電子添文には末梢神経障害の副作用(疾患共通)について以下の記載があります。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.1.3 末梢神経障害(末梢性ニューロパチー)(28.0%)(引用1)
観察を十分に行い、しびれ等の症状が認められた場合には、減量や休薬等の適切な処置を行うこと。
<悪性軟部腫瘍>
悪性軟部腫瘍の適正使用ガイドには以下の記載があります。(引用2)
●ハラヴェンの特徴
末梢神経障害が発現または悪化することがあります。
初回発現時期の中央値は、ハラヴェン投与後約25週でした。
●末梢神経障害が発現した場合
ハラヴェン使用後、患者の末梢神経障害の症状についてGrade1、2の段階から注意してください。
特にGrade 3の末梢神経障害が発現した場合は、休薬や延期、回復状況によっては減量や中止等の投与処置を考慮してください。
発現状況、発現時期及び転帰は以下の通りです。
■発現状況
国内第II相試験、外国第II、III相試験において、末梢神経障害が下表の通り認められました。また、重篤と判断されたのは、外国第II、III相試験における末梢性感覚ニューロパチー及び末梢性運動ニューロパチーの2例でした。
なお、投与前の末梢神経障害(合併症)の発現状況により、末梢神経障害が発現しやすくなったり、より高いGradeのものが発現するという傾向はみられませんでした。
■発現時期
末梢神経障害の初回発現時期の中央値(95%信頼区間)は、国内第II相試験(217試験)では26.9(14.3,43.4)週、外国第II、III相試験(207、309試験)では24.9(19.3,41.3)週でした。
■転帰
国内第II相試験(217試験)において、末梢神経障害を発現した17例のうち、Grade3以上の末梢神経障害は認められませんでした。また、末梢神経障害によって使用を中止された例はありませんでした。
外国第II、III相試験(207、309試験)において、末梢神経障害を発現した105例のうち、Grade1、2は91例で、末梢神経障害によって使用を中止された例はありませんでした。一方、Grade3、4は14例で、末梢神経障害によって使用を中止された症例は2例であり、転帰は回復及び未回復でした。
【引用】
1)ハラヴェン静注1mg電子添文2022年1月改訂(第1版) 11. 副作用 11.1 重大な副作用 11.1.3 末梢神経障害(末梢性ニューロパチー)
2)【悪性軟部腫瘍】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド III重大な副作用とその対策 3.末梢神経障害(末梢性ニューロパチー) p20-21(DI-J-779)
【更新年月】
2024年9月