• No : 15037
  • 公開日時 : 2020/03/11 22:39
  • 更新日時 : 2023/10/31 17:59
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【デエビゴ】 授乳婦へ投与できますか? 服用後どのくらい空けたら授乳できますか?

【デエビゴ】 
 
授乳婦へ投与できますか? 服用後どのくらい空けたら授乳できますか?
 
     
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回答

電子添文には、授乳婦の投与について以下の記載があります。(引用1)
 
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。健康成人に10mgを経口投与した時に母乳中へ移行することが認められており、相対的乳児投与量(RID)は2%未満であった。
 
また、授乳婦に関する項目の解説として、インタビューフォームには以下の記載があります。(引用2、3)
米国にてPMR(Post Marketing Requirement;市販後要求事項)として、授乳への影響を評価するための臨床試験を実施し、ヒト母乳中へのレンボレキサントの移行性について検討した。
試験は、8人の健康な授乳中の成人女性を対象に、本剤の母乳中への移行量および相対的乳児投与量(relative infant dose:RID)を推定することを主要評価項目として実施した。本剤10mg単回投与後から10日目までに回収した母乳中のレンボレキサントの平均累積分泌量は0.0174mgであり、投与量の0.2%以下であった。また、乳児の標準体重を6kgとした場合のRIDは1.96%と算出された。
なお、実際に母乳で育てられた乳児に対するレンボレキサントの影響、レンボレキサントの母乳産生への影響、または母親に連続投与した場合の乳児の曝露に関するデータは無い。
 
なお、一般的に、半減期の約5倍の時間(血漿中濃度は1/32)が経過すれば、母体から薬剤は消失したと考えられます。(引用4)
 
【関連情報】
RIDについて、インタビューフォームには以下の記載があります。(引用2、5)
 
【参考】相対的乳児投与量(relative infant dose:RID)
薬剤の母乳中への移行性を評価する指標の1種である。
RIDは乳児が母乳を介して摂取する薬剤の用量と、その薬剤の母親の摂取量を比較した指標であり、乳児の薬剤摂取量(体重当たり)が母親への薬剤投与量(体重当たり)の何%に相当するかを示した計算値である。
 
            
RIDは上記の式で計算され、体重換算された値であるため、母親に投与された薬物が哺乳児にどの程度摂取されるかについて感覚的に把握しうることから、薬物と母乳に関する論文で広く利用されてきている指標である。授乳期の母親への投薬に関する参考書として活用されている 『Medications and Mothers' Milk』では、RIDが10%未満の薬物ではおおむね安全であるとの評価ができることが紹介されている。
 

【引用】
1)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mg電子添文 2023年10月(第1版) 9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.6 授乳婦
2)デエビゴ錠2.5mg・5mg・10mgインタビューフォーム 2023年10月改訂(第8版) VIII. 安全性(使用上の注意等)に関する項目6.特定の背景を有する患者に関する注意(6)授乳婦
3)Rawal,S. Br.J.Clin.Pharmacol. p1-6,2023[DVG-0241](本研究はエーザイ株式会社の支援を受けて実施された。)
4)水野 克己:昭和学士会誌73巻 4号 p301-306 2013[ZZZ-1241]
5)林 昌洋:Organ Biology,18(3)p279­286, 2011[ZZZ-1288]
 
【更新年月】
2023年10月

 
 
 
KW:母乳、患者指導、服薬指導