• No : 603
  • 公開日時 : 2018/07/13 00:00
  • 更新日時 : 2024/11/13 10:02
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【ギリアデル】 特定の背景を有する患者に関する注意について教えてください。

【ギリアデル】 
 
特定の背景を有する患者に関する注意について教えてください。
 
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回答

電子添文には特定の背景を有する患者に関する注意について以下の記載があります。
 
9. 特定の背景を有する患者に関する注意(引用1)
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性には、本剤留置後最低2週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。
9.4.2 パートナーが妊娠する可能性のある男性には、最低3ヵ月間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。雄動物(ラット)に投与したときに授胎能の低下、胚死亡の増加が認められたとの報告がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、留置しないこと。
本剤の有効成分であるカルムスチンを妊娠動物(ウサギ、ラット)に投与したとき、胎児毒性や催奇形性が認められたとの報告がある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。
動物実験(ラット)で14C標識カルムスチンを静脈内投与したとき、放射能の乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
小児を対象とした臨床試験は実施していない。
 
【関連情報】
インタビューフォームには重要な基本的注意の理由に関する以下の記載があります。(引用2)
・生殖能を有する者
(解説)
妊娠可能な女性への避妊期間の設定については、下記①~④を踏まえ、患者の個体差も考慮して、留置後2週間の避妊期間が適切であると判断し、「妊娠可能な女性には、本剤留置後最低2 週間は適切な避妊法を用いるよう指導する。」と記載した。
(1)カルムスチンをサルに静脈内投与した場合に蓄積性が認められないこと。
(2)カルムスチン含有ポリマーをラット及びウサギ脳内に埋植した場合に蓄積性が認められないこと。
(3)国内の患者では本剤留置後72時間で血中カルムスチン濃度が定量限界値(2.0ng/mL)未満であったこと。
(4)海外の患者では本剤留置後3~168時間まで血中カルムスチンが検出されなかったこと(10~20%カルムスチン高含有製剤では、留置後3~168時間の血中カルムスチン2.04~48.66ng/mLが検出された)。
 
パートナーが妊娠する可能性のある男性への避妊期間の設定については、雄動物(ラット)に投与したときに授胎能の低下、胚死亡の増加が認められたとの報告があることから、本剤が脳内留置された生殖可能年齢の男性に避妊を行わせることが必要であると考えた。従って、精子形成期間(精祖細胞~精子)である9週間に加え、本剤留置後の血中カルムスチン濃度が定量限界値(2.0ng/mL)未満になる最長期間である2週間を合わせて、避妊期間を本剤留置後3ヵ月間とし、「パートナーが妊娠する可能性のある男性についても最低3ヵ月間は適切な避妊法を用いるよう指導する。」と記載した。
 
・妊婦
(解説)
カルムスチンのラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験において、胚致死作用及び催奇形性作用が認められていることから、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、留置しないこと。」とした。(引用3)
 
・授乳婦
(解説)
ラットを用いた乳汁移行性試験成績に基づき、授乳中の女性へ留置した場合は授乳を中止させるよう注意喚起することとした。
 
・小児等
(解説)
小児における使用経験はないことから、小児に対する本剤の安全性は確立していない。
 
 
【引用】
1)ギリアデル脳内留置用剤7.7mg 電子添文 2023年3月改訂(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意
2)ギリアデル脳内留置用剤7.7mg インタビューフォーム 2024年3月改訂(第11版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意
3) Thompson D.J., et al.: Toxicol. Appl. Pharmacol., 1974; 30(3): 422‒439 [PMID: 4446036] [GLI‒0040]

 
【更新年月】
2024年11月