• No : 18982
  • 公開日時 : 2023/12/22 09:06
  • 更新日時 : 2024/09/24 10:58
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【レケンビ】 ARIA-H発現時のマネジメント方法(投与継続、中止基準等)について教えてください。

【レケンビ】 
 
ARIA-H発現時のマネジメント方法(投与継続、中止基準等)について教えてください。
 
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回答

電子添文には、ARIA-H発現時の対応について以下のように記載されています。
7. 用法及び用量に関連する注意(引用1)
7.1 本剤投与により、アミロイド関連画像異常(ARIA)として、ARIA-浮腫/滲出液貯留(ARIA-E)、ARIA-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症・脳出血(ARIA-H)があらわれることがある。
(1)MRI画像上軽度かつ無症候性のARIA-E、ARIA-Hが認められた場合は、慎重に臨床評価した上で、本剤の投与継続の可否を検討すること。投与継続する場合、特に注意深く経過観察すること。
(2)MRI画像上中等度及び重度のARIA-Eが認められた場合は、画像所見の消失まで投与を一時中断すること。MRI画像上1cmを超える脳出血並びに中等度及び重度のARIA-Hが認められた場合は、画像所見の安定化まで投与を一時中断すること。いずれの場合も注意深く経過観察し、投与再開は慎重な臨床判断の上で行うこと。
(3)症候性ARIAが認められた場合は、これらの症状が消失するとともに、ARIA-Eでは画像所見の消失まで、ARIA-Hでは画像所見の安定化まで投与を一時中断すること。注意深く経過観察し、投与再開は慎重な臨床判断の上で行うこと。
 
8. 重要な基本的注意(引用2、3)
8.1 本剤はARIA管理に関する適切な知識を有する医師の下で使用し、投与開始前及び投与中は以下の点に注意すること。
8.1.1 本剤投与開始前に、最新(1年以内)のMRI画像により、ARIAを含む異常所見の有無を確認すること。
8.1.2 ARIAの発現は、本剤投与開始から14週間以内に多いことから、この期間は特に注意深く患者の状態を観察すること。ARIAを示唆する症状が認められた場合には、臨床評価を行い、必要に応じてMRI検査を実施すること。
8.1.3 ARIAを示唆する症状がみられない場合であっても、本剤の5回目の投与前(投与開始後2ヵ月までを目安)、7回目の投与前(投与開始後3ヵ月までを目安)及び14回目の投与前(投与開始後6ヵ月までを目安)、並びにそれ以降も定期的にMRI検査を実施し、ARIAの有無を確認すること。
画像上ARIAが検出された場合は、十分な観察の下、症状の発現に注意し、7.1項の表を参考に、必要に応じて追加のMRI検査を実施すること。
8.1.4 アポリポ蛋白E(ApoE)ε4ホモ接合型キャリアでApoEε4ヘテロ接合型キャリア及びノンキャリアよりもARIAの発現割合及び画像上の重症度、症候性ARIAの発現割合が高かったが、ApoEε4保因状況にかかわらず、8.1.1項~8.1.3項及び11.1.2項に規定のMRI検査を含むARIA管理を実施すること。なお、アルツハイマー病患者におけるApoEε4ホモ接合型キャリアの割合は約15%である。(引用4)
             
 
適正使用ガイドには、ARIA‐H発現時の対応方法について以下のように記載されています。(引用5)
 
 
ARIA-EとARIA-Hが併発した場合
• 重症度の評価 : それぞれで評価してください。
• 投与の中断・中止の判断 : 重症度が重い方の基準に従ってください。
• 投与の再開の判断 : 両方の基準を満たしたうえで再開してください。
ARIA発現後のMRIモニタリングに関して、規定の期間よりも前にMRI検査を実施した場合でも、投与再開の基準を満たしていれば再開することは可能です。
 
【関連情報】
電子添文には、ARIAについて、以下のように記載されています。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.1.2 アミロイド関連画像異常(ARIA)(引用6)
ARIA-EとしてARIA-浮腫/滲出液貯留(12.6%)、ARIA-HとしてARIA-微小出血及びヘモジデリン沈着(13.6%)、脳表ヘモジデリン沈着症(5.2%)、脳出血(0.4%)があらわれることがある。
(1)ARIAは臨床症状を伴わないことが多いが、痙攣やてんかん重積等の重篤な事象が起こることがある。ARIAに関連する症状としては、頭痛、錯乱、視覚障害、めまい、吐き気、歩行障害等が報告されている。
(2)ARIAは再発することがあるため、投与を再開した場合は、注意深く患者の状態を観察するとともに、定期的なMRI検査の実施を検討すること。
(3)ARIAが再発した患者において、本剤の投与を再開した経験は限られている。
 

【引用】
1)レケンビ点滴静注200mg・500mg電子添文2024年6月改訂(第3版)7. 用法及び用量に関連する注意 7.1
2)レケンビ点滴静注200mg・500mg電子添文2024年6月改訂(第3版) 8. 重要な基本的注意 8.1
3)レケンビ点滴静注200mg・500mg適正使用ガイド IV.レケンビの使い方 p8 (DI-J‐948)
4)van Dyck CH, et al.: N Engl J Med 2023; 388(1): 9-21 [LEQ-0002]
5)レケンビ点滴静注200㎎・500㎎適正使用ガイド V.アミロイド関連画像異常(ARIA)とその対策   p19 (DI-J‐948)
6)レケンビ点滴静注200mg・500mg電子添文2024年6月改訂(第3版) 11. 副作用 11.1 重大な副作用 11.1.2 アミロイド関連画像異常(ARIA)
 
【更新年月】
2024年9月