジメン以上の化学療法歴を有する進行又は再発悪性軟部腫瘍患者に対するダカルバジン※対照外国第III相試験(外国309試験)において、ハラヴェン単独療法は、ダカルバジン単独療法に比べて主要評価項目である全生存期間*の有意な延長が認められ、優越性が検証されました。
全生存期間の中央値:ハラヴェン単独療法群(n=228)13.5ヵ月
ダカルバジン単独療法群(n=224)11.5ヵ月
※ダカルバジンの効能・効果は悪性黒色腫、ホジキン病(ホジキンリンパ腫)、褐色細胞腫であり、悪性軟部腫瘍に対して国内未承認
*検証的解析項目
(5)副作用
手術不能又は再発乳癌及び悪性軟部腫瘍において、重大な副作用として、骨髄抑制、感染症、末梢神経障害(末梢性ニューロパチー)、肝機能障害、間質性肺炎、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑が報告されています。
手術不能又は再発乳癌
<国内臨床試験成績>
国内第II相試験(国内221試験)において、安全性解析対象症例81例中全例で副作用が認められました。
主な副作用は、白血球減少症(98.8%)、好中球減少症(98.8%)、脱毛症(58.0%)、リンパ球減少症(54.3%)、疲労(44.4%)、食欲減退(43.2%)、悪心(42.0%)、口内炎(38.3%)、味覚異常(33.3%)、ヘモグロビン減少(32.1%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(29.6%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加(27.2%)、血中クレアチニンホスホキナーゼ増加(25.9%)、発熱(24.7%)、末梢性感覚ニューロパチー(21.0%)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加(19.8%)、嘔吐(14.8%)、頭痛(14.8%)、発熱性好中球減少症(13.6%)、下痢(13.6%)、血中アルカリホスファターゼ増加(12.3%)、血中乳酸脱水素酵素増加(12.3%)、発疹(11.1%)、便秘(11.1%)、倦怠感(11.1%)等でした。(試験終了時の集計)
<外国臨床試験成績>
外国第III相試験(外国305試験)において、安全性解析対象症例のうち本剤が投与された503例中474例 (94.2%)に副作用が認められました。
主な副作用は、好中球減少症(50.5%)、脱毛症(44.1%)、悪心(29.8%)、疲労(25.2%)、白血球減少症(22.7%)、無力症 (21.7%)、貧血(16.1%)、食欲減退(16.1%)、便秘(15.1%)、発熱(13.3%)、嘔吐(12.7%)、下痢(12.5%)、末梢性感覚ニューロパチー(12.1%)、体重減少(11.7%)、末梢性ニューロパチー(10.3%)等でした。(試験終了時の集計)
悪性軟部腫瘍
<国内臨床試験成績>
国内第II相試験(国内217試験)において、安全性解析対象症例51例中全例に副作用が認められました。
主な副作用は、白血球減少症(100.0%)、好中球減少症(98.0%)、リンパ球減少症(78.4%)、貧血(47.1%)、発熱(41.2%)、倦怠感 (39.2%)、悪心(37.3%)、末梢性ニューロパチー(29.4%)、脱毛症(27.5%)、口内炎(25.5%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加(23.5%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(23.5%)、味覚異常(23.5%)、食欲減退(21.6%)、疲労(17.6%)、便秘(15.7%)、血中乳酸脱水素酵素増加(15.7%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加(13.7%)、鼻咽頭炎(11.8%)、上気道感染(11.8%)、低アルブミン血症(11.8%)、低リン酸血症(11.8%)、頭痛(11.8%)等でした。(効能追加承認時の集計)
<外国臨床試験成績>
外国第III相試験(外国309試験)において、安全性解析対象症例226 例中、210例 (92.9%)に副作用が認められました。
主な副作用は、好中球減少症(42.5%)、疲労(36.7%)、脱毛症(34.5%)、悪心(33.2%)、貧血(24.3%)、末梢性感覚ニューロパチー(19.0%)、白血球減少症(15.5%)、便秘(16.8%)、無力症(15.9%)、発熱(14.6%)、食欲減退(14.2%)、下痢(13.3%)、嘔吐(11.9%)、口内炎(11.5%)、頭痛(10.2%)等でした。(効能追加承認時の集計)
詳細は、電子添文の副作用及び臨床成績の安全性の結果をご参照ください。
【引用】
1)ハラヴェン静注1mg 総合製品情報概要 特性 P4-5(HAL1009ISG)
【更新年月】
2025年2月