浮動性めまい、傾眠の発現時期について、外国人の難治性部分発作を有するてんかん患者を対象とした第Ⅲ相プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験(304試験、305試験、306試験)と非盲検延長試験の事後統合解析〈海外データ〉の結果は以下の通りでした。(引用1、2、3、4、5)
めまいや傾眠の多くは、投与初期に発現する傾向にあります。副作用マネジメントの観点から、フィコンパの投与開始時は1週間以上(できれば2週間以上)*かけてゆっくり増量するようお願いします。
*単剤投与における漸増期間は2週間以上となっております。
【試験概要】
目的
【304、305試験】難治性部分発作を有するてんかん患者を対象に、他剤併用時におけるペランパネル(8mg、12mg)の有効性及び安全性を評価することを目的に実施した臨床第Ⅲ相試験
【306試験】難治性部分発作を有するてんかん患者を対象に、他剤併用時におけるペランパネル(2mg、4mg、8mg)の有効性及び安全性を評価することを目的に実施した臨床第Ⅲ相試験
対象
【304試験】)12歳以上の難治性部分てんかん患者388例(プラセボ群121例、フィコンパ8mg群133例、12mg群134例
【305試験】12歳以上の難治性部分てんかん患者386例(プラセボ群136例、フィコンパ 8mg群129例、12mg群121例)
【306試験】12歳以上の難治性部分てんかん患者706例(プラセボ群185例、フィコンパ®2mg群180例、4mg群172例、8mg群169例)
方法
【304、305試験】
プラセボ対照二重盲検比較試験として、他の抗てんかん薬との併用で、フィコンパ8mg群、12mg群はフィコンパ2mgを、プラセボ群はプラセボを1日1回就寝前、経口投与を開始した。実薬群では、目標用量(8mg、12mg)に到達するまで1週間に2mgずつ用量を漸増し、その後、同用量を治療維持期の完了まで投与した(19週間:6週間の漸増期含む)。忍容できない有害事象を発現した場合には、2mg減量することは可とした。発作頻度は、試験期間中、発作日誌に記録された発作を28日間換算して算出した。二重盲検期終了後は非盲検延長試験に参加するか、フィコンパの投与を中止し4週間のフォローアップ期間とした。非盲検延長試験では、二重盲検期にフィコンパ12mg群であった被験者は、そのままの用量を維持した。それ以外の群では2週間に2mgずつ最大耐量まで漸増した。本試験ではフィコンパ投与52週間までを調査した。
【306試験】
プラセボ対照二重盲検比較試験として、他の抗てんかん薬との併用で、フィコンパ®2mg群、4mg群、8mg群はフィコンパ®2mgを、プラセボ群はプラセボを1日1回就寝前、経口投与を開始した。実薬群では、目標用量(4mg、8mg)に到達するまで1週間に2mgずつ用量を漸増し、その後、同用量を治療維持期の完了まで投与した(19週間:6週間の漸増期含む)。忍容できない有害事象を発現した場合には、2mg減量することは可とした。発作頻度は、試験期間中、発作日誌に記録された発作を28日間換算して算出した。二重盲検期終了後は非盲検延長試験に参加するか、フィコンパの投与を中止し4週間のフォローアップ期間とした。非盲検延長試験では、2週間に2mgずつ最大耐量まで漸増した。本試験ではフィコンパ®投与52週間までを調査した。
有害事象
総発現有害事象は、プラセボ群294例(66.5%)、フィコンパ群799例(77.0%)であった。フィコンパ群の%以上に認められた有害事象は、浮動性めまい[プラセボ群40例(9.0%)、フィコンパ群292例(28.1%)]、傾眠[プラセボ群32例(7.2%)、フィコンパ群150例(14.5%)]、頭痛[プラセボ群50例(11.3%)、フィコンパ群118例(11.4%)]、疲労[プラセボ群21例(4.8%)、フィコンパ群88例(8.5%)]、易刺激性[プラセボ群13例(2.9%)、フィコンパ群73例(7.0%)]、悪心[プラセボ群20例(4.5%)、フィコンパ群54例(5.2%)]、転倒[プラセボ群15例(3.4%)、フィコンパ群53例(5.1%)]であった。
【引用】
1)フィコンパ錠2㎎・4㎎・細粒1% 製品情報概要:フィコンパの就寝前投与の意義~中枢神経系有害事象の発現時間及び回復時間~(FYC1096FSG)
2)承認時評価資料:難治性部分発作を有するてんかん患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験 外国試験:304試験 [FYC‐0030] (当該試験は、Eisai Inc.により資金提供を受けて実施された。なお、Eisai Inc.の社員も当該試験の実施者に含まれている。)
3)承認時評価資料:難治性部分発作を有するてんかん患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験 外国試験:305試験 [FYC‐0031] (当該試験は、Eisai Inc.により資金提供を受けて実施された。なお、Eisai Inc.の社員も当該試験の実施者に含まれている。)
4) 承認時評価資料:難治性部分発作を有するてんかん患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験 外国試験:306試験 [FYC‐0032] (当該試験は、Eisai Inc.により資金提供を受けて実施された。なお、Eisai Inc.の社員も当該試験の実施者に含まれている)
5) Ko D, et al.:Epilepsy Behavior 48:45-52(2015)[FYC-0081]
【更新年月】
2024年10月