• No : 18574
  • 公開日時 : 2023/06/13 14:17
  • 更新日時 : 2024/10/10 16:03
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【メトジェクト】 開発の経緯について教えてください。

【メトジェクト】 
 
開発の経緯について教えてください。
 
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回答

総合製品情報概要に、以下の記載があります。(引用1)
 
メトジェクト皮下注は、関節リウマチなど自己免疫疾患の治療薬としてmedac Gesellschaft für klinische Spezialpräparate mbH(medac GmbH、ドイツ)により開発された週1回皮下投与のメトトレキサート(MTX)製剤であり、2002年にスウェーデンで関節リウマチに対して承認されて以降、現在までに欧州を中心とした約50の国または地域で承認されています(2023年9月現在)。
 
MTXの経口剤(錠剤・カプセル剤)は日本リウマチ学会「関節リウマチ診療ガイドライン2020」において関節リウマチ治療の第一選択薬として推奨されており、必要に応じて副腎皮質ステロイド、他の従来型抗リウマチ薬、生物学的抗リウマチ薬及び分子標的型合成抗リウマチ薬の併用も検討され、関節リウマチ治療のアンカードラッグに位置付けられています。(引用2、3、4)
 
2019年、欧州医薬品庁により関節リウマチ、乾癬及びクローン病を含む自己免疫疾患の治療に対して、MTXの誤投与の危険性を回避するために、新たに推奨する方策としてMTXの投与を週1回にすることが決定されました。国内では、2008年に厚生労働省から「抗リウマチ剤MTX製剤の誤投与(過剰投与)に関する医療事故防止対策について」及び「抗リウマチ剤MTX製剤の誤投与(過剰投与)防止のための取扱いについて(注意喚起)」がそれぞれ発出されており、服薬アドヒアランスなどの解決すべきアンメットメディカルニーズが存在するものと考えられました。(引用5、6)
 
本剤は、日本におけるアンメットメディカルニーズに対応するものと考えられたことから、medacGmbHの日本法人である日本メダック株式会社が開発を実施し、「関節リウマチ」を効能又は効果として2022年9月にメトジェクト皮下注7.5mgシリンジ0.15mL、10mgシリンジ0.20mL、12.5mgシリンジ0.25mL、15mgシリンジ0.30mL製剤(プレフィルドシリンジ)の製造販売承認を取得しました。また、患者のさらなる利便性を向上するために、プレフィルドシリンジ製剤にペン型自動注入器を装着したペン製剤を開発し、2024年2月にメトジェクト皮下注7.5mgペン0.15mL、10mgペン0.20mL、12.5mgペン0.25mL、15mgペン0.30mLの製造販売承認を取得しました。
 

【引用】
1)メトジェクト皮下注7.5mg・10mg・12.5mg・15mg総合製品情報概要 開発の経緯 p2 (MTJ1001FSG)
2)Smolen JS. et al. : Ann Rheum Dis. 79(6),p685-699, 2020 [MTJ-0045]
3)Fraenkel L. et al. : Arthritis Care Res (Hoboken). 73(7),p924-939, 2021
4)日本リウマチ学会 関節リウマチ診療ガイドライン2020 第3章クリニカルクエスチョンと推奨 診断と治療社,p20 [MTJ-0047]
5)抗リウマチ剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与)に関する医療事故防止対策について.(平成20年8月29日付 薬食安発第0829001号 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)
6)抗リウマチ剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与)防止のための取扱いについて(注意喚起).(平成20年10月20日付 医政総発第1020001号・薬食総発第1020001号・薬食安発第1020001 号 厚生労働省医政局総務課長・厚生労働省医薬食品局総務課長・厚生労働省医薬食品局安全対策課長 連名通知)
 
【更新年月】
2024年8月

 
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