• No : 17858
  • 公開日時 : 2022/09/27 09:56
  • 更新日時 : 2024/09/30 09:43
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【メリスロン】 成人に対する通常用量は何mgですか?(1回12mgですか?、それとも1回6mgですか?)

【メリスロン】 
 
成人に対する通常用量は何mgですか?(1回12mgですか?、それとも1回6mgですか?)
 
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回答

総計875例について実施された二重盲検試験を含む国内臨床試験の用法及び用量は、通常、成人にベタヒスチンメシル酸塩として、すべて1回12mg、1日3回の1日量36mgでした。国内臨床試験では、メニエール病、メニエール症候群、眩暈症に伴うめまい、めまい感に対する、本剤の有効性及び安全性を評価しています。(引用1-6)
また、メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドラインの◆付記の欄には、「本邦のベタヒスチンメシル酸塩は1日量36mgで使用すべきであり、1日量18mgでは効果が低い可能性がある。」との記載があります。(引用7)
 (詳細は、【関連情報】メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版を参照)
 
■国内臨床試験の用法及び用量
●眩暈症例に対するBetahistineの薬効試験─Double-blind Testおよび判別分析(多変量解析)による─
1回12mg(6mgを2錠)、1日3回、36mg/日(引用2)
●メニエール病に対するBetahistineの薬効試験─多変量解析に基づくt検定並びにDouble Blind Testおよびフィッシャーの評点法に基づくt検定
1回12mg(6mgを2錠)、1日3回、36mg/日(引用3)
●めまい症例30例に対するBetahistine (メリスロン)の使用経験
1回12mg(6mgを2錠)、1日3回、36mg/日(引用4)
●眩暈症に対するメリスロン錠の使用経験
1回12mg(6mgを2錠)、1日3回、36mg/日(引用5)
●二重盲検法による酒石酸ニコチニックアルコール(ロニコールタイムスパン錠)のめまい症に対する薬効検定─メシル酸ベタヒスチンとの比較試験─
1回12mg(6mgを2錠)、1日3回、36mg/日(引用6)
 
なお、メリスロン錠の用法及び用量は以下の通りです。(引用8)
 <メリスロン錠6mg>
通常、成人は1回1~2錠(ベタヒスチンメシル酸塩として1回6~12mg)を1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
 <メリスロン錠12mg>
通常、成人は1回1錠(ベタヒスチンメシル酸塩として1回12mg)を1日3回食後経口投与する。なお、ベタヒスチンメシル酸塩としての1回用量は6~12mgである。
 
【関連情報】
 ■メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版におけるベタヒスチンの用量に関する記載について(引用7)
 CQ1メニエール病に抗めまい薬は有効か? ◆付記 より抜粋
 「(前文略)海外で市販されているベタヒスチンはベタヒスチン塩酸塩(分子量 209.12)であるが、本邦で市販されているものはベタヒスチンメシル酸塩(分子量 328.41)である。ベタヒスチン塩酸塩16mgはベタヒスチンメシル酸塩24mgに相当する。海外のRCT(Randomized Controlled Trial)で用いられている1日量ベタヒスチン塩酸塩16~48mgは、ベタヒスチンメシル酸塩に換算すると24~72mgとなる。しかし、本邦におけるベタヒスチンメシル酸塩用量は18~36mgと低用量である。本邦における用量の見直しが必要となる可能性がある。また、本邦のベタヒスチンメシル酸塩は1日量36mgで使用すべきであり、1日量18mgでは効果が低い可能性がある。」
 ■メニエール病を中心とした眩暈症に対して1日量18mgと36mgの有用性を比較検討した報告(引用9)
 タイトル:メニエール病を中心とした眩暈症に対するベタヒスチンメシル酸塩高用量の有用性
 対象と方法:メニエール病を中心とした眩暈症の患者を対象に、ベタヒスチンメシル酸塩18mg/日群(30例)と36mg/日群(34例) を3か月間投与し、効果を比較した。めまい発作時の頓服服用として、トラベルミン配合錠を予め患者に渡し、めまい発作時のトラベルミン服用錠数、めまい発作による入院回数、めまい発作による来院時の外来点滴回数を比較した。
 結果:めまい発作時に患者が頓用したトラベルミン配合錠の3か月間における服用総錠数は、18mg/日群は平均13.7±14.44錠であるのに対し、36mg/日群は平均6.03±7.23錠と、36mg/日群の方が有意に少なかった※1。入院回数と外来点滴回数についても36mg/日群の方が少なかったが、両群間に有意差は認めなかった※2。
 考察:ベタヒスチンメシル酸塩は、臨床効果と安全性から総合的に判断すると、1回12mg、1日3回の36mg/日を基本用量とするほうがより適切であると考えられた。
 ※1 統計解析は、Aspin-Welch t-test(p=0.0119)、Mann-Whitney’s U test(p=0.0371)
 ※2 統計解析は、Aspin-Welch t-test、Mann-Whitney’s U testともN.S.
 

【引用】
1)メリスロン錠 6mg・12mg電子添文 2023年9月改訂(第2版) 17.臨床成績 17.1 有効性及び安全性に関する試験 17.1.1 国内臨床成績
2)渡辺 ?ら:耳鼻咽喉科,1967;39(11):1237-1250 [MRS-0028](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
3)岡本 健ら:医療,1968;22(5):650-665 [MRS-0029](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
4)石川 馨ら:新薬と臨牀,1983;32(4):631-635 [MRS-0078]
5)佐藤護人ら:薬物療法,1980;13(4-5):257-260 [MRS-0066]
6)野末道彦ら:薬理と治療,1978;6(1):139-151 [MRS-0059]
7)一般社団法人日本めまい平衡医学会メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版 Clinical Question CQ1 メニエール病に抗めまい薬は有効か?  [MRS-0134]
8)メリスロン錠 6mg・12mg電子添文 2023年9月改訂(第2版) 6.用法及び用量
9)田中久夫:Ther.Res. 2011;32(6):869-872 [MRS-0120]
 
【更新年月】
2024年9月
 
 
 
KW:メニエール病、めまい症、眩暈症、投与量、推奨量、適正量、ベタヒスチン、抗めまい薬
KW:メニエール病、めまい症、眩暈症、投与量、推奨量、適正量、ベタヒスチン、抗めまい薬