1TTR (time in therapeutic range)とINR変動性(INR Variability)は、それぞれ独立した重要な指標と考えられ、TTRのみならずINR変動性も考慮すべきである。TTRは治療域内に維持されている程度を把握する指標であり、INR変動性はINRが安定しているか、不安定なのか、その変動の状況を把握する指標である。TTR良好とされる集団であってもINRの変動が大きければコントロール不良あるいはイベントの増加につながることが報告されている1)。近年コントロールの評価にTTRのみが強調されている状況には注意が必要であり、INR変動性も考慮することが重要である。
1. コントロールは定期的かつ適切なモニタリングを行うことが前提である。
2. 定期的な月1回程度のモニタリングを大前提としてTTRを参考する。
3.TTRは少なくとも2点あれば算出可能であり、あくまで推定値である。
4.TTRは臨床試験のコントロール状況の目安として考えられた。
5.TTRは一面を見ているだけで、あくまで目安のひとつ。
6.コントロールでINRの変動の幅を小さくすることは重要である。
【参考文献】 [文献請求番号]
1)Labaf,A. et al.: Thromb.Res., 136, 1211(2015) WF-4325
【更新年月】
2021年1月