電子添文には、分布、代謝及び排泄に関する以下の記載があります。
■分布
(1)胎盤通過性
母体の血清中テオフィリン濃度が9.69±1.62μg/mL(平均値±S.E.,n=9)のとき、臍帯血の血清中テオフィリン濃度は10.21±1.71μg/mL(n=12)である(外国人データ)。[9.1.5参照](引用1、2)
(2)乳汁移行性
母体の血清中テオフィリン濃度と母乳中テオフィリン濃度比は約1:0.7(n=4)である(外国人データ)。[9.1.6参照](引用3、4)
■代謝
小児・成人とは異なり、早産・低出生体重児では、肝薬物代謝酵素が未発達であり、未変化のテオフィリンのまま腎から排泄される割合が高い。代謝に関与する主な代謝酵素は、小児・成人と同様にCYP1A2であると推察される。その他、代謝物として、小児・成人では認められないカフェイン及びテオブロミンが検出されている。(外国人データ)[10.参照](引用5、6、7、8)
■排泄
早産・低出生体重児のデータによると、尿中代謝物の割合は未変化のテオフィリン43~71%、1,3-ジメチル尿酸15~34%、1-メチル尿酸7.9~14%、3-メチルキサンチン0.1~1.3%、カフェイン6.5~11%、テオブロミン2.0~3.8%である。(外国人データ)(引用6、7、8、9)
【引用】
1)アプニション静注15mg電子添文 2021年1月改訂(第1版) 16.薬物動態 16.3分布 16.3.1胎盤通過性
2)Labovitz, E. et al.: JAMA, 1982; 247(6); 786-788 [N-1392]
3)アプニション静注15mg電子添文 2021年1月改訂(第1版) 16.薬物動態 16.3分布 16.3.2乳汁移行性
4)Yurchak, A.M. et al.: Pediatrics, 1976; 57(4): 518-520 [N-0482]
5)アプニション静注15mg電子添文 2021年1月改訂(第1版) 16.薬物動態 16.4代謝
6)Tserng, K.-Y. et al.: Clin. Pharmacol.Ther., 1983; 33(4): 522-528 [N-2461]
7)Tserng, K.-Y. et al.: Clin. Pharmacol.Ther., 1981; 29(5): 594-600 [N-0748]
8)Bonati, M. et al.: Pediatr. Res., 1981; 15: 304-308 [TEO-0899]
9)アプニション静注15mg電子添文 2021年1月改訂(第1版) 16.薬物動態 16.5排泄
【更新年月】
2022年3月