• No : 1388
  • 公開日時 : 2017/10/12 00:00
  • 更新日時 : 2023/11/07 18:52
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【ワーファリン】 III‐1.3.ワルファリン療法への導入期(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)

【ワーファリン】 
 
III‐1.3.ワルファリン療法への導入期(適正使用情報 改訂版〔本編〕 2020年2月発行)
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回答

ワルファリン療法への導入には、初めから常用量に近い投与量を数日続け、血液凝固能をみながら維持投与量を決定するDaily dose法、1日投与量1mgから開始する外来導入の方法などがある。(ワルファリン療法導入時における大量負荷投与(loading dose法)は、急激な凝固能の低下による出血の危険などがあり、現在では薦められない。2011年12月に用法・用量の一部変更で、成人の初回投与量は通常1~5mgとなった。)

また、緊急に凝固能を下げる必要のある場合には、ヘパリンを併用してワルファリンの効果発現の遅れをカバーする。さらに、導入期には入院にて管理することが多いので、この時期に患者の日常生活における注意事項を教育することもできる。

維持量が決まっても、月1~2回は血液凝固能検査を実施し、目標治療域に入っていることを確認し、必要に応じて投与量の調節を行う。

 

1)Daily dose法

ワルファリン療法の導入は、入院管理下のDaily dose法が基本となる。

初日より1日量5mg程度を毎日1回投与し、プロトロンビン時間またはトロンボテストを毎日測定して、数日~1週間をかけて維持量へ移行する。最近では2~3mg程度から導入する場合も少なくない。ただ、治療域に到達するまでに日数を要することを認識しておく。

中村ら2)は、3mgから導入した場合に投与後11日目で治療域に達したと報告している。

 

2)外来導入法3,4)

ワルファリン療法は入院による導入が安全である。入院できない場合や比較的ゆるやかに導入する場合は、外来で1日量1mgから導入し週1回血液凝固能検査を行い、過量投与による出血性合併症に注意しつつ0.5~1mgずつ増減し、治療域に到達させる。1ヵ月以上の長期間を要する場合があることを考慮しておく。


 
【参考文献】    [文献請求番号]
2)中村 和男ら: 病院薬学,    19,    34(1993)    WF-0781
3)岩出 和徳ら: 検査と技術,    33,    731(2005)    WF-2272
4)小野 歩ら: 日本医事新報,    4252,    14(2005)    WF-2184

 

【更新年月】

2021年1月

KW:採決、測定、採血タイミング、採血頻度、測定タイミング、測定頻度