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  • No : 10595
  • 公開日時 : 2019/04/04 00:00
  • 更新日時 : 2019/05/13 18:03
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【ワーファリン】  Ⅴ‐4.周術期管理 ~ 概論(適正使用情報本編 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅴ‐4.周術期管理 ~ 概論(適正使用情報本編 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

ワルファリン投与中の周術期管理は、臨床上避けられない重要な課題である。

周術期に考慮されるリスクとして、第一に対象患者が元々有する疾患に由来する血栓塞栓症リスク、第二に一部の手術手技もしくはそのデバイス等に由来する血栓塞栓リスク、第三に手術手技の処置に伴う出血リスク、第四に患者背景に由来する出血リスク、そして第五に抗血栓療法に伴う出血リスクが考えられ、手術・手技、個々の患者が有する疾患、治療、背景、価値観、嗜好など様々な条件を考慮して、最適な対応方法の選択が必要である。


1.周術期管理に関連するガイドライン・総説

周術期管理に関連するガイドライン・総説は、適応疾患、手術手技、診療科または抗血栓療法の種類など、各々の状況や限定される条件での管理、あるいは全般的・総括的な管理など、様々な視点で報告されている。各種ガイドライン1-5)やACCPガイドラインの執筆メンバーであるDouketisやSpyropoulosらの提案6,7)を中心にいくつかの総説8-12)を参考とした。



2.周術期管理の概要

これまで、大手術、緊急手術、小手術などの対応方法として述べてきたが、周術期管理の概要1,7)として、ACCPのガイドラインの周術期管理の考え方をひとつの参考とし、引用する。例えば、血栓塞栓症リスクや出血リスクなどの層別・評価などについて、国内でのコンセンサスの形成は今後の課題であるが、臨床的な判断や検討の材料として取り上げた。

①患者由来・適応疾患/手術・手技に伴う血栓塞栓症/出血のリスクの層別

②血栓塞栓症もしくは出血イベントの臨床的な重要性

③適切な体内動態パラメータに基づく抗凝固療法の中止/再開

④周術期ヘパリンブリッジングの要否/出血回避と血栓塞栓症予防のバランス

 

血栓塞栓症リスク

・患者由来・適応疾患に伴う血栓塞栓症リスク

・手術・手技に伴う血栓塞栓症リスク(一部の手術・手技)

出血リスク

・患者由来の出血リスク

・抗血栓療法の程度に伴う出血リスク(抗血小板薬との併用など)

・手術・手技に伴う出血リスク

実践的なアプローチで考慮する点

・手術・手技の必要性、緊急性・時期選択性

・それぞれのリスクの層別・評価

・ワルファリンの中断の要否

・ワルファリンの中断の期間

・ワルファリンの中断にヘパリン等によるブリッジングの要否

・ブリッジングの方法


3.ヘパリンなどによるブリッジングの適用範囲の見直し

これまでは、抗血栓療法の中断が困難な血栓塞栓症リスクの高い症例を想定し、抗血栓療法の継続が一般的であったと考えられる。しかしながら、今日では抗血栓療法の対象となる血栓塞栓症には一次予防も幅広く行われるなど、抗血栓療法の中断が可能な場合も考えられる。また、出血リスクについても手術手技の開発や改良もあり、条件によっては抗血栓療法を継続可能な場合も考えられる。

Bridge Study(2015)16)の発表などの新たな情報の追加を契機に、ヘパリンなどによるブリッジングの適用範囲の見直しが検討されている7,11,17)。多くが海外の報告であり、そのまま国内に適応できないが、これらの情報が個々の患者に対応する際の判断材料のひとつとなれば幸いである。


4.診療科・領域別の対応

これまで大手術以外の小手術として、抜歯などの一部の手術手技について具体的に示していたが、近年診療科・領域別、また手術手技別での周術期管理について考察した総説や報告事例が増えてきた。まだコンセンサスが得られていないケースが多いが、可能な範囲でより具体的な情報の集約を試みたので、これらが医療現場で直面する状況で、個々の患者に対応する際の判断材料として少しでも参考になれば幸いである。

今後、より多くのケースで国内に適応した対応方法が確立することを期待したい。

 

【参考文献】    [文献請求番号]

1)Douketis,J.D. et al.: Chest ,     133,     299S (2008)    WF-3002

2)Douketis,J.D. et al.: Chest,     141,    e326S(2012)    WF-3661

3)Keeling,D. et al.: Br.J.Haematol.,     154,     311(2011)    WF-4347

4)堀 正二ら: 循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008 年度合同研究班報告),1(2010) WF-4122

5)井上 博ら:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2012 年度合同研究班報告),1(2013) WF-4053

6)Douketis,J.D. et al.: Blood,     117,    5044(2011)    WF-4289

7)Spyropoulos,A.C. et al.: J.Thromb.Haemost.,     14,    875(2016)    WF-4453

8)Rechenmacher,S.J. et al.: J.Am.Coll.Cardiol.,     66,    1392(2015)    WF-4282

9)Baron,T.H. et al.: N.Engl.J.Med.,     368,    2113(2013)    WF-4408

10)Ortel,T.L. et al.: Hematology,         529(2012)    WF-4403

11)Keeling,D. et al.: Br.J.Haematol.,     175,    602(2016)    WF-4593

12)Oprea,A.D. et al.: J.Clin.Anesthesia,     34,    586(2016)    WF-4452

13)Doherty,J.U. et al.: J.Am.Coll.Cardiol.,     69,    871(2017)    WF-4595

14)藤本 一真ら: Gastroenterol.Endosc.,     54,    2075(2012)    WF-3695

15)科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2015年改訂版        WF-4602

16)Douketis,J.D. et al.: N.Engl.J.Med.,     373,    823(2015)    WF-4284

17)Nazha,B. et al.: J.Hosp.Med.,     11,    652(2016)    WF-4594

【図表あり】

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