電子添文には骨髄抑制の副作用(疾患共通)について以下の記載があります。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.1.1 骨髄抑制(引用1)
白血球減少(99.2%)、好中球減少(98.5%)、リンパ球減少(63.6%)、貧血(23.5%)、ヘモグロビン減少(21.2%)、発熱性好中球減少(12.1%)、血小板減少(9.1%)、赤血球減少(3.8%)、汎血球減少(頻度不明)等があらわれることがある。
異常が認められた場合には、減量や休薬等を行い、必要に応じて、G-CSF製剤や抗生剤の投与等の適切な処置を行うこと。Grade3以上の白血球及び好中球減少の最低値は、ともに投与開始14日後(中央値)にあらわれ、最低値発現日からともに7日後(中央値)に回復した。
<乳癌>
骨髄抑制の発現状況、発現時期、転帰及び対処法は以下の通りです。(引用2)
■発現状況
国内臨床試験(221試験)、外国臨床試験(201、211、305試験)において、骨髄抑制が下表の通り認められ、発現頻度は国内臨床試験で高い傾向がみられました。なお、発熱性好中球減少症を発現した1例が死亡しました(外国305試験)。
国内臨床試験において、好中球減少、白血球減少およびリンパ球減少の発現頻度が外国臨床試験よりも高い背景には、臨床検査値異常を有害事象として取り上げる基準に違いがあること、またGrade3、4の好中球減少、白血球減少が高い背景には、国内臨床試験の投与前値が外国臨床試験に比べて低かったことが関係していると考えられます(下記の参考を参照)。
■発現時期
国内臨床試験(221試験)において、Grade3、4の好中球数の最低値が発現するまでの期間の中央値は、サイクル数にかかわらず投与開始14日後でした。
■転帰
国内臨床試験(221試験)において、Grade3、4の好中球減少は、サイクル数にかかわらず約80%に発現しましたが、そのうちの90%以上がサイクル中にGrade1または0へ回復しました。回復までの期間の中央値は、サイクル数にかかわらず、最低値発現日から7日後、投与開始21日後でした。
休薬は、1サイクル目では発現例の40.3%に行われましたが、それ以降は20%程度でした。また、G-CSF製剤は、サイクル数にかかわらず発現例の約20%程度に投与されました。なお、G-CSF製剤の投与有無による回復期間の差はみられませんでした。
■対処法
ハラヴェン投与中は、頻回に血液検査を行ってください。
好中球数減少または血小板数減少が認められた場合には、下図を参考に必要に応じて、投与を延期、減量または休薬してください。
●G-CSF製剤は、国内臨床試験(221試験)では25.9%(21/81例)、外国臨床試験(201、211、305試験)では21.4%(177/827例)に投与されました。
【引用】
1)ハラヴェン静注1mg電子添文2022年1月改訂(第1版) 11. 副作用 11.1 重大な副作用 11.1.1 骨髄抑制
2)【手術不能又は再発乳癌】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド II重大な副作用とその対策 1.骨髄抑制 p5-7(DI-J-806)
【更新年月】
2024年9月
【図表あり】
KW:血小板減少