【デエビゴ】
デエビゴ5mg・10mgを服用している方に、追加でCYP3Aを中程度又は強力に阻害する薬剤を併用する場合、併用した日から2.5mgに減量しなければいけませんか?
デエビゴの血中濃度上昇による副作用発現を避けるため、併用開始日から2.5mgに減量して頂くことが望ましいと考えます。
なお、薬物相互作用の薬物動態に関する試験については、それぞれの阻害薬を反復投与後、デエビゴを単回投与した試験の結果です。(引用1、2)
デエビゴを連日投与して阻害剤を加えた薬物動態に関する報告はありません。
臨床試験においてCYP3A阻害剤の影響が出始める時期は検討されておらず、薬剤により影響が出る時期も異なると考えられるため、最終的には患者の状態をみながらご判断ください。
保険については最終的には地区審査機関のご判断となります。
【関連情報】
電子添文には、CYP3A阻害剤との併用に関する以下の記載があります。
7. 用法及び用量に関連する注意(引用3)
7.4 CYP3Aを阻害する薬剤との併用により、レンボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。CYP3Aを中程度又は強力に阻害する薬剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)との併用は、患者の状態を慎重に観察した上で、本剤投与の可否を判断すること。なお、併用する場合は1日1回2.5mgとすること。
16. 薬物動態
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール(引用4)
健康成人15例にイトラコナゾール200mgを1日1回反復投与時に本剤10mgを単回投与したときのレンボレキサントのCmax及びAUC(0-inf)の幾何平均値の比(併用時/単独投与時)とその90%信頼区間は、1.36[1.18,1.57]及び3.70[3.18,4.31]であり、単独投与時と比較して併用時では、Cmaxは36%上昇し、AUC(0-inf)は270%増加した。レンボレキサントの最終消失半減期(平均値)は、単独投与時及び併用時ではそれぞれ54.4時間及び118時間であった。また、M10のCmax及びAUC(0-inf)の幾何平均値の比(併用時/単独投与時)とその90%信頼区間は、0.130[0.107,0.158]及び0.626[0.465,0.844]であった。M10の最終消失半減期(平均値)は、単独投与時及び併用時ではそれぞれ48.1時間及び150時間であった(外国人データ)。(引用1)
16.7.2 フルコナゾール(引用5)
健康成人14例にフルコナゾール200mgを1日1回反復投与時に本剤10mgを単回投与したときのレンボレキサントのCmax及びAUC(0-inf)の幾何平均値の比(併用時/単独投与時)とその90%信頼区間は、1.62[1.34,1.97]及び4.17[3.83,4.55]であり、単独投与時と比較して併用時では、Cmaxは62%上昇し、AUC(0-inf)は317%増加した。レンボレキサントの最終消失半減期(平均値)は、単独投与時及び併用時ではそれぞれ55.4時間及び99.5時間であった。また、M10のCmax及びAUC(0-inf)の幾何平均値の比(併用時/単独投与時)とその90%信頼区間は、0.580[0.513,0.657]及び2.33[1.73,3.14]であった。M10の最終消失半減期(平均値)は、単独投与時及び併用時ではそれぞれ45.5時間及び78.6時間であった(外国人データ)。(引用2)
デエビゴの用法及び用量は以下の通りです。
6. 用法及び用量(引用6)
通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。
【引用】
1)社内資料:外国004試験(2020年1月23日承認,CTD2.7.6.9) [DVG-0013]
2)社内資料:外国012試験(2020年1月23日承認,CTD2.7.6.12) [DVG-0014]
3)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年12月改訂(第3版) 7. 用法及び用量に関連する注意 7.4
4)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年12月改訂(第3版) 16. 薬物動態 16.7 薬物相互作用 16.7.1 イトラコナゾール
5)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年12月改訂(第3版) 16. 薬物動態 16.7 薬物相互作用 16.7.2 フルコナゾール
6)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2024年12月改訂(第3版) 6. 用法及び用量
【更新年月】
2025年6月