併用注意の欄に記載しておりませんが、グレープフルーツジュース中にはCYP3Aを強く阻害する物質が存在するため,CYP3Aにより主として代謝される経口薬をグレープフルーツジュースと一緒に服用した場合にバイオアベイラビリティが上昇したとの報告があります(引用1、2)。一方で、デエビゴは主にCYP3Aで代謝される事が知られており、併用した場合、本剤の血漿中濃度を上昇させるおそれがあります。
グレープフルーツジュースは、飲まないようにご指導いただければと考えております。
【関連情報】
●薬物相互作用ガイドライン(最終版)でのグレープフルーツジュースに関する記載は以下です。(引用1)
・「グレープフルーツジュースにはCYP3Aを強く阻害する物質が含まれるため、グレープフルーツジュースと同時、又はグレープフルーツジュースの摂取後に、CYP3Aにより主として代謝される経口薬を服用した場合に、当該経口薬のバイオアベイラビリティが上昇する可能性があることに留意する。」
・「グレープフルーツジュースによる作用は濃度,用量及び製品に左右される.」
・CYP3Aの強い阻害薬の1つとしてgrapefruit juiceが記載されている。
●医薬品医療機器総合機構の「食品とくすり」には以下の解説があります。(引用3)
グレープフルーツジュースには、この腸管での代謝酵素の働きを抑える物質が含まれているため、腸管で代謝される割合が減り、その結果体内に吸収される量が通常より増えてしまいます。このため、効果が強く出たり、副作用が現れやすくなると考えられています。
さらにこの作用はグレープフルーツジュースを飲んだ日だけではなく、2~3日続く場合もあるといわれていますので注意が必要です。
なお、この酵素の働きを抑える物質は、グレープフルーツの果肉の部分にも含まれているようです。従って、ジュースだけではなく、果肉を食べる場合にも注意が必要といわれています。
●適正使用ガイドには、以下の表が掲載されています。(引用4)
●海外304試験においても、併用が禁止されていたCYP3A阻害剤(強い阻害剤)の一つにグレープフルーツジュースが含まれていました。(引用5)
【更新年月】
2024年12月
KW:グレープフルーツ