• No : 333
  • 公開日時 : 2018/06/15 00:00
  • 更新日時 : 2024/07/26 13:49
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【フィコンパ錠・細粒】 薬物相互作用(併用禁忌・併用注意など)について教えてください。

【フィコンパ錠・細粒】
 
薬物相互作用(併用禁忌・併用注意など)について教えてください。
 
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回答

電子添文及びインタビューフォームには、併用禁忌は設定されていません。(引用1)
 
7.相互作用 
(1)併用禁忌とその理由
併用禁忌とその理由
設定されていない。
 
電子添文には、薬物相互作用に関して以下の記載があります。
10.相互作用(引用2)
本剤は主として薬物代謝酵素CYP3Aで代謝される。
10.2 併用注意(併用に注意すること) (引用3)

注:文中の番号は電子添文の各項目を示しています。
 
【関連情報】
電子添文には、薬物相互作用に関して以下の記載があります。
 
7.用法及び用量に関連する注意 (引用4)
7.2 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン)との併用により本剤の血中濃度が低下することがあるので、本剤の投与中にカルバマゼピン、フェニトインを投与開始又は投与中止する際には、慎重に症状を観察し、必要に応じて1日最高用量である12mgを超えない範囲で適切に用量の変更を行うこと。
 
8.重要な基本的注意(引用5)
8.4 本剤を増量した場合に易刺激性、攻撃性・敵意、不安等の精神症状、運動失調(ふらつき)等が多く認められ、特に本剤の代謝を促進する抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン)を併用しない患者では多く認められるため、患者の状態を慎重に観察すること。
 
16.薬物動態
16.7 薬物相互作用(引用6)
16.7.1 抗てんかん薬
(1)健康成人14例において、カルバマゼピン300mgを1日2回反復経口投与時にペランパネル2mgを単回経口投与したとき、単独投与時と比較してペランパネルのCmax、AUC(0-inf)及びt1/2はそれぞれ26%低下、67%減少及び56%短縮し、みかけのクリアランスは203%増加した(外国人データ)。(引用7)
(2)母集団薬物動態解析において、ペランパネルの定常状態の血漿中濃度に及ぼす他の抗てんかん薬の影響、及び他の抗てんかん薬の血漿中濃度に及ぼすペランパネルの影響について検討した。(引用8、9)
結果は次のとおりである。

 
16.7.2 ケトコナゾール
健康成人26名において、ケトコナゾール400mg/日を反復経口投与時にペランパネル1mgを単回経口投与したとき、単独投与時と比較してペランパネルのAUC(0-inf)は20%増加し、t1/2は15%延長した。Cmaxに影響は認められなかった(外国人データ)。(引用10)
 
16.7.3 ミダゾラム
健康成人35名において、ペランパネル6mg/日を反復経口投与時にミダゾラム4mgを単回経口投与したとき、単独投与時と比較してミダゾラムのCmaxは15%低下し、AUC(0-inf)は13%減少した(外国人データ)。(引用11)
 
16.7.4 経口避妊薬(エチニルエストラジオール30μg及びレボノルゲストレル150μg合剤)
健康成人女性28名において、ペランパネル8mg/日を反復経口投与時に経口避妊薬を単回投与したとき、単独投与時と比較してエチニルエストラジオール及びレボノルゲストレルのCmax及びAUC(0-24hr)に影響は認められなかった。ペランパネル12mg/日を反復経口投与時に経口避妊薬を単回投与したとき、単独投与時と比較してレボノルゲストレルのCmax及びAUC(0-24hr)がそれぞれ43%低下及び41%減少した。エチニルエストラジオールのCmaxの低下幅は20%未満であり、AUC(0-24hr)は影響を受けなかった。健康成人女性24名において、経口避妊薬を反復投与時にペランパネル6mgを単回経口投与したとき、単独投与時と比較してペランパネルのCmax及びAUC(0-72hr)に影響は認められなかった(外国人データ)。(引用12)
 
16.7.5 アルコール
健康成人35名において、ペランパネル4~12mg/日を単回経口投与時に、アルコールを単回経口投与したとき、アルコール単独投与時と比較して精神運動機能の低下が認められた。健康成人22名において、ペランパネル12mg日を反復経口投与時にアルコールを単回経口投与したとき、アルコール単独投与時と比較して精神運動機能は低下し、怒り、混乱及び抑うつは増悪した(外国人データ)。(引用13)
 
16.7.6 CYPの誘導及び阻害
ヒト肝ミクロソームにおいて、ペランパネルは30μmol/Lの濃度でCYP2C8及びUGT1A9に弱い阻害活性を示した。ヒト初代培養肝細胞系において、CYP2B6に対してペランパネルは30μmol/Lの濃度で、CYP3Aに対して3~30μmol/Lの濃度範囲で弱い誘導能を示した(in vitro)。(引用14)
 
(注)承認された本剤の1日投与量は2~12mgである。
 
 
 

【引用】
1)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%インタビューフォーム 2020年9月改訂(改訂第6版) VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 7.相互作用 (1)併用禁忌とその理由
2)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%電子添文 2024年2月改訂(第5版) 10.相互作用
3)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%電子添文 2024年2月改訂(第5版) 10.相互作用 10.2 併用注意(併用に注意すること)
4)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%電子添文 2024年2月改訂(第5版) 7.用法及び用量に関連する注意 7.2
5)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%電子添文 2024年2月改訂(第5版) 8.重要な基本的注意 8.4
6)フィコンパ錠2mg・4mg・細粒1%電子添文 2024年2月改訂(第5版) 16.薬物動態 16.7 薬物相互作用
7)社内資料:薬物相互作用試験(カルバマゼピン)CTD2.7.6.17[FYC-0012]
8)社内資料:プラセボ対照試験で日本人を含む部分発作又は強直間代発作を有するてんかん患者を対象とした母集団薬物動態解析CTD2.7.2.2.2.6.4[FYC-0010]
9)社内資料:プラセボ対照試験で部分発作を有するてんかん患者を対象とした母集団薬物動態解析CTD2.7.2.2.2.6.3[FYC-0013]
10)社内資料:薬物相互作用試験(ケトコナゾール)CTD2.7.6.16[FYC-0014]
11)社内資料:薬物相互作用試験(ミダゾラム)CTD2.7.6.18[FYC-0015]
12)社内資料:薬物相互作用試験(経口避妊薬)CTD2.7.6.20[FYC-0016]
13)社内資料:薬物相互作用試験(アルコール)CTD2.7.6.26[FYC-0017]
14)社内資料:ペランパネルのin vitro相互作用CTD2.6.4.5.3[FYC-0018]
 
【更新年月】
2024年7月

 
【図表あり】
KW:カルバマゼピン、フェニトイン、CYP3A誘導、リファンピシン、フェノバルビタール、セイヨウオトギリソウ、St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート、CYP3A阻害、イトラコナゾール、経口避妊薬、レボノルゲストレル、アルコール、飲酒