• No : 15039
  • 公開日時 : 2020/03/12 18:35
  • 更新日時 : 2025/03/27 17:19
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【デエビゴ】 中途覚醒に対する効果を教えてください。

【デエビゴ】 

 
中途覚醒に対する効果を教えてください。

 

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回答

中途覚醒に対する効果について、国際共同303試験では睡眠日誌を用いた主観的評価、外国304試験では終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を用いて客観的に評価しています。結果は以下の通りでした。


■国際共同第III相プラセボ対照比較試験[国際共同303試験](海外データを含む) (引用 1、2、3)
国際共同303試験より、睡眠日誌を用いて主観的に評価した投与6ヵ月時における中途覚醒時間のベースラインからの変化量(平均値)は、デエビゴ5mg群では-51.45分、10mg群では-48.12分であった。ベースラインからの変化量のプラセボ群との差(最小二乗平均値)は、デエビゴ 5mg 群では-17.474 分(p=0.0005)、10mg群では-12.671分(p=0.0105)であり、プラセボ群と比較して有意な短縮が認められた。

対象:不眠症患者 949 例(成人[18~64 歳]:687例、高齢者[65 歳以上]:262例)
(プラセボ群:318例、デエビゴ5mg群:316 例、デエビゴ10mg群:315例)
日本人 161例(プラセボ群:54 例、デエビゴ5mg 群:53例、デエビゴ10mg 群:54例)を含む
<主な組み入れ基準>
・18歳以上
・ 主観的評価による睡眠潜時(sSOL)が30分以上である夜が週に3夜以上、かつ/又は主観的評価による中途覚醒時間(sWASO)が60分以上である夜が週に3夜以上あることが、スクリーニング前 4 週間、導入期前及びベースライン前に確認された患者
・通常の総就床時間が7~9 時間、通常の就床時刻が21時~1時の間、通常の起床時刻が 5時~10時の間であることが、スクリーニング期に確認された患者
・スクリーニング時及びベースライン時に不眠症重症度質問票(ISI)スコアが15以上である患者

方法:投与第1期(1~6ヵ月時)においては、デエビゴ5mg 群、10mg群又はプラセボ群のいずれかに無作為に割り付け、1日1回、毎晩の就床時刻(眠ろうとする時刻)の直前(5分以内)に経口投与した。投与第2期(7~12ヵ月時)においては、プラセボ群については 2 回目の無作為化を実施し、デエビゴ5mg群又は10mg群のいずれかに無作為に割り付けた。投与第1期にデエビゴを投与していた患者については、継続して6ヵ月間、同じ用量で本剤を経口投与した。

安全性:投与第1期及び第 2 期(デエビゴ投与例の通算)
副作用発現率は、デエビゴ5mg群 26.6%(119/447例)、10mg 群29.7%(130/437 例)であった。
主な副作用は、デエビゴ5mg群では傾眠8.3%(37/447例)、頭痛4.5%(20/447例)、疲労2.7%(12/447例)、10mg群では傾眠13.3%(58/437例)、頭痛3.7%(16/437例)、疲労 3.2%(14/437例)であった。
重篤な副作用は、投与第1期で発現したデエビゴ10mg群の1例(高度の注意力障害)であった。試験期間中、死亡例はなかった。
投与中止に至った有害事象は、デエビゴ5mg 群 23例、10mg群 41例に認められ、主な有害事象は、デエビゴ5mg 群では傾眠7例、浮動性めまい、頭痛が各3例、10mg群では傾眠16例、悪夢4例、動悸、転倒、浮動性めまいが各2例であった。

デエビゴ錠の承認された用法及び用量は以下の通りです。(引用4)
通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。

