• No : 3374
  • 公開日時 : 2017/09/27 00:00
  • 更新日時 : 2020/09/14 16:30
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【メチコバール・錠・細粒】 薬理作用について教えてください。

回答

インタビューフォームには、以下の記載があります。(引用1)
 
1.神経細胞内小器官へよく移行し、核酸・蛋白の合成を促進
シアノコバラミンに比し、神経細胞内小器官への移行は良い(ラット)。また、脳由来細胞・脊髄神経細胞の実験系で、デオキシウリジンからチミジンへの合成系に関与し、貯蔵型葉酸の利用促進とともに核酸代謝にも関与し、コバマミドに比して核酸・蛋白の合成を促進する(ラット)。(引用2、3、4)
 
2.軸索内輸送、軸索再生の促進
ストレプトゾトシン投与による実験的糖尿病ラットの坐骨神経細胞で、軸索の骨格蛋白の輸送を正常化し、アドリアマイシン、アクリルアミド、ビンクリスチンによる薬物性神経障害(ラット、ウサギ)及び軸索変性モデルマウス、自然発症糖尿病ラットの神経障害に対して、神経病理学的、電気生理学的に変性神経の出現を抑制する。(引用5、6、7、8、9、10)
 
3.髄鞘形成(リン脂質合成)の促進
髄鞘の構成成分であるレシチンの合成を促進し、培養神経組織でコバマミドに比して神経線維の髄鞘形成率を高める(ラット)。(引用11、12)
 
4.シナプス伝達の遅延、神経伝達物質の減少を回復
挫滅した坐骨神経で、神経線維の興奮性を高めることにより、終板電位の誘発を早期に回復する(ラット)。また、コリン欠乏食ラットで低下した脳内アセチルコリン量を正常化する。(引用13、14)
 
 
【引用】
1)メチコバール錠250μg・500μg・細粒0.1% インタビューフォーム 2014年4月改訂(改訂第6版) VI. 薬効薬理に関する項目 2..薬理作用
2)稲田雅美ら:神経系とメチルB12,23(1981) [MBL‐0680]
3)中澤恒幸ら:ビタミン,42,193(1970) [MBL‐0044]
4)中澤恒幸ら:ビタミン,42,275(1970) [MBL‐0045]
5)竹中敏文ら:Prog.Med,2,1759(1982) [MBL‐0313]
6)大西晃生ら:臨床薬理,18, 387(1987) [MBL‐0571]
7)Watanabe,T.et al.:J.Neurol.Sci.,122,140(1994) [MBL‐0774]
8)斉藤豊和ら:神経系とメチルB12,75(1981) [MBL‐0542]
9)Yamazaki,K.et al.:Neurosci.Lett.,170,195(1994) [MBL‐0773]
10)八木橋操六ら:臨床薬理,19,437(1988) [MBL‐0624]
11)中澤恒幸ら:神経系とメチルB12,54(1981) [MBL‐0679]
12)米沢猛ら:神経系とメチルB12,49(1981) [MBL‐0544]
13)渋谷統寿:神経系とメチルB12,134(1981) [MBL‐0540]
14)Sasaki H.et al.:Pharmacol.Biochem.Behav.,43,635(1992) [MBL‐0775]
 

【更新年月】

2020年7月