ワルファリン療法における治療域の設定は、血液凝固能を低下させて血栓形成を十分に防ぐとともに、かつ出血を起こさない範囲の血液凝固能レベルとして、経験的に決められてきたものである1)。
ワルファリン療法で使用される血液凝固能検査は世界的にはプロトロンビン時間、トロンボテストがあり、その表示には秒、比、活性、及びINRが用いられてきた。近年では国内外の学会やガイドラインではINRで表示されることが一般的となった。
なお、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、出血時間やワルファリンの血中濃度の測定は、抗凝固薬療法におけるモニタリングのためには一般に効果的な方法ではない。(Ⅲ-8「ワルファリン療法と血中濃度測定」の項参照)
【参考文献】 [文献請求番号]
1)風間 睦美ら:血液と脈管, 16, 431(1985) WF-0031
【更新年月】
2021年1月