電子添文には特定の背景を有する患者に関する注意について以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意(引用1)
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤留置後6 ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.4.2 男性には、本剤留置後3 ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。雄動物(ラット)に投与したときに授胎能の低下、胚死亡の増加が認められたとの報告がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、留置しないこと。
本剤の有効成分であるカルムスチンを妊娠動物(ウサギ、ラット)に投与したとき、胎児毒性や催奇形性が認められたとの報告がある。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。
動物実験(ラット)で14C標識カルムスチンを静脈内投与したとき、放射能の乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
小児を対象とした臨床試験は実施していない。
【関連情報】
インタビューフォームには重要な基本的注意の理由に関する解説として以下の記載があります。(引用2)
・生殖能を有する者
(解説)
「 医薬品の投与に関連する避妊の必要性等に関するガイダンスについて」(薬生薬審発 0216 第1 号/薬生安発0216 第1 号 令和5 年2 月16 日付)において、遺伝毒性のある医薬品の投与に関する妊娠可能な女性への避妊期間は、発育途上の卵胞への曝露を避ける予防的行動として、最終投与日からの血中の消失期間(半減期(T1/2)の5 倍の期間)に、さらに6ヵ月を加えた「5×T1/2+6ヵ月」が推奨されている。
本剤の脳内留置時のT1/2 に関する情報は得られていないが、上記ガイダンスを参考に、これまでに得られた下記の臨床試験及び非臨床試験の結果も考慮し、本剤を留置した妊娠可能な女性患者の避妊期間として、本剤の最終留置から6ヵ月間と設定した。
1)カルムスチン静脈投与時のT1/2 は22 分と短かった。
2)国内の患者では本剤留置後72 時間で血中カルムスチン濃度は定量限界値(2.0ng/mL)未満であった。
3)サルに静脈内投与したとき、カルムスチンの蓄積性は認められなかった。
4)カルムスチン含有ポリマーをラット及びウサギの脳内に埋植したとき、蓄積性は認められなかった。
男性への避妊期間の設定については、雄動物(ラット)に投与したときに授胎能の低下、胚死亡の増加が認められたとの報告があることから、本剤が脳内留置された生殖可能年齢の男性に避妊を行わせることが必要であると考えた。従って、精子形成期間(精祖細胞~精子)である9 週間に加え、本剤留置後の血中カルムスチン濃度が定量限界値(2.0ng/mL)未満になる最長期間である2 週間を合わせて、避妊期間を本剤留置後3ヵ月間とし、男性についても「バリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。」と記載した。
・妊婦
(解説)
カルムスチンのラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験において、胚致死作用及び催奇形性作用が認められていることから、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、留置しないこと。」とした。(引用3)
・授乳婦
(解説)
ラットを用いた乳汁移行性試験成績に基づき、授乳中の女性へ留置した場合は授乳を中止させるよう注意喚起することとした。
・小児等
(解説)
小児における使用経験はないことから、小児に対する本剤の安全性は確立していない。
【引用】
1)ギリアデル脳内留置用剤7.7mg 電子添文
2)ギリアデル脳内留置用剤7.7mg インタビューフォーム VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意
3) Thompson D.J., et al.: Toxicol. Appl. Pharmacol., 1974; 30(3): 422-439 [PMID: 4446036] [GLI-0040]