[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 114 解熱鎮痛消炎剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。【ロキソプロフェンの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
併用する時は、血液凝固能検査値の変動に注意すること。
ロキソプロフェンによる消化管出血を助長する可能性にも留意すること。
[相互作用の機序]
ロキソプロフェンの血小板凝集抑制作用による。
ロキソプロフェンの副作用である消化管潰瘍・出血による出血傾向を助長する。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
(症例1)82才男性。関節リウマチに対しロキソプロフェンを内服中、症状増悪を来たし入院した。この際、左下肢静脈血栓症疑いにてワルファリン2mg/日投与が開始された。その数日後、タール便、血圧低下にて救急受診となった。INRは2.59で、内視鏡にて多発性胃潰瘍、十二指腸潰瘍を認めた。
(症例2)52才男性。うっ血性心不全、虚血性心疾患、糖尿病、高血圧症、高脂血症で循環器科に入院、ワルファリンとアスピリンの処方にて退院となった。退院5日目、低血糖によると思われる意識消失を来たし転倒、後頭部打撲にて救急受診となった。後頭部痛に対しロキソプロフェンを処方し帰宅となったが、翌日、後頸部痛と右手のしびれ、脱力を来たし、再度救急受診となった。四肢麻痺の進行を認め、INRは7.29であった。MRIにて硬膜外血腫を認め、脊髄損傷を起こしていた。
【参考文献】 [文献請求番号]
1)龍瀧 憲治: 医薬ジャーナル, 41, 1819(2005) WF-2116