パーキンソニズム(parkinsonism)は、パーキンソン症候(群)とも呼ばれ、振戦、無動,、運動緩慢、筋強剛、姿勢反射障害などのパーキンソン病に特徴的症状を共有する疾患を全て含む症候群です。(引用1)
電子添文の禁忌の項に、「パーキンソニズムのある患者」がありますが、パーキンソニズムの症状がなければ、禁忌には該当しないと考えております。(引用2)
抗パーキンソン病薬などの治療によりパーキンソニズムの症状がなくても、症状が現れる可能性は考えられるため、本剤の投与をご検討される場合には、患者の症状を十分に観察いただき、医療機関でのご判断をお願いいたします。
パーキンソニズムの症状が疑われた場合には、本剤の投与を中止してください。
パーキンソニズム(パーキンソン症候群)の原因疾患には、以下があります。(引用1)
1.変性性パーキンソン症候群
1.パーキンソン病=特発性パーキンソン症候群
1)弧発性パーキンソン病
2)家族性パーキンソン症候群
2.レビー小体型認知症(Dementia with Lewybodies;DLB)
3.線条体黒質変性症(Striatonigral degeneration,SND)
現在は,多系統萎縮症(Multiple system atrophy;MSA)の一病型(MSA-P)
4.進行性核上性麻痺(Progressive supranuclear palsy;PSP)
5.大脳皮質基底核変性症(Corticobasal degeneration;CBD)
6.その他(パーキンソン認知症複合(PDC)など:グアム島,紀伊半島のPDC)
2.二次性パーキンソン症候群
1.薬剤性パーキンソン症候群
2.脳血管性パーキンソン症候群
3.脳炎後パーキンソン症候群
4.中毒後遺症;一酸化炭素(CO)中毒,マンガン中毒
5.脳外傷後パーキンソン症候群(ボクサー認知症・パーキンソン症候群など)
6.その他
【引用】
1)下濱 俊:日老医誌 44,p564-567(2007) [NEURO-1136]
2)ベサコリン散5%電子添文2023年1月改訂(第1版) 2.禁忌 2.9パーキンソニズムのある患者
【作成年月】
2023年5月
KW:パーキンソン病、パーキンソン症候群、Parkinson