ワーファリン顆粒の開発では、水に容易に溶解・分散し、光安定性を確保した顆粒を実現した1)。
承認申請の条件となる既承認製剤との生物学的同等性の確保のみに留まらず、医療現場での実態や要望などを踏まえ、設計目標として「調剤性に優れる製剤」「溶解性・分散性に優れる製剤」「均質性の優れる製剤」「開封後の光安定性の確保」の実現を目指し、以下の検討を行った1)。
・製剤化及び製造プロセスの検討
処方設計では、三二酸化鉄を含む皮膜を施すことにより光安定性を大幅に向上した。
崩壊時間の評価にて、乳糖水和物とD-マンニトールの配合比率、乳糖のグレードを検討し、良好な水への溶解・分散性を得られる最適な素顆粒部の処方を設定できた。
調剤性を考慮して軽質無水ケイ酸および微粉タルクを転嫁することで、帯電性を防止し、取出し性ならびに分包への充填性を確保した。
0.5mg以下の投与も考慮したため、主薬の含有率が0.2%と極めて低いため、練合工程で原薬を水に溶解し、あらかじめ混合した賦形剤に添加する製法を採用することで、優れた含量均一性を確保した。
コーティング工程における類縁物質増加の問題があったが、原因となる製造パラメータを特定化し、重要工程として管理し、安定的な製造条件を確立した。
【参考文献】 [文献請求番号]
1)新田 克己ら: Pharm.Tech.Jpn., 28, 1267(2012) WF-3653
【更新年月】
2021年1月