■海外第III相プラセボ/ゾルピデム ER 対照比較試験[外国304試験](海外データ) (引用5、6、7)
外国304試験より、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を用いて客観的に評価したDay29/30における中途覚醒時間のベースラインからの変化量のプラセボ群、ゾルピデムER群との差(最小二乗平均値)は、デエビゴ5mg群ではそれぞれ-23.96分(p<0.0001)、-7.72分(p=0.0073)、10mg群ではそれぞれ-25.35分(p<0.0001)、-9.10分(p=0.0016)であり、プラセボ群、ゾルピデムER群と比較して有意な短縮が認められた。
中途覚醒時間の短縮は、プラセボ群、ゾルピデムER群と比較してDay1/2において有意に認められ、プラセボ群、ゾルピデムER 群に対する変化量の差(最小二乗平均値)は、デエビゴ5mg群ではそれぞれ-33.40分(p<0.0001)、-6.16分(p=0.0154)、10mg 群ではそれぞれ-42.27分(p<0.0001)、-15.03 分(p<0.0001)であった。

※ゾルピデム ER : ゾルピデム酒石酸塩徐放製剤 (国内未承認薬)

対象:不眠症患者1,006例
(プラセボ群:208例、レンボレキサント5mg 群:266例、レンボレキサント10mg 群:269例、ゾルピデムER 6.25mg群:263例)
方法:デエビゴ5mg 群、10mg群、ゾルピデムER 6.25mg 群又はプラセボ群のいずれかに5 : 5 : 5 : 4の比率で無作為に割り付け、1日1回、毎晩の就床時刻(眠ろうとする時刻)の直前に30日間経口投与した。

安全性: 副作用発現率は、プラセボ群 7.7%(16/209 例)、ゾルピデム ER 群15.2%(40/263 例)、デエビゴ 5mg群 11.3%(30/266 例)、10mg 群 14.6%(39/268 例)であった。
主な副作用は、プラセボ群では頭痛 1.9%(4/209 例)、浮動性めまい、傾眠がそれぞれ 1.4%(3/209 例)、ゾルピデムER 群では浮動性めまい 2.7%(7/263 例)、頭痛 2.3%(6/263 例)、傾眠 1.5%(4/263 例)、デエビゴ 5mg 群では傾眠 3.8%(10/266 例)、頭痛 3.4%(9/266 例)、浮動性めまい0.8%(2/266 例)、10mg 群では傾眠 6.3%(17/268 例)、頭痛 3.0%(8/268 例)、下痢、浮動性めまいがそれぞれ0.4%(1/268 例)であった。
試験期間中、重篤な副作用及び死亡例はなかった。
投与中止に至った有害事象は、プラセボ群2例、ゾルピデムER 群7例、デエビゴ5mg群 2例、10mg 群3例に認められ、有害事象は、プラセボ群では口腔腫脹、舌不快感、浮動性めまい、傾眠、寝汗が各1例、ゾルピデムER群では冠動脈疾患、過敏症、肺炎、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、背部痛、傾眠、不安、頻呼吸、末梢血管障害が各1例、デエビゴ5mg群では認知障害、頭痛、傾眠、悪夢が各1例、10mg群ではγ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、頭痛、嗜眠、坐骨神経痛が各1例であった。

デエビゴ錠の承認された用法及び用量は以下の通りです。(引用4)
通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。

 


【引用】
1)デエビゴ錠 2.5mg・5mg・10mg 総合製品情報概要 臨床成績 4.国際共同第 III 相プラセボ対照比較試験[国際共同303試験(海外データを含む)p14(DVG1001FSG)
2)国際共同 303 試験(承認時評価資料)[DVG-0016]
3)Kärppä M. et al.: Sleep. 43(9),1-11, 2020[DVG-0088]
〔利益相反:本論文の著者のうち 7 名は、エーザイ(株)の社員である。著者にエーザイ(株)より資金提供を受領している者が含まれる。〕
4)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文2024年12月改訂(第3版)6. 用法及び用量
5)デエビゴ錠 2.5mg・5mg・10mg 総合製品情報概要 臨床成績 5. 海外第III相プラセボ/ゾルピデムER対照比較試験[外国304試験](海外データ)p24 (DVG1001FSG)
6)外国304試験(承認時評価資料)[DVG-0019]
7)Murphy P.e tal.: J Clin Sleep Med. 16(5),765-773, 2020[DVG-0078]
〔利益相反:本論文の著者のうち3名は、エーザイ(株)の社員である(過去の在籍者を含む)。著者にエーザイ(株)より資金提供を受領している者が含まれる。〕


【更新年月】
2025年3月

 

 
【図表あり】
KW:夜間覚醒