• No : 272
  • 公開日時 : 2018/05/28 00:00
  • 更新日時 : 2022/06/29 20:42
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【アプニション】 半減期・Cmaxなど、血中濃度の推移を教えてください。

【アプニション】 

半減期・Cmaxなど、血中濃度の推移を教えてください。

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回答

電子添文及びインタビューフォームには、薬物動態に関する以下の記載があります。
 
(1)血中濃度
低出生体重児にアミノフィリン水和物を5mg/kgの用量で静脈内投与(ボーラス投与)したときの血漿中テオフィリン濃度推移を下図に示す。
投与直後に平均11.7μg/mLの血漿中濃度を示したのち、1時間後までは速やかに減少し、その後はゆっくりと減少した。t1/2、Vd及びCLはそれぞれ20.6時間、0.57L/kg及び23.5mL/kg/hrであった。(引用1、2)
 
      
 
(2)治療上有効な血中濃度(外国人のデータ)
5~15μg/mL(テオフィリンとして)(引用3、4、5、6)
 
(3)血中濃度と臨床効果、副作用との関係
本剤をはじめとするテオフィリン製剤の投与にあたっては、テオフィリン血中濃度を測定しながら投与量を調節することが望ましい。多くの児では、投与開始から6~10日で定常状態に至るが、有効血中濃度に達していない場合においても慎重に投与する。有効血中濃度は通常5~15μg/mL(中毒域:20μg/mL以上)とされているが、血中濃度の上昇に伴い中枢神経興奮症状や消化器症状等の副作用が発現しやすくなるので、症状をよく観察しながら投与する必要がある。また、血中には代謝物であるカフェインがテオフィリン濃度の約1/3(1/8~1/2)存在するため、テオフィリン血中濃度が有効血中濃度の範囲内であっても、カフェインが臨床効果及び副作用の発現に影響する可能性がある。これらのことから、症状をよく観察しながら投与する必要がある。[8.1、13.1参照](引用2、7、8、9、10)
 
(4)中毒域
テオフィリンの血中濃度:20μg/mL以上(引用9、11)
 
 
(参考)早産・低出生体重児におけるテオフィリンの血中濃度と有効域・中毒域の関係(引用2、4、5、6、11、12、13、14、15)
 
     
 
 
【引用】
1)アプニション静注15mg電子添文 2021年1月改訂(第1版) 16.薬物動態 16.1血中濃度
2)飯島健志:日本新生児学会雑誌, 1982;18(2):198-209 [N-0941]
3)アプニション静注15mgインタビューフォーム 2021年1月改訂(改訂第6版) VII.薬物動態に関する項目 1.血中濃度の推移 (1)治療上有効な血中濃度
4)Aranda, J. V. et. al.:Clin. Perinatol., 1979;6(1):87?108 [N-2488]
5)小川雄之亮ら:新生児学 第2版(メディカ出版), 2000;482?975 [TEO-0959]
6)Rennie, J. M. et. al.:Neonatal Intensive Care 4th ed., 2001:216?222 [N-2486]
7)アプニション静注15mg電子添文 2021年1月改訂(第1版) 16.薬物動態 16.8その他 16.8.1血中濃度と臨床効果、副作用との関係
8)吉岡栄子ら:臨床薬理, 1980;11(1):9-16 [N-0673]
9)新生児医療連絡会:NICUマニュアル(第3版) 金原出版, 127-131 [N-2454]
10)Hargreaves, D.B. et al.:J. Clin.Hosp. Pharm., 1983;8:133-136 [TEO-0954]
11)アプニション静注15mgインタビューフォーム 2021年1月改訂(改訂第6版) VII.薬物動態に関する項目 1.血中濃度の推移 (3)中毒域
12)Howel, J. et. al.:Semin. Perinatol., 1981;5(4):359?369 [N-2489]
13)O’Donnell, J.:Neonatal Netw., 1994;13(2):35?43 [N-2490]
14)Shannon, D. C. et. al.:Pediatrics, 1975;55(5):589?594 [N-1830]
15)垣田博樹ら:小児科臨床, 2002; 55(9):1840-1845 [TEO-0963]
 
【更新年月】
2022年3月
【図表あり】