ワルファリンは主として肝細胞の粗面小胞体中に存在するチトクローム P450酵素(CYP)系により酸化され不活性な水酸化化合物に代謝される。代謝パターンには種差がある。
日本で市販されている経口用ワルファリン錠剤は一対の光学異性体(S-ワルファリン、R-ワルファリン)のラセミ体(1:1の混合物)である。
Kaminskyら7)が、ワルファリンの光学異性体の代謝に関係するCYP分子種について検討した。S-ワルファリンはほぼCYP2C9のみで代謝されるが、R-ワルファリンはCYP3A4、CYP1A2など複数の酵素で代謝されると報告している。
【参考文献】 [文献請求番号]
7)Kaminsky LS et al.: Pharmacol. Ther., 73, 67(1997) WF-1010
【更新年月】
2021年1月