電子添文の18.1作用機序には、以下の記載があります。
■ロイコトリエン産生・遊離抑制、拮抗作用
本薬はモルモットの肺切片、ヒト好中球、好酸球からのロイコトリエンC4、D4及びB4の産生・遊離を抑制する。その抑制機序としては細胞内へのカルシウム流入抑制作用、5-リポキシゲナーゼの阻害作用、細胞内サイクリックAMP上昇作用、細胞膜安定化作用等によると考えられる。また、ロイコトリエンC4、D4によるモルモットの回腸及び気管支筋の収縮、ロイコトリエンB4によるヒト好中球遊走を抑制する。(引用1、2、3、4、5)
■ヒスタミン遊離抑制、抗ヒスタミン作用
本薬はヒト、ウサギ好塩基球及びラット肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制し、モルモット気管筋、回腸を用いた収縮反応において抗ヒスタミン作用を示す。(引用5、6、7、8、9、10、11)
■炎症細胞の遊走・浸潤抑制作用、活性酸素産生抑制作用
本薬は、ロイコトリエンB4によるヒト好中球の遊走、PAFによるモルモット好酸球の遊走・浸潤を抑制する。またモルモット好中球からの活性酸素の産生を顕著に抑制する。(引用4、12、13、14)
【引用】
1)アゼプチン錠0.5mg・錠1mg電子添文 2020年11月改訂(第1版) 18.薬効薬理 18.1作用機序 18.1.1ロイコトリエン産生・遊離抑制、拮抗作用
2)片山敏 他: Prog. Med 1986; 6: 1173-1178 [AST-0043](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
3)松村正典 他: 呼吸 1990; 9: 206-212 [AST-0267]
4)折笠悦子 他: Prog. Med 1989; 9: 2272-2279 [AST-0262](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
5)友岡真樹 他: アレルギー 1988; 37: 213-217 [AST-0197]
6)アゼプチン錠0.5mg・錠1mg電子添文 2020年11月改訂(第1版) 18.薬効薬理 18.1作用機序 18.1.2ヒスタミン遊離抑制、抗ヒスタミン作用
7)Little M.M. et al.: J. Allergy Clin. Immunol. 1987; 79: 204 [AST-0273]
8)Chand N. et al.: Eur. J. Pharmacol. 1983; 96: 227-233 [AST-0047]
9)Chand N. et al.: Int. Arch. Allergy Appl. Immunol. 1985; 77: 451-455 [AST-0274]
10)Yamanaka T. et al.: Arzneim. Forsch. 1981; 31: 1203-1206 [AST-0078](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
11)赤木正明 他: 応用薬理 1983; 26: 191-197 [AST-0067]
12)アゼプチン錠0.5mg・錠1mg電子添文 2020年11月改訂(第1版) 18.薬効薬理 18.1作用機序 18.1.3炎症細胞の遊走・浸潤抑制作用、活性酸素産生抑制作用
13)高橋龍太郎 他: Prog. Med 1989; 9: 2479-2484 [AST-0266](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
14)山井孝夫 他: 第2回アゼプチン研究会記録集 1989: 2: 12-14 [AST-0292]
【更新年月】
2022年2月