[相互作用を示す薬剤名(代表的商品名)]
〔薬効分類 114 解熱鎮痛消炎剤、219 その他の循環器用薬〕
[相互作用の内容]
本剤の作用を増強する可能性がある。【インドメタシンの添付文書に併用注意の記載がある】
[併用時の注意]
血液凝固能検査値の変動はないと考えられるが、出血(特に消化管)の所見に注意すること。
インドメタシンによる消化管出血を助長する可能性にも留意すること。
[相互作用の機序]1)
インドメタシンの血小板凝集抑制作用による。
インドメタシンの副作用である消化管潰瘍・出血による出血傾向を助長する。
インドメタシンが本剤を血漿蛋白から遊離させる。
[相互作用の事例]
<症例報告事例>2)【ワルファリンの作用増強】
57才男性。ワルファリンとインドメタシンを併用していたが、皮下出血と血尿が生じた。INRは3.6に上昇していた。両剤を中止し、新鮮凍結血漿を投与した。(海外)
<症例報告事例>3)【ワルファリンの作用増強】
ワルファリンとインドメタシンを併用中の患者で、プロトロンビン時間が延長したという報告がある。(海外)
<臨床研究報告>4)【相互作用なし】
(研究1)健康成人男子16名にワルファリンを5日間投与して、プロトロンビン時間がコントロールの1.5~2.5倍になるように用量を設定した。次いで、ワルファリンを11日以上連日投与した。このワルファリン連続投与期に、インドメタシン100mg/日またはプラセボを5日間併用した。インドメタシン群とプラセボ群のプロトロンビン時間に有意差はなかった。
(研究2)19名の健康成人男子に、インドメタシン100mg/日またはプラセボを二重盲検で11日間投与し、最終日にワルファリン0.75mg/kgを投与した。両群ともプロトロンビン時間には影響なく、また、ワルファリンの血中濃度および半減期にも変動はなかった。(海外)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)USP-DI, 22nd ed.,Vol.Ⅰ, 265(2002) WF-1157
2)Chan TY et al.: Drug Safety, 10, 267(1994) WF-1903
3)Self TH et al.: Drug Intell. Clin. Pharm., 12, 580(1978) WF-1901
4)Vesell ES et al.: J. Clin. Pharmacol., 15, 486(1975) WF-0849