電子添文には、「納豆、クロレラ食品、青汁以外のビタミンK含有食品について、一時的に大量摂取すると本剤の作用を減弱することがあるので、患者に十分説明すること。」と記載がございます。(引用1)
ワーファリン手帳(抗凝固薬療法手帳 )には、茶葉100gあたりのビタミンK含有量を緑茶類(玉露)4000μg、緑茶類(せん茶)1400μgと記載しておりますが、こちらは茶葉そのものに含まれるビタミンK含有量を示しています。
緑茶に該当する浸出液は微量という記載であり、ワーファリン服用中の方において、急須で煎じた緑茶は大量でなければ飲んでいただいても影響は少ないと考えられます。(引用2)
また、抹茶や粉茶については、茶の葉そのものを摂取することから大量のビタミンKを摂取する可能性があるため、ご注意をお願いいたします。
【関連情報】
海外でワルファリンと緑茶の相互作用が疑われた症例報告があります。(引用3)
INRが安定していなかった患者様で、来院時のワルファリン用量は7.5 mg/dayでINRは3.79でしたが、ワルファリン 7.5 mg/dayを継続し、57日後のINRは1.14でした。最初の来院の1週間前から緑茶0.5-1 ガロン/day(1.9-3.8L/day)を飲み始めたとのことであり、緑茶中のビタミン Kを疑い、緑茶を飲むことを禁じ、ワルファリン 7.5 mg/dayを継続することを指示しました。その1週間後、INRは2.25に上昇し、その後INRは治療域を維持しました。
【引用】
1)ワーファリン錠0.5mg・1mg・5mg・顆粒0.2%電子添文 2019年7月改訂(第1版) 10.相互作用 10.2併用注意(併用に注意すること)
2)ワーファリンを服用されている方へ 抗凝固薬療法手帳 ワーファリン手帳 ポケットサイズ (WF0043UKA)
3)Taylor,J.R.:Ann.Pharmacother. 33(4),p426-428 (1999) [WF-1177]
【作成年月】
2022年8月