総合製品情報概要には、開発の経緯について以下の記載があります。(引用1)
デニロイキン ジフチトクス(遺伝子組換え)(DD)は、米国Seragen社(現Ligand Pharmaceuticals社)により創製された遺伝子組換え融合タンパク質であり、ジフテリア毒素(DT)の部分アミノ酸配列(DTドメイン)とヒトインターロイキン-2(IL-2)の全配列(IL-2ドメイン)が繋がった構造を持っています。DDは、IL-2ドメインにより腫瘍細胞の細胞膜上に発現するIL-2受容体(IL-2R)に結合し、細胞内に取り込まれた後にDTドメインが切断され、遊離したDTのN末端断片(酵素活性部位)がタンパク合成を阻害すること等により腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられています。(引用2、3、4)
米国では、DDを有効成分とするE7272(ONTAKR)※が先行して開発され、悪性リンパ腫患者を対象とした外国第I/II相臨床試験(外国92-04-01試験)(引用5)及びCD25陽性の皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)患者を対象とした外国第III相臨床試験(外国93-04-10試験)(引用6)の結果に基づき、1999年2月、悪性細胞がIL-2Rの構成要素CD25を発現している持続性もしくは再発性のCTCLの治療薬として、条件(プラセボ対照第III相臨床試験成績の提出、製剤純度の向上)付きで迅速承認されました。その後、CD25陽性CTCL患者を対象としたプラセボ対照外国第III相臨床試験(外国L4389-11試験)(引用7)及びCTCL患者(CD25陰性の患者を含む)を対象とした外国第III相臨床試験(外国L4389-14試験)(引用8)を実施し、2008年10月、E7272は完全承認されました。しかし、製剤純度の向上について未対応であったことから、DDの純度を向上させた製剤の製造・開発を行うこととしました。本邦では、医療上の必要性が高い未承認薬と評価され、2010年5月に厚生労働省から開発要請を受けました。
レミトロR点滴静注用300μg(以下、レミトロ)は、DDの純度を向上させた製剤です。再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)及びCTCL患者を対象とした国内第I相臨床試験(国内101試験)(引用9)及び国内第II相臨床試験(国内205試験)(引用10)を実施しました。国内第II相試験(国内205試験)を主要な臨床試験成績として申請を行い、2021年3月、レミトロは、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫、再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫を効能又は効果として製造販売承認を取得しました。
※国内未承認
●レミトロの適正使用情報は、下記サイトでも提供します。
https://medical.eisai.jp/products/rem/rem_v_300
【引用】
1)レミトロ点滴静注用300μg 総合製品情報概要 開発の経緯 p3 (REM1001CSG)
2)Williams DP, et al.: Protein Eng. 1987; 1: 493-498 [REM-0006]
3)Bacha P, et al.: J Exp Med. 1988; 167: 612-622 [REM-0007]
4)vanderSpek JC, et al.: J Biol Chem. 1993; 268: 12077-12082 [REM-0008]
5)LeMaistre CF, et al.: Blood. 1998; 91: 399-405 本試験はSeragen社の支援により実施された [REM-0041]
6)社内資料:CD25陽性の皮膚T細胞性リンパ腫患者を対象としたE7272の安全性、有効性及び薬物動態を評価する第III相試験 (2021年3月23日承認、CTD2.7.6.4) [REM-0042]
7)社内資料:CD25陽性の皮膚T細胞性リンパ腫患者を対象としたE7272の第III相プラセボ対照試験 (2021年3月23日承認、CTD2.7.6.5) [REM-0005]
8)社内資料:皮膚T細胞性リンパ腫患者を対象としたE7272の第III相試験 (2021年3月23日承認、CTD2.7.6.6)[REM-0043]
9)[承認時評価資料]再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫及び皮膚T細胞性リンパ腫を対象とした臨床第I相試験 (2021年3月23日承認、CTD2.7.6.1) [REM-0004]
10)[承認時評価資料]再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫及び皮膚T細胞性リンパ腫を対象とした臨床第II相試験 (2021年3月23日承認、CTD2.7.6.3) [REM-0003]
【更新年月】
2025年12月