• No : 18960
  • 公開日時 : 2023/12/15 09:37
  • 更新日時 : 2024/09/20 16:45
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【レケンビ】 ARIA発現のリスク因子について教えてください。

【レケンビ】 
 
ARIA発現のリスク因子について教えてください。
 
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回答

適正使用ガイドには以下のように紹介されています。(引用1)
・APOEε4キャリアはARIAのリスク因子であり、特にホモ接合型キャリアはARIA-E発現に大きく影響する因子として知られています。(引用2)
・APOEε4キャリアはARIA-Hのリスク因子として報告されています。(引用3)
*2024年8月現在、実臨床への応用が可能な体外診断医薬品承認を受けたApoE遺伝学的検査は整備されていません。(引用4)
 
その他の薬剤に関する文献等でベースライン時の脳微小出血の数や抗アミロイドβモノクローナル抗体の投与量がリスク因子との説もございます(引用5、6)
 
なお、電子添文には以下の記載があります。
 
8. 重要な基本的注意(引用7)
8.1 本剤はARIA管理に関する適切な知識を有する医師の下で使用し、投与開始前及び投与中は以下の点に注意すること。
8.1.4 アポリポ蛋白E(ApoE)ε4ホモ接合型キャリアでApoEε4ヘテロ接合型キャリア及びノンキャリアよりもARIAの発現割合及び画像上の重症度、症候性ARIAの発現割合が高かったが、ApoEε4保因状況にかかわらず、8.1.1項~8.1.3項及び11.1.2項に規定のMRI検査を含むARIA管理を実施すること。なお、アルツハイマー病患者におけるApoEε4ホモ接合型キャリアの割合は約15%である(引用8)。
 
【関連情報】
電子添文には以下の記載があります。
 
8. 重要な基本的注意(引用7)
8.1 本剤はARIA管理に関する適切な知識を有する医師の下で使用し、投与開始前及び投与中は以下の点に注意すること。
8.1.1 本剤投与開始前に、最新(1年以内)のMRI画像により、ARIAを含む異常所見の有無を確認すること。
8.1.2 ARIAの発現は、本剤投与開始から14週間以内に多いことから、この期間は特に注意深く患者の状態を観察すること。ARIAを示唆する症状が認められた場合には、臨床評価を行い、必要に応じてMRI検査を実施すること。
8.1.3 ARIAを示唆する症状がみられない場合であっても、本剤の5回目の投与前(投与開始後2ヵ月までを目安)、7回目の投与前(投与開始後3ヵ月までを目安)及び14回目の投与前(投与開始後6ヵ月までを目安)、並びにそれ以降も定期的にMRI検査を実施し、ARIAの有無を確認すること。
画像上ARIAが検出された場合は、十分な観察の下、症状の発現に注意し、7.1項の表を参考に、必要に応じて追加のMRI検査を実施すること。
 

【引用】
1)レケンビ点滴静注200mg・500mg適正使用ガイド V.アミロイド関連画像異常(ARIA)とその対策 ARIAのリスク因子 p17 (DI-J-948)
2)Ketter N, et al.: J Alzheimers Dis 2017; 57: 557-573
3)Arrighi HM, et al.: J Neurol Neurosurg Psychiatry 2016; 87(1): 106-112
4)認知症に関する脳脊髄液・血液バイオマーカー、APOE 検査の適正使用指針第2版2023年9月30日P1
www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/important_info/pdf/20231003_01_01.pdf(最終閲覧日:2024年8月27日) 
5)Sperling RA, et al.: Alzheimers Dement 2011; 7(4): 367-385 p5 Risk factors for ARIA-E [NEURO-1177] [利益相反:本試験はエーザイ(株)の支援によって行われた。]
6)Cogswell PM, et al.: AJNR Am J Neuroradiol 2022; 43(9): E19-E35 E22 ARIA Risk Factors. [NEURO-1207] 
7)レケンビ点滴静注200mg・500mg電子添文2024年6月改訂(第3版)8. 重要な基本的注意8.1 本剤はARIA管理に関する適切な知識を有する医師の下で使用し、投与開始前及び投与中は以下の点に注意すること。 8.1.4
8)van Dyck C. H. et al.: N. Engl. J. Med.,2023;388(1):9-21 [LEQ-0002]
 
【更新年月】
2024年9月