• No : 3290
  • 公開日時 : 2018/11/27 00:00
  • 更新日時 : 2019/03/22 11:19
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【ハラヴェン・手術不能又は再発乳癌】 重大な副作用「肝機能障害」について教えてください。

【ハラヴェン・手術不能又は再発乳癌】 

重大な副作用「肝機能障害」について教えてください。

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回答

目次

① まとめ

② 発現状況

③ 対処法

 

■ ①まとめ

● 肝機能障害があらわれることがあります。

● 外国臨床試験において、肝不全で1例、中毒性肝炎で1例、死亡が報告されています。

● 肝機能障害のある患者に投与する場合は、減量を考慮してください。

● 投与中は、肝機能検査を行うなど、観察を十分に行ってください。

● 異常が認められた場合には、減量や休薬などの適切な処置を行ってください。(引用1)

 

■   ②発現状況

国内臨床試験(221試験)、外国臨床試験(201、211、305試験)において、肝機能障害が下表の通り認められました。なお、外国臨床試験(301試験)において肝不全による死亡および中毒性肝炎による死亡が各1例みられました。(引用1)

また、国内臨床試験(221試験)および外国臨床試験(201、211、305試験)において、投与前の肝機能検査値で層別し、Grade4の好中球減少の発現状況を解析しました。その結果、Grade4の好中球減少の発現は、肝機能低下に伴って高くなる傾向がみられました。(引用1、2)
 

(KW:肝機能異常、肝毒性、肝障害、肝機能検査値異常、肝細胞融解性肝炎、トランスアミナーゼ上昇)
 

(KW:総ビリルビン)

 

■   ③対処法

肝機能障害のある患者に投与する場合は、減量を考慮してください。(引用1、3)

肝機能検査値に異常が認められた場合には、下図を参考に必要に応じて、投与を延期または休薬してください。

なお、国内臨床試験(221試験)において、AST、ALT上昇によって休薬が行われたのは8.8%(7/80例)でした。(引用1)
 
 

 

 [参考]肝機能障害のある患者での薬物動態:外国第I相試験(108試験)

固形がん患者18例を肝機能によって3分類し(正常、軽度肝機能障害:Child-Pugh A、中等度肝機能障害:Child-Pugh B)、それぞれにハラヴェン1.4、1.1または0.7mg/m2を2~5分間かけて静脈内投与したとき、肝機能の低下に伴い、クリアランスの低下、t1/2の延長、投与量で補正したAUCおよびCmaxの増加が認められました。(引用3)

 

【引用】

1)【手術不能又は再発乳癌】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド II 重大な副作用とその対策 p13-14 (DI-J-642)

2)【手術不能又は再発乳癌】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド IV 投与患者の選択 p24 (DI-J-642)

3)【手術不能又は再発乳癌】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド IV 投与患者の選択 p25 (DI-J-642)


 

【作成年月】

2018年11月

【図表あり】