• No : 1907
  • 公開日時 : 2017/10/25 00:00
  • 更新日時 : 2024/11/18 17:13
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【ワソラン】 薬効薬理について教えてください。

【ワソラン】 
 
薬効薬理について教えてください。
 
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回答

電子添文には、薬効薬理に関する以下の記載があります。
 
[ワソラン錠40mg]
18.薬効薬理(引用1)
18.1 作用機序
本薬の作用機序は、細胞外液Ca++の細胞内流入阻止に基づくCa++拮抗作用である。 (引用2)
 
18.2 末梢血管抵抗を下げ、心仕事量を軽減する
本剤を虚血性心疾患患者に経口投与した場合、血圧を緩徐に降下させ、心拍数も軽度に減少させる。その結果、心仕事量が軽減し、心筋酸素消費量も抑制される。(引用3)
 
18.3 冠状動脈や末梢血管を拡張する
イヌ摘出心筋や麻酔イヌを用いた実験において、冠状動脈を含む血管平滑筋の興奮-収縮連関を抑制し、冠血流量を増加し、末梢血管抵抗を減少する。(引用4、5)
 
18.4 心筋保護作用を示す
虚血、高血圧、過剰の細胞内遊離Ca++の存在、過剰のカテコールアミンによって惹起される心筋細胞内ATPの欠乏に基づく心筋の変性に対し、本薬はこれら種々の心筋変性誘発因子に拮抗して心筋変性を抑制し、心筋を保護することがラットやウサギで確認されている。(引用6)
 
18.5 Ca++流入を抑え、抗不整脈作用を示す
モルモット及びウサギの摘出心筋を用いた実験において、slow channelを通るCa++の流入を抑制することが確認されている。また、麻酔イヌを用いた実験で、特に房室結節に作用して房室伝導系の有効不応期、機能的不応期を延長させ、房室伝導を遅延させる。(引用7、8、9)
 
18.6 ノルアドレナリンや電気刺激による実験的不整脈を抑制する
18.6.1 イヌ摘出心筋を用いた実験において、ノルアドレナリンの房室結節への局所投与によって誘発される上室性頻拍を消失又は著明に軽減する。(引用10)
18.6.2 麻酔イヌを用いた実験において、電気刺激によって誘発された心房細動時の心室レートを減少させる。(引用9)
 
[ワソラン静注5mg]
18.薬効薬理(引用11)
18.1 作用機序
細胞外液Ca++の細胞内流入阻止に基づくCa++拮抗作用である。(引用2)
 
18.2 Ca++流入を抑え、抗不整脈作用を示す。
モルモット及びウサギの摘出心筋を用いた実験において、slow channel を通るCa++の流入を抑制することが確認されている。また、麻酔イヌを用いた実験で、特に房室結節に作用して房室伝導系の有効不応期、機能的不応期を延長させ、房室伝導を遅延させる。(引用7、8、9)
 
18.3 ノルアドレナリンや電気刺激による実験的不整脈を抑制する。
18.3.1 イヌ摘出心筋を用いた実験において、ノルアドレナリンの房室結節への局所投与によって誘発される上室性頻拍を消失又は著明に軽減する。(引用10)
18.3.2 麻酔イヌを用いた実験において、電気刺激によって誘発された心房細動時の心室レートを有意に減少させる。(引用9)
 
18.4 冠状動脈や末梢血管を拡張する。
イヌ摘出心筋や麻酔イヌを用いた実験において、冠状動脈を含む血管平滑筋の興奮-収縮連関を抑制し、冠血流量を増加し、末梢血管抵抗を減少する。(引用4、5)
 

【引用】
1)ワソラン錠40mg電子添文 2022年9月改訂(第1版) 18.薬効薬理
2)Fleckenstein A. et al.:Naunyn-Schmiedebergs Arch. Pharmacol., 1969;264(3):p227-228 [VA-0130]
3)木川田隆一ら:臨牀と研究, 1975;52(3):p880-884 [VA-0207]
4)Narimatsu A. et al.:Naunyn-Schmiedebergs Arch. Pharmacol., 1976;294(2):p169-177 [VA-0318] (本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
5)古谷幸雄ら:麻酔, 1983;32(4):p409-417 [VA-0934]
6)Fleckenstein A. et al.:Arzneim. Forsch., 1970;20(9a):p1317-1322 [VA-0114]
7)Nabata H.:Jpn. J. Pharmacol., 1977;27(2):p239-249 [VA-0226]
8)Okada T. et al.:Jpn. Circ.J., 1975;39(8):p913-917 [VA-1614]
9)池田信男ら:臨牀と研究, 1977;54(12):p4176-4180 [VA-0231] (本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
10)Motomura S. et al.:Naunyn-Schmiedebergs Arch. Pharmacol., 1981;315(3):p241-248 [VA-0731] (本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
 
【更新年月】
2024年11月

 

 

【図表あり】