[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 218 高脂血症用剤〕
[相互作用の内容]
本剤との相互作用はないと考えられる。
[併用時の注意]
相互作用は生じないか、または生じたとしても臨床上問題にならない程度と思われる。特に注意する必要はないと思われる。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>1)【ワルファリンの作用増強】
安定したワルファリン療法施行中の12例にアトルバスタチン80mg/日を15日間投与した。アトルバスタチン併用開始3~5日目、併用開始前に比しわずかだが統計学的に有意なプロトロンビン時間の短縮が認められたが、臨床的に重要とは思われないものであった。この3日間以外は、併用終了後も含め、プロトロンビン時間にアトルバスタチン投与前からの有意な変動は認められなかった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Stern R et al.: J. Clin. Pharmacol., 37, 1062(1997) WF-1306
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 218 高脂血症用剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する。【シンバスタチンの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
併用開始時および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>1)【ワルファリンの作用増強】
プラバスタチンからシンバスタチンへの処方変更検討の中で、安定したワルファリン療法を施行中の患者は71例であった。内41例が、シンバスタチンへの変更前後のINRが判明しており、除外規定にも該当せず、解析の対象となった。INRはプラバスタチン投与期の平均2.42から、シンバスタチンへの変更後には平均2.74へと有意に上昇した。また、INR>3.0の症例数はプラバスタチン投与期の6例からシンバスタチン投与期には16例に増加した。ワルファリン投与量の中央値には、プラバスタチン期とシンバスタチン期に差はないが、シンバスタチンへの変更後にワルファリンを7例で減量、4例では増量した。(海外)
<症例報告事例>2)【相互作用なし】
59才女性。ワルファリン2mgと3mgを交互に服用しており、INRは2.5~3.5であった。家族性高脂血症3型と診断され、シンバスタチンを夜10mg投与から開始した。3週後、シンバスタチンを20mgに増量し、シンバスタチン開始から20週後まで、INRをモニターした。INRは観察期間を通じて安定していた。(海外)
<症例報告事例>3)
【ワルファリンの作用増強、ワルファリンによるシンバスタチンの副作用増強】
82才男性。高血圧、大動脈狭窄、心不全、高コレステロール血症があり、シンバスタチン 20 mg/日、フロセミド、ジゴキシン、KCl製剤が投与され、18ヵ月間安定していた。深部静脈血栓症に対してワルファリン 5 mg/日が追加された7日後、両下肢の筋肉痛と衰弱を訴えて入院した。理学的検査の結果、心雑音と両下肢の圧痛と衰弱を認めた。臨床検査の結果、血清クレアチニン、カリウム、CPKの上昇を認めた。また、INRも4.3と高値であった。薬剤性の横紋筋融解症と診断し、シンバスタチンを中止した。高カリウム血症、横紋筋融解に伴う腎不全の治療を行った。入院5日後に患者は完全に回復し、INRも治療域に復した。(海外)
<臨床研究報告>4)【ワルファリンの作用増強】
目標INR2.0~3.0でワルファリンを投与中にシンバスタチンの併用を開始した29例において、平均INRはシンバスタチン併用前の2.50から併用開始後は3.15と、27%の有意な上昇を示した。一方、平均ワルファリン必要量は、併用開始前の4.2mg/日から、併用開始後には3.8mg/日へと有意に減少した。(海外)
<臨床研究報告>5)【ワルファリンの作用増強】
冠動脈疾患のハイリスク患者にシンバスタチン40mg/日(206例)、20mg/日(208例)、プラセボ(207例)を29~50ヵ月(中央値176週)投与した。この中でワルファリン投与中の患者は23例であった。シンバスタチン40mg/日または20mg/日の開始により、INRはそれまでの平均2.6から平均3.4へと上昇した。プラセボ群のINRは試験開始前平均2.6、試験開始後平均2.4であり、シンバスタチン群とプラセボ群の間に有意差が認められた。しかし、シンバスタチン投与によるワルファリン用量の変更の必要性や、抗凝固効果コントロール不良などの問題は認められなかった。(海外)
<臨床研究報告>6)【相互作用なし】
一次性高コレステロール血症患者21例に血清総コレステロール値が6.5mmol/L未満となるまで、シンバスタチン10~40mgを12週投与した。シンバスタチン投与前後の血清中の遊離ワルファリン濃度比率には、有意な変化はなかった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Lin JC et al.: J. Clin. Pharmacol., 39, 86(1999) WF-1161
2)Gaw A et al.:Lancet, 340, 979(1992) WF-0672
3)Mogyorosi A et al.: J. Intern. Med., 246, 599(1999) WF-1239
4)Hickmott H et al.: Thromb. Haemost., 89, 949(2003) WF-1669
5)Keech A et al.: Eur. Heart J., 15, 255(1994) WF-2092
6)Feely J et al.: Drug Invest., 3, 315(1991) WF-0671
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 218 高脂血症用剤〕
[相互作用の内容]
本剤との相互作用はないと考えられる。
[併用時の注意]
相互作用は生じないか、または生じたとしても臨床上問題にならない程度と思われる。特別警戒する必要はないと思われる。
[相互作用の事例]
