レケンビの電子添文には脳卒中の既往がある患者について以下の記載があります。
8. 重要な基本的注意(引用1)
8.2 1年以内の一過性脳虚血発作、脳卒中又は痙攣の既往のある患者において、本剤の投与を開始した経験はない。これらの既往がある場合は、本剤投与によるリスクとベネフィットを考慮した上で、投与の可否を慎重に判断すること。
なお、国際共同第III相プラセボ対照比較試験(301試験Core Study)の除外基準には以下の記載があり、脳卒中の既往がある患者の有効性・安全性は検討されていません。(引用2)
・スクリーニング前12ヵ月以内に一過性脳虚血発作、脳卒中又は痙攣発作の既往を有する者
・スクリーニング期のMRI検査において、臨床的に問題となる所見が認められる者。以下に該当所見を示すが、これらに限定されるものではない:
脳微小出血(最大径10mm以下)5ヵ所以上、最大径10mm超の脳出血1ヵ所、脳表ヘモジデリン沈着症、血管原性浮腫、脳挫傷、脳軟化、動脈瘤、血管奇形、感染病巣、多発性ラクナ梗塞又は大血管支配領域の脳卒中、重度の小血管疾患又は白質疾患又は占拠性病変又は脳腫瘍(ただし、髄膜腫又はくも膜嚢胞と診断される病変で、最大径が1cm未満であれば除外する必要はない)
上記規定を踏まえ、投与可否をご判断いただき、投与される場合は安全性にご注意ください。
【関連情報】
レケンビの電子添文には以下の記載がございます。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)(引用3)
2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.2 本剤投与開始前に血管原性脳浮腫が確認された患者[ARIAのリスクが高まるおそれがある。]
2.3 本剤投与開始前に5個以上の脳微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症又は1cmを超える脳出血が確認された患者[ARIAのリスクが高まるおそれがある。]
レケンビの投与対象となる患者要件については、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドライン(医薬薬審発1219 第2号令和5年12月19日)もあわせてご確認ください。
【引用】
1)レケンビ点滴静注200mg・500mg電子添文2024年6月改訂(第3版) 8. 重要な基本的注意 8.2
2)レケンビ点滴静注200mg・500mg適正使用ガイド VII.臨床成績(1)試験概要 p36 (DI-J‐948)
3)レケンビ点滴静注200mg・500mg電子添文2024年6月改訂(第3版)2.禁忌
【更新年月】
2024年9月