電子添文には、禁忌に関する以下の記載があります。
[ワソラン錠40mg]
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)(引用1)
2.1重篤なうっ血性心不全のある患者
[本剤は陰性変力作用を有し、心不全症状を更に悪化させることがある。]
2.2第II度以上の房室ブロック、洞房ブロックのある患者
[本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。]
2.3妊婦又は妊娠している可能性のある女性
2.4本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[ワソラン静注5mg]
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)(引用2)
2.1重篤な低血圧あるいは心原性ショックのある患者
[本剤は陰性変力作用ならびに血管拡張作用を有し、血圧を更に低下させることがある。]
2.2高度の徐脈、洞房ブロック、房室ブロック(第II、III度)のある患者
[本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。]
2.3重篤なうっ血性心不全のある患者
[本剤は陰性変力作用を有し、心不全症状を更に悪化させることがある。]
2.4急性心筋梗塞のある患者
[本剤は陰性変力作用を有し、急性心筋梗塞時の心機能を更に悪化させることがある。]
2.5重篤な心筋症のある患者
[本剤は陰性変力作用を有し、心機能を更に悪化させることがある。]
2.6静注用β-遮断剤を投与中の患者
2.7本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
【関連情報】
インタビューフォームには、禁忌に関する以下の記載があります。
[ワソラン錠40mg]
■禁忌内容とその理由(引用3)
〈理由〉
2.1 本剤は陰性変力作用を有し、心不全症状を更に悪化させることがある。
2.2 本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。
2.3 「Ⅷ.‒6.‒(5)妊婦」の項参照※
2.4 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者に本剤を投与した場合、より重篤な過敏症の発現につながるおそれがある。
(解説)
2.1 は本剤の心筋収縮力抑制作用、2.2 は抗不整脈作用(房室伝導抑制作用)により悪化を来すことがあるので、このような重症合併症のある患者には投与すべきではない。2.3 は動物実験で胎児吸収の報告がある。
※「Ⅷ.‒6.‒(5)」妊婦の項
・妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(マウス)で胎児毒性(死胚)が報告されている。
(解説)
動物実験(マウス)で胎児毒性(死胚)が報告されている。
[ワソラン静注5mg]
■禁忌内容とその理由(引用4)
(解説)
2.5 本剤の作用機序であるCa++拮抗作用は、房室伝導抑制作用、洞結節抑制作用、心筋収縮力抑制作用、血管平滑筋弛緩作用(降圧作用)をあらわすため、低血圧、房室ブロック、心不全等を増悪させる可能性がある。
これらの疾患が重篤な場合は禁忌となっている。
1.降圧作用 重篤な低血圧、心原性ショック
2.心抑制作用 重篤なうっ血性心不全、急性心筋梗塞、重篤な心筋症
3.伝導抑制作用 高度の徐脈、洞房ブロック、房室ブロック(第II、III度)
2.6 静注用抗不整脈剤は、併用すると作用が強く出て高度な低血圧、洞停止、うっ血性心不全の発現等に至る可能性があるので、併用しないのが原則である。それは、両剤が心筋収縮力及び房室結節の伝導を抑制するためである。心停止などの重篤例では静注β遮断剤を投与されていた報告が多いので、β遮断剤の消失半減期を考慮し、短い間隔で投与してはならない。
2.7 本剤に対し、発疹等の過敏症の既往歴のある患者に本剤を投与した場合、より重篤な過敏症の発現につながるおそれがある。
【引用】
1)ワソラン錠40mg電子添文 2022年9月改訂(第1版) 2.禁忌
2)ワソラン静注5mg電子添文 2022年2月改訂(第1版) 2.禁忌
3)ワソラン錠40mgインタビューフォーム 2023年5月改訂(第10版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 2.禁忌内容とその理由
4)ワソラン静注5mgインタビューフォーム 2022年7月改訂(第13版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 2.禁忌内容とその理由
【更新年月】
2024年11月