• No : 1502
  • 公開日時 : 2017/10/16 00:00
  • 更新日時 : 2019/04/26 18:04
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【ワーファリン】 Ⅷ‐31.2.逆転写酵素阻害剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐31.2.逆転写酵素阻害剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 625 抗ウイルス剤〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を増強する可能性がある。【デラビルジンの添付文書に併用注意の記載がある】

 

[併用時の注意]

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。

 

[相互作用の機序]

デラビルジンが本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A、CYP2C9)を阻害する。


[相互作用の事例]

文献的報告はない。

 

 

 

 

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 625 抗ウイルス剤〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を減弱したとの報告がある。【ネビラピンの添付文書に併用注意の記載がある】


[併用時の注意]

十分な情報で評価が確立するまで、一応の注意が必要である。

併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、本剤の用量調節を行うこと。

 

[相互作用の機序]

ネビラピンが本剤の薬物代謝酵素を誘導する。

 

[相互作用の事例]

<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用減弱】

(症例1)38才男性。原発性肺高血圧症でワルファリン2.5mg/日を2年投与中。抗HIV薬はジドブジン、ジアノシンを投与中で、プロトロンビン時間比35~38%、INR2.1~2.4であった。抗HIV薬をスタブジン、ラミブジン、ネビラピンに変更した所、INR1.3、プロトロンビン時間比は55%となった。ワルファリンを5mg/日に増量して、INRは2.0、プロトロンビン時間比は37%となった。ネビラピンをサキナビルに変更した所、ワルファリン必要量は2.5mg/日となった。


(症例2)28才男性。ジドブジン、ラミブジン、ネビラピン投与中に、深部静脈血栓症を発症。ヘパリン静注後、ワルファリン投与としたが、17mg/日まで増量してもプロトロンビン時間比は65%以下にならなかった。ネビラピンのみを中止した所、プロトロンビン時間比、INRを治療域に保つのに必要なワルファリン量は5mg/日となった。ネビラピンを再開すると、ワルファリン必要量は12mg/日となった。


(症例3)39才男性。ジドブジン、ラミブジン、ネビラピン、リファンピシン投与中に、深部静脈血栓症によりワルファリン療法を開始した。リファンピシンを中止し、ワルファリンを12.5mg/日まで増量したにも関らず、プロトロンビン時間比83%、INR1.18であった。ネビラピンのみ中止した所、ワルファリン7.5mg/日でプロトロンビン時間比26%、INR3.47となった。(海外)

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)Dionisio D et al.: AIDS,     15,    277(2001)    WF-1660

【図表あり】