●総合製品情報概要には、臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、332試験)の臨床成績に関して以下の記載があります。(引用1)
◆臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、332試験)の臨床成績
~強直間代発作を有するてんかん患者を対象とした併用試験~
(承認時評価資料:臨床第III相試験(日本を含む国際共同試験、332試験)強直間代発作を有するてんかん患者を対象とした併用試験 FYC-0020)
■試験概要
●目的
強直間代発作患者に対する併用療法として、ペランパネル(8mg)の有効性及び安全性を評価すること。
●対象
12歳以上の強直間代発作患者(164例)
[ペランパネル群81例(日本人患者6例)、プラセボ群81例(日本人患者5例)]
参加国:オーストラリア、オーストリア、中国、チェコ、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、インド、イスラ
エル、日本、ラトビア、リトアニア、オランダ、ポーランド、セルビア、韓国、タイ、米国
参加施設数:163施設 実施期間:2011年7月~2015年3月(継続投与期のデータカットオフ日)
●試験デザイン
評価項目(主なもの)
有効性評価項目
主要評価項目(検証的評価項目)
・観察期からの治療期における28日間あたりの強直間代発作 発作頻度変化率(EU以外の地域)
主要評価項目
・観察期からの治療維持期(LOCF*)における28日間あたり強直間代発作 発作頻度50%減少達成率(EU)
副次評価項目
・観察期からの治療維持期(LOCF)における28日間あたり強直間代発作 発作頻度50%減少達成率(EU 以外の地域)
・観察期からの治療期における28日間あたりの強直間代発作 発作頻度変化率(EU)
[有効性]
■観察期からの治療期における28日間あたりの強直間代発作発作頻度変化率
(FAS)(EU以外の地域:主要評価項目<検証的評価項目>)
治療期における28日間あたりの発作頻度の観察期からの強直間代発作 発作頻度変化率の中央値は、プラセボ群−38.38%、ペランパネル群−76.47%であり、ペランパネル群はプラセボ群に対する有意差を示し、優越性が検証されました(p<0.0001;rank ANCOVAa)。また、ペランパネル群におけるプラセボ群との中央値の差bは−30.81%でした。
a:順位変換後の治療期における28日間あたりの発作頻度変化率を応答変数、治療及び地域(日本、中国、韓国、
その他)を因子、順位変換後の観察期における28日間あたりの発作頻度を共変量とした共分散分析
b:Hodges-Lehmann法に基づき算出
[安全性]
■主な副作用(ペランパネル群における発現率2%以上のPT、安全性解析対象例)
副作用*は、プラセボ群45.1%(37/82例)、ペランパネル群69.1%(56/81例)で認められました。
ペランパネル群(81例)の主な副作用は、浮動性めまい24例(29.6%)、疲労9例(11.1%)、易刺激性、傾眠7例(8.6%)、回転性めまい6例(7.4%)、悪心、体重増加5例(6.2%)でした。
*治験薬との因果関係が否定できない有害事象。副作用基本語(PT)別の副作用例数には、一人の被験者が複数の副作用を発現した場合の重複した数が含まれています。
■死亡に至った有害事象(安全性解析対象例)
本試験において、死亡例は2例(プラセボ群1例、8mg群1例)報告されました。8mg群の1例は溺死であり、プラセボ群の1例は死因が特定できず、てんかん患者における予測できない突然死とされました。いずれの死亡も治験薬との因果関係は否定されました。
■重篤な副作用・投薬中止に至った副作用(安全性解析対象例)重篤な副作用は163例中4例(2.5%)に認められました。ペランパネル群で認められた重篤な副作用は81例中3例(3.7%)であり、大発作痙攣が2例(2.5%)、てんかん重積状態、自傷企図、自殺念慮が各1例(1.2%)でした。
投与中止に至った副作用は163例中9例(5.5%)に認められました。ペランパネル群で認められた投与中止に至った副作用は81例中6例(7.4%)であり、異常行動、嘔吐、攻撃性、てんかん重積状態、易刺激性、自殺企図、自殺念慮が各1例(1.2%)でした。
【引用】
1)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%・点滴静注用2㎎ 総合製品情報概要 臨床成績 臨床第Ⅲ相試験(日本を含む国際共同試験、332試験)の臨床成績 p57(FYC1001KSG)
【更新年月】
2024年10月