• No : 1774
  • 公開日時 : 2017/10/25 00:00
  • 更新日時 : 2024/10/24 10:49
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【ネオフィリン・錠・原末】 薬効薬理について教えてください。

【ネオフィリン・錠・原末】 
 
薬効薬理について教えてください。
 
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回答

電子添文には、薬効薬理に関する以下の記載があります。
 
[ネオフィリン錠100mg・原末共通]
18.薬効薬理(引用1、2)
18.1 作用機序
本薬の有効成分であるアミノフィリン水和物は、テオフィリン2分子とエチレンジアミン1分子の塩であり、体内ではテオフィリンとして存在する。
テオフィリンの作用機序としては、フォスフォジエステラーゼ阻害による細胞内c-AMPの増加、アデノシン受容体拮抗、細胞内Ca2+の分布調節等の説がある。(引用3、4、5)
 
18.2 心筋刺激作用
本薬は、心筋を直接刺激し、心拍出量を増加させる。この効果は、摘出心筋で容易に認めることができる。心疾患患者では、本薬による静脈圧の低下を伴う心刺激作用により、心拍出量を増大させるため、うっ血性心不全に適する。(引用3、6、7)
 
18.3 利尿作用
本薬は、イヌの実験で尿量の増加とともにNa+及びCl-の排泄も増加する。その作用機序は、心臓血管系の作用による腎血流の増加、腎糸球体濾過量の増加、腎尿細管におけるNa+及びCl-の再吸収阻害等による。(引用3、8、9、10)
 
18.4 気管支拡張作用
本薬は、摘出モルモット気管支筋の弛緩作用により気管支拡張作用を示す。この作用は喘息患者でも確認されている。また、閉塞性肺疾患患者の肺動脈圧の低下や呼吸機能の改善も認められている。(引用11、12、13)
 

【引用】
1)ネオフィリン錠100mg電子添文 2023年10月改定(第1版) 18.薬効薬理
2)ネオフィリン原末電子添文 2023年10月改定(第1版) 18.薬効薬理
3)Rall T. W.:Pharmacol. Basis Ther. 7th ed., 1985;589-602[N-1231]
4)Hendeles L. et al.:Pharmacotherapy, 1983;3:2-44[TEO-0029]
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6)Howarth S. et al.:Clin. Sci. Mol. Med., 1947;6:125-135[N-0026]
7)Rutherford J. D. et al.:Am. J. Cardiol., 1981;48:1071-1076[N-0777]
8)Ludens J. H. et al.:Clin. Res., 1966;14:447[N-0133]
9)Ludens J. H. et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther.,1970;185:274-286[N-0134]
10)Nechay B. R.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 1961;132:339-344[N-0136]
11)Parker J. M. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 1956;118:359-364 [N-0079]
12)Segal M. S. et al.:J. Clin. Invest., 1949;28:1190-1195[N-0092]
13)Parker J. O. et al.:Circulation, 1967;35:365-372[N-0061]
 
【更新年月】
2024年10月

 

 

【図表あり】