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  • 公開日時 : 2017/10/13 00:00
  • 更新日時 : 2019/04/26 13:14
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【ワーファリン】 Ⅷ‐6.強心剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)

【ワーファリン】  Ⅷ‐6.強心剤との相互作用(適正使用情報別冊(Ⅷ 相互作用各論) 第3版 2019年3月更新第9版)
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回答


[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 211 強心剤〕


[相互作用の内容]

本剤との相互作用はないと考えられる。

 

[相互作用の事例]

<基礎研究報告>1)【相互作用なし】

(研究1)ラットにワルファリン1.2mg/kgを単独またはジゴキシン50μg/kg併用にて単回静注した。ワルファリンの体内動態には、ジゴキシンによる有意な変動は認められなかった。


(研究2)ラットにワルファリンを第1日は0.6mg/kg、第3日と第5日は0.3mg/kg経口投与した。第1日から第5日にジゴキシン50μg/kgを経口投与で併用した時のワルファリンの体内動態には、ワルファリン単独投与時と有意な差は認められなかった。


(研究3)研究(1)、(2)におけるプロトロンビン複合体活性の経時的変化を検討した。研究(1)ではワルファリン投与48時間後以降、研究(2)では最終投薬後の全測定ポイントで、ジゴキシン併用群のプロトロンビン複合体活性は、ワルファリン単独群に比し有意に高かった。


(研究4)研究(1)、(2)におけるワルファリン(最終)投薬3時間後、8時間後の肝内ワルファリン濃度は、ジゴキシン併用群でワルファリン単独群に比し15~22%の有意な低下を示した。


(研究5)研究(1)、(2)における腎血漿流量はジゴキシンの併用により有意に増加し、糸球体濾過値はジゴキシン併用により増加する傾向を示した。


(研究6)In vitroでジゴキシンは、ワルファリンのラット血漿蛋白、ウシ血清アルブミンへの結合に対し影響しなかった。


 
【参考文献】    [文献請求番号]
1)Ogiso T et al.: J. Pharmacobio-Dyn.,    7    186(1984)    WF-1755

 

 

 

 

[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]

〔薬効分類 211 強心剤〕


[相互作用の内容]

本剤の作用を減弱したとの報告がある。

但しコントロールされた臨床研究では否定的である。


[併用時の注意]

十分な情報で評価が確立するまで、一応の注意が必要である。

 

[相互作用の機序]

不明。

 

[相互作用の事例]

<症例報告事例>1)【ワルファリンの作用減弱】

血栓塞栓症既往にてワルファリンを服用中の患者3例がユビデカレノンの服用を開始したところ、いずれの症例もINRが低下した。ユビデカレノンの中止により元の治療域に回復した。(海外)

 

<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】

49才女性。血栓性静脈炎に対しワルファリン4mg/日投与を開始し、INRは1.7~3.1であった。ユビデカレノン30mg/日を追加投与したところ、INRは一過性に上昇を来たし、その後以前の値に戻った。

 

<臨床研究報告>3)【相互作用なし】

安定した長期ワルファリン療法施行中の患者24例に、二重盲検クロスオーバー法にて、ユビデカレノン100mg/日、プラセボを4週間投与した。INRはワルファリンを至適用量に用量調整することにより2.0~4.0に維持した。INRはユビデカレノン併用期2.7±0.34、プラセボ併用期2.7±0.36であった。ワルファリン投与量の幾何平均値はユビデカレノン併用期36.5mg/週、プラセボ併用期36.0mg/週であった。(海外)

 

<基礎研究報告>4)【ワルファリンの作用減弱】

ラットにユビデカレノン10mg/kgまたは溶媒を8日間連続経口投与し、第4日にワルファリン1.5mg/kgを経口投与した(各群6匹)。ワルファリン投与96時間後までプロトロンビン時間と第Ⅶ因子活性を測定した。ユビデカレノンはそれ自体、凝固能に影響しなかった。プロトロンビン時間の最大値、第Ⅶ因子活性の最低値、プロトロンビン時間-時間曲線下面積0-96、第Ⅶ因子活性-時間曲線下面積0-96は、いずれもユビデカレノン群と溶媒群の間に有意差はなかった。一方、ワルファリンの最高血漿中濃度、AUC0-∞はユビデカレノンにより有意に低下し、4-水酸化体、6-水酸化体、7-水酸化体の血漿中濃度とAUC0-96は、ユビデカレノンにより有意に上昇した。

 

<基礎研究報告>5)【ワルファリンの作用減弱】

(研究1)In vitroで、ラット血清における遊離ワルファリン分画は、ユビデカレノンの影響を受けなかった。


(研究2)ラットにユビデカレノン10mg/kgまたは溶媒を8日間連続経口投与し、第4日にワルファリン1.5mg/kgを経口投与した。プロトロンビン複合体活性、第Ⅶ因子活性は、ワルファリン投与により溶媒群で各々正常値の38.4%、1.79%にまで低下したが、ユビデカレノン群は各々43.1%、2.46%までの低下に留まり、溶媒群より有意に高値を示した。プロトロンビン複合体活性-時間曲線下面積、第Ⅶ因子活性-時間曲線下面積には、溶媒群とユビデカレノン群の間に有意差はなかった。ワルファリンのS体、R体とも、最高血漿中濃度、同到達時間、吸収速度定数、吸収ラグタイム、みかけの分布容積には、ユビデカレノンの影響は認められず、血清総クリアランスはユビデカレノンにより有意に上昇した。AUC0-96、AUC0-∞、半減期は、S-ワルファリンではユビデカレノンの影響は認められなかったが、R-ワルファリンではいずれも有意な減少(短縮)を示した。ワルファリンの尿中排泄の検討では、ユビデカレノンによりR体の総尿中回収率が増加したが、S体には変化は認められなかった。

 

 

【参考文献】    [文献請求番号]
1)Spigset O: Lancet,    344,    1372(1994)    WF-0884
2)Nagao T et al.: Lancet,    346,    1104(1995)    WF-0946
3)Engelsen J et al.: Thromb. Haemost.,    87,    1075(2002)    WF-1774
4)Zhou Q et al.: J. Pharmacol. Toxicol. Mehtods,    40,    191(1998)    WF-1781
5)Zhou S et al.: Drug Metab. Drug Interact.,    18,    99(2001)    WF-1773

【図表あり】