Child-PughB以上の肝機能障害を有する肝細胞患者様への投与は推奨できません。投与を検討される場合は、以下の情報をご参照ください。
〈投与の可否〉
肝細胞癌の国際共同第Ⅲ相試験(304 試験、REFLECT 試験)ではChild-Pugh分類A(スコア5~6:軽度の肝機能障害)の肝細胞癌患者様を対象としておりました(引用1,2)ので、Child-Pugh分類B以上の肝機能障害を有する肝細胞癌患者様への投与は推奨できません。
〈投与量〉
国際共同第Ⅰ/Ⅱ相試験(202 試験:第Ⅰ相パート)において、Child-Pugh分類B(スコア7~8:中等度の肝機能障害)の肝細胞癌患者様に対する最大耐用量(MTD)は1 日1 回8mg であることが確認されていますが、これは6 例1 サイクル(28 日)の検討による結果であり、体重別の検討もされておりません。また第Ⅱ、Ⅲ相試験での有効性及び安全性も検証できておりません。(引用3,4)
Child-Pugh分類Bの肝細胞癌患者様に対しては減量を考慮するとともに、患者様の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意してください。
〈注意すべきこと〉
202 試験の第Ⅰ相パートにおいて、Child-Pugh分類B(スコア7~8) の8 ㎎投与群6例ではDLTは認められませんでしたが、12 ㎎投与群の5 例中2 例にDLT(肝性脳症1 例、別の1 例ではAST 増加、高ビリルビン血症、クレアニン増加)が認められました。(引用5) 肝性脳症や肝不全等の副作用発現にはご注意下さい。
※DLT(用量制限毒性)
【引用】
1) 社内資料(承認時評価資料) : 切除不能な肝細胞癌患者を対象とした臨床第Ⅲ相試験(国際共同304試験:REFLECT [LEN-0168]
2) Kudo M, et al.: Lancet 2018; 391(10126):1163-1173 [LEN-0172]
3) 社内資料(承認時評価資料) : 切除不能な肝細胞癌患者を対象とした臨床第Ⅱ相試験(国際共同202試験) [LEN-0175]
4) Ikeda K, et al.: J Gastroenterol 2017; 52(4): 512-519 [LEN-0106]
5) 【肝細胞癌】適正にご使用いただくためのガイドブックⅠ 投与に際しての注意事項 2. 用法・用量p6-7(LEN1087CSG)
【更新年月】
2020年3月