• No : 3287
  • 公開日時 : 2018/11/27 00:00
  • 更新日時 : 2019/03/22 10:18
  • 印刷

【ハラヴェン・手術不能又は再発乳癌】  重大な副作用「骨髄抑制」について教えてください。

【ハラヴェン・手術不能又は再発乳癌】 

 

重大な副作用「骨髄抑制」について教えてください。

 

カテゴリー : 

回答

目次

①   まとめ

②   発現状況

③   発現時期

④   転帰

⑤   対処法

 

■  ①まとめ

・ 発熱性好中球減少を含む好中球減少、白血球減少などの骨髄抑制があらわれることがあります。

・ 外国臨床試験において、発熱性好中球減少症による死亡が1例報告されています。

・ 投与中は頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、感染症の発現に注意してください。

・ 異常が認められた場合には、減量や休薬を行い、必要に応じてG-CSF製剤や抗生剤を使用するなど、適切な処置を行ってください。(引用1)

 

■  ②発現状況

国内臨床試験(221試験)、外国臨床試験(201、211、305試験)において、骨髄抑制が下表の通り認められ、発現頻度は国内臨床試験で高い傾向がみられました。なお、発熱性好中球減少症を発現した1例が死亡しました(外国305試験)。

国内臨床試験において、好中球減少、白血球減少およびリンパ球減少の発現頻度が外国臨床試験よりも高い背景には、臨床検査値異常を有害事象として取り上げる基準に違いがあること、またGrade3、4の好中球減少、白血球減少が高い背景には、国内臨床試験の投与前値が外国臨床試験に比べて低かったことが関係していると考えられます(下記の参考を参照)。(引用1)
 


(KW:血小板減少)

 

■   ③発現時期

国内臨床試験(221試験)において、Grade3、4の好中球数の最低値が発現するまでの期間の中央値は、サイクル数にかかわらず投与開始14日後でした。(引用1)

 

■   ④転帰

国内臨床試験(221試験)において、Grade3、4の好中球減少は、サイクル数にかかわらず約80%に発現しましたが、そのうちの90%以上がサイクル中にGrade1または0へ回復しました。回復までの期間の中央値は、サイクル数にかかわらず、最低値発現日から7日後、投与開始21日後でした。

休薬は、1サイクル目では発現例の40.3%に行われましたが、それ以降は20%程度でした。また、G-CSF製剤は、サイクル数にかかわらず発現例の約20%程度に投与されました。なお、G-CSF製剤の投与有無による回復期間の差はみられませんでした。(引用1)
 


 
■  ⑤対処法

ハラヴェン投与中は、頻回に血液検査を行ってください。

好中球数減少または血小板数減少が認められた場合には、下図を参考に必要に応じて、投与を延期、減量または

休薬してください。(引用1)
 

 


● G-CSF製剤は、国内臨床試験(221試験)では25.9%(21/81例)、外国臨床試験(201、211、305試験)では21.4%(177/827例)に投与されました。(引用1)

 

【引用】

1)   【手術不能又は再発乳癌】ハラヴェン静注1mg適正使用ガイド II 重大な副作用とその対策 p5-7 (DI-J-642)


 

【作成年月】

2018年11月

 


 
 

 

【図表あり】