電子添文上、呼吸機能障害を有する患者に関しては以下のように記載されています。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者(引用1)
9.1.3 中等度及び重度の呼吸機能障害を有する患者 (閉塞性睡眠時無呼吸 および慢性閉塞性肺疾患患者を除く)
これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。
9.1.4 中等度及び重度の閉塞性睡眠時無呼吸および慢性閉塞性肺疾患患者
長期投与におけるこれらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。
17. 臨床成績
17.1.2 臨床薬理試験
(3) 呼吸機能への影響(102試験)(引用2)
健康成人及び健康高齢者に本剤10又は 25mg注) を投与したとき、睡眠時 SpO2に対する影響はプラセボと同程度であった。軽度閉塞性睡眠時無呼吸患者に本剤10mgを単回及び反復投与したとき、無呼吸低呼吸指数はプラセボと同程度であった。(外国人データ)(引用3)
注)本剤の承認最大用量は10mgである。
6. 用法及び用量(引用4)
通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。
17.3 その他
17.3.1 呼吸機能への影響(米国製造販売後臨床試験)(引用5)
中等度から重度の閉塞性睡眠時無呼吸患者 33例を対象に本剤 10mgを 8日間連続投与したとき、 8日目における夜間睡眠時の無呼吸低呼吸指数はプラセボと比較して同程度であった。(引用6)
また、中等度から重度 (1秒率 ( 70%かつ 30%≦対標準 1秒量 (% 80%)の慢性閉塞性肺疾患患者 30例を対象に本剤 10mgを 8日間連続投与したとき、プラセボと比較して 8日目における睡眠中のSpO2低下は認められなかった。(外国人データ)
【関連情報】
インタビューフォームには呼吸機能に及ぼす影響について、以下の記載があります。
呼吸機能に及ぼす影響(健康成人、健康高齢者、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)※1 患者)[外国102 試験](外国人データ)(引用7)
※1:承認効能又は効果は「不眠症」である。
※2:総睡眠時間(TST)中における1 時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数
※3: 承認用法及び用量は「通常、成人にはレンボレキサントとして1 日1 回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1 日1 回10mgを超えないこととする。」である。
※4:C‒SSRS:Columbia‒Suicide Severity Rating Scale(コロンビア自殺評価スケール)
薬力学評価項目:
健康成人及び健康高齢者を対象に、レンボレキサント10mg、25mg注)を単回投与し、TST中の平均SpO2 を検討した結果、いずれの用量群においてもプラセボ群と比較して有意差は認められなかった。AHIについても、プラセボ群と比較して有意差は認められなかった。
軽度閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者(成人及び高齢者)を対象に、レンボレキサント10mgを8日間反復投与し、AHIを検討した結果、プラセボ群と比較して有意差は認められなかった。TST中の平均SpO2 についても、プラセボ群と比較して有意差は認められなかった。
注)本剤の承認最大用量は10mgである。
6. 用法及び用量(引用4)
通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。
安全性評価項目:
<健康被験者コホート>
副作用発現率は、レンボレキサント25mg群の11.8%(2/17 例)であり、プラセボ群、レンボレキサント10mg群では認められなかった。
有害事象は、プラセボ群ではアレルギー性鼻炎6.3%(1/16 例)、レンボレキサント10mg群では傾眠が6.3%(1/16 例)、25mg群では光視症、季節性アレルギー、関節痛、筋力低下、浮動性めまい、傾眠がそれぞれ5.9%(1/17 例)であった。
<OSA患者コホート>
副作用発現率は、プラセボ群2.6%(1/38 例)、レンボレキサント10mg群5.3%(2/38 例)であった。
有害事象は、プラセボ群では上腹部痛、上咽頭炎、浮動性めまい、頭痛、高血圧がそれぞれ2.6%(1/38 例)、レンボレキサント10mg群では傾眠5.3%(2/38 例)、痔核、無力症、腟感染、筋肉痛、子宮内膜症がそれぞれ2.6%(1/38 例)であった。
いずれのコホートにおいても、試験期間中、重篤な有害事象、死亡例、投与中止に至った有害事象はなかった。(引用3)
【引用】
1)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 9. 特定の背景を有する患者 9.1 合併症・既往歴等のある患者 9.1.3、9.1.4
2)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 17. 臨床成績17.1.2 臨床薬理試験 (3) 呼吸機能への影響(102試験)
3)Cheng J. Y. et al.:J. Sleep Res., 2020;29(4) [DVG-0083]
〔利益相反:本論文の著者のうち5名は、エーザイ(株)の社員である。著者にエーザイ(株)より資金提供を受領している者が含まれる。〕
4)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 6. 用法及び用量
5)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年2月改訂(第2版) 17. 臨床成績 17.3 その他 17.3.1 呼吸機能への影響
6)Cheng J. Y. et al.:J Clin Sleep Med. 2024 ;20(1):57-65. [DVG-0258]
〔利益相反:本研究は、エーザイ(株)より資金提供により実施している〕
7) デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mgインタビューフォーム2024年2月改訂(第9版) V.治療に関する項目 5.臨床成績 (2)臨床薬理試験
【更新年月】
2024年5月