<臨床研究報告>1)【相互作用なし】
一次性高コレステロール血症患者13例に血清総コレステロール値が6.5mmol/L未満となるまで、プラバスタチン20~40mgを12週投与した。プラバスタチン投与前後の血清中の遊離ワルファリン濃度比率には、有意な変化はなかった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Feely J et al.: Drug Invest., 3, 315(1991) WF-0671
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 218 高脂血症用剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する。【フルバスタチンの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
併用開始時、および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]
不明。
フルバスタチンによるワルファリン代謝酵素(CYP2C9)阻害の可能性がある。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
(症例1)68才男性。ワルファリン70mg/週投与で安定した効果を得ていた。フルバスタチン20mg/日投与が開始された6週後、INRは4.8に上昇した。ワルファリンを60mg/週に減量してINRは2.9となった。3ヵ月後、再度INRが3.81まで上昇した。フルバスタチンを40mg/日に増量されていたことが判明し、ワルファリンを52.5mg/週に減量してINRは2.2となった。
(症例2、3)ワルファリン21mg/週投与中の61才男性と35mg/週投与中の71才男性では、併用する高脂血症用薬をロバスタチン(本邦販売なし)からフルバスタチンに変更したところ、それまで安定していたINRが上昇し、ワルファリンを減量した。(海外)
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
一定量のワルファリン投与で安定した抗凝固効果を得ていた3例にフルバスタチン20mg/日の投与を開始したところ、1~2週後にINRが治療域を逸脱して上昇した。ワルファリンを減量して対処した。2例ではフルバスタチンを中止したが、その後、ワルファリン必要量はフルバスタチン投与開始前の用量となった。(海外)
<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】
67才男性。ワルファリン4mg/日、アトルバスタチン20mg/日を服用中で、INRは2.0~3.0に維持されていた。アトルバスタチンをフルバスタチン徐放製剤80mg/日に変更した。5週後、INRは3.3と、治療域をわずかに超えたが、ワルファリン、フルバスタチンとも用量変更はせずに継続とした。フルバスタチン開始9週後、INRが6.6へと上昇していたが、出血性のエピソードはなかった。ワルファリンを4日間休薬し、その後3mg/日で再開した。ワルファリン再開10日後、INRは1.9で、ワルファリンを水曜日のみ4.5mg投与とした。その1週後、フルバスタチンをアトルバスタチンに変更したところ、INRは低下し始め、ワルファリンの増量(水曜と日曜に4.5mg投与)を要した。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Trilli LE et al.: Ann. Pharmacother., 30, 1399(1996) WF-1143
2)Kline SS et al.: Ann. Pharmacother., 31, 790(1997) WF-1351
3)Andrus MR: Pharmacotherapy, 24, 285(2004) WF-1704
[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 218 高脂血症用剤〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。【ロスバスタチンの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
併用開始時、および併用中止時は、血液凝固能検査値の変動に注意し、必要に応じて本剤の用量調節を行うこと。
[相互作用の機序]
不明。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用増強】
74才女性。ワルファリン長期投与中の症例であったが、ロスバスタチン投与開始4週後に挫傷、血尿、めまいが現れた。ロスバスタチン開始前は2.0で安定していたINRは、8.0に上昇していた。ワルファリン休薬、新鮮凍結血漿2単位とビタミンK10mgの投与で対処した。(海外)
<臨床研究報告>2)【ワルファリンの作用増強】
(試験A)健康成人18名にロスバスタチン40mg/日またはプラセボを10日間投与し、第7日にワルファリン25mgを単回経口投与した。ワルファリンの体内動態には、ロスバスタチンの影響はなかった。一方、INR-時間曲線下面積0-t、INR最大値はロスバスタチン併用により各々10%の有意な増大、19%の有意な上昇を示した。ロスバスタチンの体内動態はワルファリンの影響を受けなかった。
(試験B)目標INR2~3で安定した長期ワルファリン療法施行中の7例に、ロスバスタチン10mg/日を14日間投与した。この期間中に2例でINRが4を超え(併用4日目と12日目)、試験を打ち切った。残る5例はロスバスタチン10mg/日投与中もINRは2~3であったので、引き続きロスバスタチン80mg/日を14日間併用した。併用期間中に5例中4例でINRが4を超え(ロスバスタチン併用開始23~25日目)、試験を打ち切った。出血事故発生はなく、INRはロスバスタチン中止2~5日後に治療域の2~3へと戻った。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Barry M: Lancet, 363, 328(2004) WF-1663
2)Simonson SG et al.: J. Clin. Pharmacol., 45, 927(2005) WF-2158